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ビリンゴ(Gymnogobius breunigii)の分類 ハゼ科(Gobiidae)
ビリンゴ(Gymnogobius breunigii)の概要 Gymnogobius

ビリンゴ(Gymnogobius breunigii)

【 学名 】
Gymnogobius breunigii (Steindachner, 1879)

基本情報

大きさ・重さ

全長:5 cm程度

雄は雌より小さい。

参考文献

  • 佐原雄二 1989 ビリンゴ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 613.
  • 2017 岐阜県の魚類, 第2版 - 書籍全体, 向井貴彦(著) 岐阜県の魚類, 第2版. 岐阜新聞社. .

最終更新日:2020-09-14 ハリリセンボン

分布

北海道、青森県~九州南岸の各地沿岸、瀬戸内海に分布する。

国外では、サハリン南部と朝鮮半島南岸に分布する。

参考文献

  • 原田慈雄 2018 ビリンゴ, 中坊徹次(著) 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z, 日本の魚類館. 小学館. p. 404.
  • 佐原雄二 1989 ビリンゴ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 613.

最終更新日:2020-09-14 ハリリセンボン

生息状況

岐阜県レッドリスト準絶滅危惧。

参考文献

  • 2017 岐阜県の魚類, 第2版 - 書籍全体, 向井貴彦(著) 岐阜県の魚類, 第2版. 岐阜新聞社. .

最終更新日:2020-09-14 ハリリセンボン

別名・方言名

地方名:カジカ(青森県:混称)

参考文献

  • 佐原雄二 1989 ビリンゴ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 613.

最終更新日:2020-09-14 ハリリセンボン

分類学的位置付け

スズキ目 ハゼ科 ハゼ亜科 ウキゴリ属

参考文献

  • 原田慈雄 2018 ビリンゴ, 中坊徹次(著) 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z, 日本の魚類館. 小学館. p. 404.
  • 佐原雄二 1989 ビリンゴ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 613.
  • 2017 岐阜県の魚類, 第2版 - 書籍全体, 向井貴彦(著) 岐阜県の魚類, 第2版. 岐阜新聞社. .

最終更新日:2020-09-14 ハリリセンボン

形態

成魚の形質

体高に比べて尾柄高が低い。上顎は前端が下顎先端より後ろ、後端は眼の後縁を超えない。

背側が淡褐色、腹側が白色で、尾柄は細い。ジュズカケハゼとは、大きさや色彩などよりも、頭部の眼上感覚管の開孔の有無(ビリンゴには両眼の間に3対あり、ジュズカケハゼにはない)で区別するのが無難であろう。

婚姻色は雌に強くあらわれ、尾鰭以外の鰭が著しく黒くなり、体側に黄色の横帯が出るが、これもジュズカケハゼによく似る。雄に婚姻色はあらわれない。

参考文献

  • 原田慈雄 2018 ビリンゴ, 中坊徹次(著) 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z, 日本の魚類館. 小学館. p. 404.
  • 佐原雄二 1989 ビリンゴ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 613.
  • 2017 岐阜県の魚類, 第2版 - 書籍全体, 向井貴彦(著) 岐阜県の魚類, 第2版. 岐阜新聞社. .

最終更新日:2020-09-14 ハリリセンボン

稚魚・仔魚・幼魚の形質

幼魚や若魚は、第1背鰭の後縁が黒く縁どられる。

参考文献

  • 2017 岐阜県の魚類, 第2版 - 書籍全体, 向井貴彦(著) 岐阜県の魚類, 第2版. 岐阜新聞社. .

最終更新日:2020-09-14 ハリリセンボン

似ている種 (間違えやすい種)

ジュズカケハゼ、シンジコハゼ、ムサシノジュズカケハゼ、コシノハゼ、ホクリクジュズカケハゼ

参考文献

  • 原田慈雄 2018 ビリンゴ, 中坊徹次(著) 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z, 日本の魚類館. 小学館. p. 404.
  • 佐原雄二 1989 ビリンゴ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 613.

最終更新日:2020-09-14 ハリリセンボン

生態

生息環境

川の感潮域の泥底から砂泥底のところに棲む。河口部に泥底域の発達していない川には少ない。また、同様な条件を備えた汽水湖にも生息する。

浅い水底にいることが多いが、群れをつくって中層で遊泳あるいは静止していることもある。満潮の頃には水辺の抽水植物帯のなかに入っていることも多い。

伊勢湾奥部では普通種で、岐阜県内では木曽川の馬飼大堰より下流や揖斐川の下流域でよく見られる。

参考文献

  • 佐原雄二 1989 ビリンゴ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 613.
  • 2017 岐阜県の魚類, 第2版 - 書籍全体, 向井貴彦(著) 岐阜県の魚類, 第2版. 岐阜新聞社. .

最終更新日:2020-09-14 ハリリセンボン

食性

主に底生植物を食べる。

青森県蟹田川では年間を通して主にゴカイを食べ、そのほかにヨコエビや等脚類をとる。また付着藻類をとっていた例もある。

一方、小さな川で河口に山が迫っているようなところでは、ユスリカ幼虫、カゲロウ幼虫などの水生昆虫をかなり食べている。

昼夜ともに摂餌する一方、潮汐による水位変化の大きいところでは、潮汐に関係した摂餌周期を持つ。これは、潮汐に伴う小規模の移動行動に関連しているようである。

参考文献

  • 佐原雄二 1989 ビリンゴ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 613.

最終更新日:2020-09-14 ハリリセンボン

ライフサイクル

孵化仔魚はいったんは海へ下り、しばらくして川へ遡上する。1年で成熟し、産卵する。

寿命は2~3年であるが、1年で産卵後に死亡する個体も多いようである。

参考文献

  • 佐原雄二 1989 ビリンゴ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 613.

最終更新日:2020-09-14 ハリリセンボン

産卵

産卵期は、福岡市では1月下旬~4月下旬、青森県や北海道南部では5~6月である。雄は岸辺近くの泥底に穴を掘るか、またはアナジャコやゴカイなど、ほかの動物の堀った穴を利用して巣をつくり、巣穴の壁面に雌が産卵したのち孵化まで卵を守る。

木曽三川では河口干潟や前浜干潟のアナジャコなどの巣穴で産卵するようである。

参考文献

  • 佐原雄二 1989 ビリンゴ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 613.
  • 2017 岐阜県の魚類, 第2版 - 書籍全体, 向井貴彦(著) 岐阜県の魚類, 第2版. 岐阜新聞社. .

最終更新日:2020-09-14 ハリリセンボン

関連情報

飼育方法

水槽で飼育しやすい。

参考文献

  • 佐原雄二 1989 ビリンゴ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 613.

最終更新日:2020-09-14 ハリリセンボン

味や食感

ほかの小魚と混獲され、佃煮にされる。

参考文献

  • 佐原雄二 1989 ビリンゴ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 613.

最終更新日:2020-09-14 ハリリセンボン

種・分類一覧