- 解説一覧
- マルタ(Tribolodon brandtii)について

基本情報
- 分布
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東京湾~岩手県大船渡湾の太平洋沿岸の流入河川に分布する。
国外では、サハリン、アムール川流域と、ピョトール大帝湾から朝鮮半島東岸までに分布する。
参考文献
最終更新日:2020-07-08 ハリリセンボン
- 人間との関係
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かつて本種は、東京湾とそこに流入する河川に多産し、漁獲の対象ともなっていた。
鶴見川にも1950年代までは多産し、春の遡上期の下流部では、川いっぱいに刺し網を張って漁獲する光景も見られたものである。
しかし1960年代に入り、水質汚染の進行とともに鶴見川水系はもとより東京湾全域で激減し、1995年に発行された『神奈川県レッドデータ生物調査報告書』では、危惧種Dの指定を受けるに至った。
そのマルタウグイが、1990年代半ばから鶴見川でも確認されるようになってきた。ここ数年は成魚ばかりでなく、稚魚や若魚も多数確認されるようになった。
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形態
- 成魚の形質
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産卵期に見られる赤い縦条は、上あご直後から頬、胸鰭基底を経て、体側腹方から尾柄にいたる1条のみで、ほかに肩部に三日月形の赤色斑が出る。
背鰭の基底部も赤く、ほかの鰭の膜部も赤い。追星はほぼ全身に及ぶが、ウグイに比べて小さい。体部背面のそれぞれのうろこの中央部にある追星は、ふつう2~3個が体軸に直角に1列に並ぶ。眼下長(頬の長さ)は眼系より大きい。うきぶくろの後端は、わずかに尖っている。
側線鱗数は、各地域で同じ場所に生息するウグイやエゾウグイよりも約10枚ほど多く、北海道では多くは85枚以上。背鰭前部のうろこは40枚以上。
頭部側線感覚管のうち、眼肩甲管と前鰓蓋骨管が連続するのは、ウグイ属の中で本種だけである。
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生態
- 生息環境
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河川中~下流域から内湾に生息する。若魚は汽水域に生息することが多く、成魚も内湾などに多い。
全てが降海し、北海道では岸に沿って外海にも出る。
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最終更新日:2020-07-08 ハリリセンボン