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Gymnogobius taranetziの分類 Gobiidae
Gymnogobius taranetziの概要 Gymnogobius

Gymnogobius taranetzi

絶滅危惧II類 (VU)

【環境省】絶滅の危険が増大している種

【 学名 】
Gymnogobius taranetzi (Pinchuk, 1978)

基本情報

大きさ・重さ

全長:雄 5 cm、雌 6 cm

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分布

富山県~島根県、朝鮮半島東岸中部~沿海州、中国河北省に分布する。

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別名・方言名

地方名:メゴス(宍道湖)

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分類学的位置付け

スズキ目 ハゼ科 ハゼ亜科 ウキゴリ属

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人間との関係

ミトコンドリアDNA分析では本種の島根県、北陸地方、朝鮮半島東岸、沿海州の各個体群とジュズカケハゼの本州北部日本海沿岸と東京湾沿岸の個体群の系統関係がモザイク状になり、それぞれが種としてまとまらない。

ミトコンドリアDNAによる系統関係は過去の交雑による遺伝子浸透の影響が反映されることがあり、核DNAによる研究が待たれる。

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形態

成魚の形質

ビリンゴに似るが、以下の点で見分けられる。

多くの場合、体側には6~7個の不明瞭な横帯がある。また、第2背鰭と尾鰭にはそれぞれ数列の淡色の小さな縦条と横帯がある。成魚では、雌の第1背鰭が四角形に広がり、その後縁には明瞭な1個の黒色斑がある。また、雌雄ともビリンゴに比較して頭部が大きい。

最も大きな特徴は、頭部の感覚管で、ビリンゴが両眼の間に3対の感覚孔とそれらをつなぐ管を持つのに対して、本種の場合は感覚孔の1対が消失している点である。なお、近縁のジュズカケハゼはそれらを全く持たない。

感覚孔と管の有無は、少量の染色液を孔から管に通して拡大鏡でのぞくと確認できるが、見慣れると上記の操作なしでも判別することができる。

産卵期になると、雌には婚姻色があらわれ、頭部下面、腹鰭、尻鰭が黒くなり、体側には鮮やかな数条の黄色い横帯が現れる。雄の婚姻色は不明瞭で、腹鰭と尻鰭が少し黒くなるに過ぎない。

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稚魚・仔魚・幼魚の形質

幼魚の段階では、ビリンゴとの斑紋の差は小さいが、本種では体側と背中線上に×を基調にした左右対称の斑紋が6~7個並ぶ点、また、下顎に黒色の小点が多い点で区別できる。

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似ている種 (間違えやすい種)

ビリンゴ

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生態

生息環境

宍道湖全域の沿岸部に見られ、特に船どまりの風波を直接受けない場所に多い。

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食性

動物食で、幼魚、成魚ともにイサザアミをよく食べる。

飼育下では、冷凍アカムシやイトミミズも好んで食べる。

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ライフサイクル

卵は水温14℃前後で約20日間で孵化する。

湖内では5月上旬に、全長 12~14 ㎜になった稚魚が船着場の奥部に20~30尾ずつかたまって表層近くで群れている。6月中旬には 25~27 ㎜になり、エビモなどの水草の周辺に集まる習性がある。さらに成長すると、桟橋などの物陰に隠れ、底生生活を送る時間が長くなる。

8月には 40~43 ㎜、10月には 48~53 ㎜に成長して、以後成熟に向かう。

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産卵

産卵期は3月中旬~4月上旬。

現在のところ産卵場は確認されていないが、成魚が定置網に入る状態や成熟した魚が岸辺に見当たらない状況などから判断して、産卵は 200~300 m沖合の、水深 2~4 mの砂泥底で行われていると推定される。

飼育下では、産卵期に入ると雄が盛んに巣穴を掘るのが見られることから、ジュズカケハゼの産卵行動に似ると思われる。

産卵後、親魚の多くはその年の6月までに死亡する。

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その他生態

本種とビリンゴは、宍道湖と中海水域で共存しているが、大まかに前者が宍道湖、後者が中海と分布が分かれている。これは、宍道湖が海水の7分の1の塩分しかないのに対して、中海は海水の約2分の1の塩分であるという両湖水の塩分濃度差によると思われる。

ただし、ビリンゴは宍道湖の東部一帯に進入してきて、高い割合で本種と混生しているのに対して、本種が中海へ出ることはほとんどない。この点から、本種はビリンゴと比べて、塩分変化に対する適応性が低いといえる。

飼育下では、海水にも淡水にも適応性があるが、急な水質の変化にはビリンゴよりもかなり敏感である。

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関連情報

味や食感

ビリンゴ同様に、佃煮やかき揚げにされる。

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種・分類一覧