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オオガタスジシマドジョウ(Cobitis magnostriata)の分類 Cobitidae
オオガタスジシマドジョウ(Cobitis magnostriata)の概要 シマドジョウ属(Cobitis)

オオガタスジシマドジョウ(Cobitis magnostriata)

準危急種 (EN)

【IUCN】近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの

絶滅危惧IB類 (EN)

【環境省】IA類ほどではないが、近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの

【 学名 】
Cobitis magnostriata Nakajima, 2012

基本情報

大きさ・重さ

体長:70~90 mm

参考文献

  • 2017 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑 - 書籍全体, 中島淳(著) 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑. 山と渓谷社. .

最終更新日:2020-08-10 ハリリセンボン

分布

琵琶湖とその周辺水域:滋賀県。このほか東京都、山梨県、静岡県、愛知県の一部水系に人為的に移入され定着している。

参考文献

  • 2017 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑 - 書籍全体, 中島淳(著) 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑. 山と渓谷社. .

最終更新日:2020-08-10 ハリリセンボン

学名の解説

種小名「magno+striata」で「偉大なスジシマドジョウ」を意味する。

参考文献

  • 2017 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑 - 書籍全体, 中島淳(著) 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑. 山と渓谷社. .

最終更新日:2020-08-10 ハリリセンボン

別名・方言名

地方名:シマドジョウ・クルマドジョウ(滋賀県:混称)

参考文献

  • 2017 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑 - 書籍全体, 中島淳(著) 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑. 山と渓谷社. .

最終更新日:2020-08-10 ハリリセンボン

分類学的位置付け

コイ目 ドジョウ科

参考文献

  • 2017 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑 - 書籍全体, 中島淳(著) 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑. 山と渓谷社. .
  • 中島敦 2018 オオガタスジシマドジョウ, 中坊徹次(著) 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z, 日本の魚類館. 小学館. p. 114.

最終更新日:2020-08-10 ハリリセンボン

人間との関係

琵琶湖固有種で、日本を代表する特異で美麗な淡水魚の1つ。

スジシマドジョウ大型種族あるいは大型種として古くから知られていたが、新種として記載されたのは2012年である。

古くから4倍体性種であることが知られていたが、近年の詳細な遺伝学的研究の結果、少なくとも異なる3種の遺伝子をもつことが明らかにされており、魚類の種分化の仕組みを解明する上で重要な種と言える。

生息環境の悪化から、琵琶湖周辺では生息数が減少しているが、本州の一部地域では琵琶湖産アユ種苗の放流に伴って移入・定着したと考えられる個体群が確認されている。

参考文献

  • 2017 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑 - 書籍全体, 中島淳(著) 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑. 山と渓谷社. .

最終更新日:2020-08-10 ハリリセンボン

形態

成魚の形質

各鰭の条数は、背鰭棘状軟条3、背鰭分枝軟条7、臀鰭棘状軟条3、臀鰭分枝軟条5、胸鰭棘状軟条1、胸鰭分枝軟条7~8、腹鰭棘状軟条2、腹鰭分枝軟条6、尾鰭8+8。

3対の口ひげを有し、第2口ひげ長は眼径とほぼ同長である。体型は細長く、尾柄は比較的高い。背部斑紋L1は縦条斑紋になる個体が多いが、河川に生息する個体群では四角形の斑紋列となる。

体側斑紋L3とL5は明瞭な縦条で、L3は尾鰭基部までは達しない。L2とL4は不明瞭で、個体によっては存在しない。尾鰭と背鰭の端部は黒く縁取られる。尾鰭付け根の黒点は上下とも明瞭で、接続する。胸鰭腹鰭間筋節数は14(13~14)。雄胸鰭の骨質盤は単純な円形で、第1分枝軟条の上片は太い。

4倍体性種で、染色体数は2n=98である。

同属のビワコガタスジシマドジョウ、ニシシマドジョウが同所的に分布する場合がある。

ビワコガタスジシマドジョウは尾鰭付け根の黒点の下の点がやや低いこと、雄胸鰭の第1分枝軟条の上片が細いこと、成熟サイズがより小さいことなどの特徴から本種との区別が可能である。

ニシシマドジョウは体側斑紋L3とL5が明瞭な縦条にならないこと、背鰭や尾鰭の模様の特徴、雄胸鰭の骨質盤がくちばし状になることなどの特徴から本種との区別が可能である。

参考文献

  • 2017 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑 - 書籍全体, 中島淳(著) 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑. 山と渓谷社. .

最終更新日:2020-08-10 ハリリセンボン

卵の形質

卵黄径は約 1.1 mmである。

参考文献

  • 2017 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑 - 書籍全体, 中島淳(著) 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑. 山と渓谷社. .

最終更新日:2020-08-10 ハリリセンボン

生態

生息環境

琵琶湖や周辺の河川・水路に生息する。琵琶湖では水深 1~3 mの砂礫底の環境に周年を通して生息する。

参考文献

  • 2017 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑 - 書籍全体, 中島淳(著) 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑. 山と渓谷社. .

最終更新日:2020-08-10 ハリリセンボン

産卵

成熟した個体は4~6月に琵琶湖に流入する河川や水路に遡上して、泥底環境においてばらまき型の産卵を行う。

参考文献

  • 2017 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑 - 書籍全体, 中島淳(著) 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑. 山と渓谷社. .

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その他生態

雄は2年、雌は3年で成熟する。

河川に生息する個体群の生活史については不明である。

参考文献

  • 2017 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑 - 書籍全体, 中島淳(著) 日本のドジョウ, 形態・生態・文化と図鑑. 山と渓谷社. .

最終更新日:2020-08-10 ハリリセンボン

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