- 解説一覧
- イドミミズハゼ(Luciogobius pallidus)について

イドミミズハゼ(Luciogobius pallidus)
【IUCN】評価するだけの情報が不足している種
【環境省】現時点での絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」に移行する可能性のある種
- 【 学名 】
-
Luciogobius pallidus Regan, 1940
基本情報
- 大きさ・重さ
-
全長:7 cm
参考文献
- 吉田隆男@道津喜衛 1989 イドミミズハゼ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 628-629.
最終更新日:2020-10-05 ハリリセンボン
- 分布
-
新潟県~鹿児島県の日本海・東シナ海沿岸、三重県~宮崎県の太平洋沿岸、瀬戸内海、奄美大島に分布する。
三重県海山町、和歌山県の御坊市と古座町、山口県長門市、高知県土佐清水市、愛媛県宇和島市、熊本県八代市の各地の井戸から採集されている。また、静岡県の藁科川、三重県海山町の銚子川、高知県の新庄川、長崎県南高来群の鏡川からも確認されている。
国外からの記録はない。
参考文献
- 松井彰子 2018 イドミミズハゼ, 中坊徹次(著) 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z, 日本の魚類館. 小学館. p. 391.
- 吉田隆男@道津喜衛 1989 イドミミズハゼ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 628-629.
最終更新日:2020-10-05 ハリリセンボン
- 別名・方言名
-
地方名:メクラドジョウ(山口県)
参考文献
- 吉田隆男@道津喜衛 1989 イドミミズハゼ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 628-629.
最終更新日:2020-10-05 ハリリセンボン
- 分類学的位置付け
-
スズキ目 ハゼ科 ハゼ亜科 ミミズハゼ属
参考文献
- 松井彰子 2018 イドミミズハゼ, 中坊徹次(著) 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z, 日本の魚類館. 小学館. p. 391.
- 吉田隆男@道津喜衛 1989 イドミミズハゼ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 628-629.
最終更新日:2020-10-05 ハリリセンボン
- 人間との関係
-
本種が採捕された井戸は、近くに大きな川があり、また海にも近い。銚子川では、河川敷の工事中にボーリングで深さ 23 mのところから得られている。新庄川では下流域の砂礫内で深さ 20~30 cmのところから採集されている。
筆者ら(吉田ら)は、長崎県大村湾の地下水の流れ出る海岸で、稚魚から成魚までの個体を新たに採集している。ここでは地下水が近くの丘から海岸へしみ出しており、本種はテッポウエビやスナモグリの穴の中や、半分ほどが砂泥に埋もれた石の下に潜んでいる。素早く逃げ隠れするため採集は難しい。
参考文献
- 吉田隆男@道津喜衛 1989 イドミミズハゼ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 628-629.
最終更新日:2020-10-05 ハリリセンボン
形態
- 成魚の形質
-
体は円筒形で細長い。頭部はわずかに縦扁する。眼は退化して小さい。第1背鰭はない。胸鰭はほぼ円形をなして大きく、遊離鰭条はない。腹鰭は吸盤状で細長い。背鰭・尻鰭・尾鰭はいずれも発達して大きい。鱗と側線はない。
生時の体色はピンク色をしている。明るい室内の海水水槽で長く飼育していると、色が濃くなり柿色に変わる。
背鰭1棘9~11軟条、尻鰭1棘9~12軟条、胸鰭12~16軟条、腹鰭1棘5軟条、総脊椎骨数は33~37、そのうち腹椎数は17~19、頭長に対する体長の比は4.5~5.7。
参考文献
- 吉田隆男@道津喜衛 1989 イドミミズハゼ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 628-629.
最終更新日:2020-10-05 ハリリセンボン
- 似ている種 (間違えやすい種)
-
ドウクツミミズハゼ
参考文献
- 吉田隆男@道津喜衛 1989 イドミミズハゼ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 628-629.
最終更新日:2020-10-05 ハリリセンボン
生態
- 生息環境
-
伏流水の湧き出る河川下流域~河口域の礫中に生息する。
参考文献
- 松井彰子 2018 イドミミズハゼ, 中坊徹次(著) 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z, 日本の魚類館. 小学館. p. 391.
最終更新日:2020-10-05 ハリリセンボン
- 産卵
-
産卵はまだ確認されていないが、大村湾の同水域では、11~4月の間に石の下から全長 10~15 ㎜の稚魚が採集されていることから、産卵期は10~3月の間であり、稚魚はこの大きさで底生生活に入ると考えられる。
参考文献
- 吉田隆男@道津喜衛 1989 イドミミズハゼ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 628-629.
最終更新日:2020-10-05 ハリリセンボン
関連情報
- 飼育方法
-
明るい室内の水槽内で、ゴカイ、アサリ砕片、乾燥イトミミズなどの動物性の餌をやると、長期間にわたって飼育できる。飼育水は淡水でも海水でもよい。
明るい昼間には水槽の砂底上に置いた石の下に潜んでいるが、暗くなると出てくる。
参考文献
- 吉田隆男@道津喜衛 1989 イドミミズハゼ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 628-629.
最終更新日:2020-10-05 ハリリセンボン