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Atrina pectinata

準絶滅危惧種 (NT)

【環境省】現時点での絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」に移行する可能性のある種

【 学名 】
Atrina pectinata (Linnaeus, 1767)

基本情報

大きさ・重さ

殻長:35 ㎝

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2020-10-15 En
分布

房総半島以南、インド・西太平洋域の温・熱帯海域に広く分布する。

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和名の解説

『和漢三才図会』には貝柱が「玉のように円く白いので玉珧という」とある。

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別名・方言名

タイラガイ、ヒロウガイ、タチガイ、エボシガイ

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人間との関係

『本草綱目』に「肉は腥(なまぐさ)くかたくて食べられない。<中略>玉か雪のように白い四つの貝柱は、鶏汁で瀹いて食べる」とある。

『大和本草』に玉珧は4つの貝柱があるが「タイラギハ只肉牙一柱耳」とある。

『浮世草子』に「たいらぎのあへ物。くずなの蒲鉾。美食も朝夕の費」とある。

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形態

成体の形質

二枚貝。貝殻は直角三角形に近い。背縁は直線的で、腹縁は幅広い後縁から湾曲し、殻頂に近づくにつれて次第に細く尖る。殻は薄く割れやすい。殻の後縁はわずかに開く。
殻表に細かい放射肋がある。この放射肋上に、うろこ状の突起が密生するものとしないものがある。これらは生態型と思われていたが、別種らしい。
殻表外面は半光沢のある緑褐色、または暗黄褐色。内面は光沢のあるオリーブ色、または真珠色。

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生態

生息環境

水深 20 m以浅の砂泥底に生息する。波の静かな内湾の、水深 10 m前後の泥底に多い。

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食性

海底上に幅の広い後縁部を露出させ、そこから海水を取り込んで呼吸や摂餌を行う。多くは腹縁側を潮流の来る方向に向けている。
海中を浮遊する珪藻類などの植物プランクトンや、カイアシ類の幼生などの動物プランクトン、有機懸濁物などを無選択に海水と一緒に取り込んで食べる。

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ライフサイクル

産卵期は夏。
孵化した幼生は殻長 100〜150 μm。昼間は水深 5 m以深にかたまっているが、夜間は表層にも浮上し、ほぼ全層に分布する。
2〜3週間で殻長 540〜700 μmの稚貝に成長して、底生生活に移行する。稚貝は、潮間帯から水深 15 mまでの砂泥底に多く出現する。有明海では、着底後8ヶ月で殻長 10 ㎝前後、2年で 20 ㎝前後、4年で 25 ㎝前後、5年で 27 ㎝前後、6年で 29 ㎝前後に成長する。殻長 17〜19 ㎝で成熟する。

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産卵

産卵期は夏。内房の富津では5〜9月、瀬戸内海の周防灘や有明海では7〜8月が産卵盛期となる。成熟した雌の卵巣は濃紅色、雄の精巣は黄白色をしている。

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特徴的な行動

殻頂を下にして、海底に突き刺さるように潜っている。殻頂近くの湾曲した腹縁から足糸を出し、泥中の小石や木片などに付着させて体を固定する。

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その他生態

生息量は環境変化に大きく左右され、大発生をするときには、1 ㎡あたり100個体前後生息する。生息量が少ない年には、10 ㎡に1個体以下の生息密度のこともある。
小型のゴカイ類や甲殻類が、殻内の外套腔などに生息していることがある。これらの寄生者はタイラギが体内に取り込んだ餌を横取りしてしまうため、貝の軟体部が痩せてしまうことがある。

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関連情報

漁獲方法

潜水によって漁獲されている。
フーカー式の潜水夫が海底に刺さったタイラギを引き抜いて次々と網に入れ、水上に揚げる。

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味や食感

冬から春にかけてが旬。刺身や椀種が適している。
主に貝柱を食べる。焼き物、煮物、鍋物、揚げ物など幅広い用途がある。

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種・分類一覧