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ヤマノカミ(Trachidermus fasciatus)の分類 Cottidae
ヤマノカミ(Trachidermus fasciatus)の概要 Trachidermus

ヤマノカミ(Trachidermus fasciatus)

絶滅危惧IB類 (EN)

【環境省】IA類ほどではないが、近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの

【 学名 】
Trachidermus fasciatus Heckel, 1837

基本情報

大きさ・重さ

全長:16 cm

参考文献

  • 田北徹 2001 ヤマノカミ, 川那部浩哉、水野信彦(著) 川那部浩哉、水野信彦(監修) 川那部浩哉、水野信彦(編) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と渓谷社 . p. 654.

最終更新日:2020-09-30 ハリリセンボン

分布

日本では有明海に注ぐ河川だけに分布する。
福岡県の筑後川と矢部川、佐賀県の嘉瀬川、六角川、浜川など、熊本県の白川での分布が記載されている。

しかし、産卵が河口から有明海奥部にかけて行われ、仔稚魚は広く分散すると考えられることと、例年早春に諫早湾奥部に遡上中の稚魚が集まることからみて、長崎県島原半島と熊本県宇土半島を除き、諫早湾奥部に注ぐ本明川から佐賀・福岡両県を経て、熊本県緑川にいたるまでにある。

国外では、中国北部と朝鮮半島の西部・南部の河川に分布する。

参考文献

  • 田北徹 2001 ヤマノカミ, 川那部浩哉、水野信彦(著) 川那部浩哉、水野信彦(監修) 川那部浩哉、水野信彦(編) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と渓谷社 . p. 654.

最終更新日:2020-09-30 ハリリセンボン

別名・方言名

地方名:ヤマンカミ(筑後地方)

参考文献

  • 田北徹 2001 ヤマノカミ, 川那部浩哉、水野信彦(著) 川那部浩哉、水野信彦(監修) 川那部浩哉、水野信彦(編) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と渓谷社 . p. 654.

最終更新日:2020-09-30 ハリリセンボン

分類学的位置付け

スズキ目 カジカ科 ヤマノカミ属 

参考文献

  • 中坊徹次 2018 ヤマノカミ(ヤマノカミ属), 中坊徹次(著) 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z, 日本の魚類館. 小学館. p. 347.
  • 田北徹 2001 ヤマノカミ, 川那部浩哉、水野信彦(著) 川那部浩哉、水野信彦(監修) 川那部浩哉、水野信彦(編) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と渓谷社 . p. 654.

最終更新日:2020-09-30 ハリリセンボン

人間との関係

中国では古来から珍重されているが、日本ではほとんど利用されない。そのため、本種を獲る特定の漁法もない。

参考文献

  • 中坊徹次 2018 ヤマノカミ(ヤマノカミ属), 中坊徹次(著) 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z, 日本の魚類館. 小学館. p. 347.
  • 田北徹 2001 ヤマノカミ, 川那部浩哉、水野信彦(著) 川那部浩哉、水野信彦(監修) 川那部浩哉、水野信彦(編) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と渓谷社 . p. 654.

最終更新日:2020-09-30 ハリリセンボン

形態

成魚の形質

頭は大きく、後頭部と頬部に隆起線がある。

鰓膜が峡部と幅広く癒合し、鋤骨に歯がある。尾鰭基底に扇状の暗色斑を呈する。

参考文献

  • 田北徹 2001 ヤマノカミ, 川那部浩哉、水野信彦(著) 川那部浩哉、水野信彦(監修) 川那部浩哉、水野信彦(編) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と渓谷社 . p. 654.

最終更新日:2020-09-30 ハリリセンボン

稚魚・仔魚・幼魚の形質

仔魚は全身が半透明で、頭部に大きな棘がある。

参考文献

  • 田北徹 2001 ヤマノカミ, 川那部浩哉、水野信彦(著) 川那部浩哉、水野信彦(監修) 川那部浩哉、水野信彦(編) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と渓谷社 . p. 654.

最終更新日:2020-09-30 ハリリセンボン

卵の形質

卵は球形で、直径 2.0~2.2 mmである。沈性で、卵膜に粘着性がある。卵黄は橙赤色を呈する。

参考文献

  • 田北徹 2001 ヤマノカミ, 川那部浩哉、水野信彦(著) 川那部浩哉、水野信彦(監修) 川那部浩哉、水野信彦(編) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と渓谷社 . p. 654.

最終更新日:2020-09-30 ハリリセンボン

生態

生息環境

主に上・中流の清流の、浅い砂礫ないしやや大形の石のある浅いところに単独で棲む。

参考文献

  • 中坊徹次 2018 ヤマノカミ(ヤマノカミ属), 中坊徹次(著) 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z, 日本の魚類館. 小学館. p. 347.
  • 田北徹 2001 ヤマノカミ, 川那部浩哉、水野信彦(著) 川那部浩哉、水野信彦(監修) 川那部浩哉、水野信彦(編) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と渓谷社 . p. 654.

最終更新日:2020-09-30 ハリリセンボン

食性

ほとんど一生を通して、甲殻類とその幼生を捕食する。

参考文献

  • 田北徹 2001 ヤマノカミ, 川那部浩哉、水野信彦(著) 川那部浩哉、水野信彦(監修) 川那部浩哉、水野信彦(編) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と渓谷社 . p. 654.

最終更新日:2020-09-30 ハリリセンボン

ライフサイクル

3~4月に河口付近に集まって浮遊生活をし、5月にかけて遡上する。

全長は、満1年で 10~12 cm、満2年で 16 cmに達する。

参考文献

  • 田北徹 2001 ヤマノカミ, 川那部浩哉、水野信彦(著) 川那部浩哉、水野信彦(監修) 川那部浩哉、水野信彦(編) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と渓谷社 . p. 654.

最終更新日:2020-09-30 ハリリセンボン

活動時間帯

夜に活動する。

参考文献

  • 田北徹 2001 ヤマノカミ, 川那部浩哉、水野信彦(著) 川那部浩哉、水野信彦(監修) 川那部浩哉、水野信彦(編) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と渓谷社 . p. 654.

最終更新日:2020-09-30 ハリリセンボン

産卵

11月に川を下り始め、12~1月に河口から有明海湾奥部の干潟域に達して、タイラギの空き殻内面に産卵する。雄が卵塊を保護する。

産卵は2歳魚および成長の速い1歳魚によって行われる。

産卵後、親魚は雌雄ともに死ぬ。

参考文献

  • 田北徹 2001 ヤマノカミ, 川那部浩哉、水野信彦(著) 川那部浩哉、水野信彦(監修) 川那部浩哉、水野信彦(編) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と渓谷社 . p. 654.

最終更新日:2020-09-30 ハリリセンボン

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