- 解説一覧
- ヒナモロコ(Aphyocypris chinensis)について
ヒナモロコ(Aphyocypris chinensis)
【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種
【環境省】ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの
- 【 学名 】
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Aphyocypris chinensis Günther, 1868
基本情報
- 大きさ・重さ
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全長:4~7 cm
参考文献
- 前畑政善 1989 ヒナモロコ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 258.
最終更新日:2020-07-21 ハリリセンボン
- 分布
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日本では福岡市周辺のみに分布する。
国外では、アムール川、遼河、長江、及び朝鮮半島などのアジア大陸東部に広く分布することが知られている。
参考文献
- 前畑政善 1989 ヒナモロコ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 258.
最終更新日:2020-07-21 ハリリセンボン
- 別名・方言名
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地方名:メダカ(福岡市周辺:混称)
参考文献
- 前畑政善 1989 ヒナモロコ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 258.
最終更新日:2020-07-21 ハリリセンボン
- 分類学的位置付け
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コイ目 コイ科 ハエジャコ亜科 ヒナモロコ属
参考文献
- 川瀬成吾 2018 ヒナモロコ(ヒナモロコ属), 中坊徹次(著) 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z, 日本の魚類館. 小学館. p. 102.
- 前畑政善 1989 ヒナモロコ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 258.
最終更新日:2020-07-21 ハリリセンボン
- 人間との関係
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国内では圃場整備や都市化によって生息地が失われ、激減している。現在残る生息地は筑後川水系の一部のみと、日本で最も絶滅の危険性が高い淡水魚の1つである。
参考文献
- 川瀬成吾 2018 ヒナモロコ(ヒナモロコ属), 中坊徹次(著) 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z, 日本の魚類館. 小学館. p. 102.
最終更新日:2020-07-21 ハリリセンボン
形態
- 成魚の形質
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側線は不完全で、前方の鱗4~10枚だけに存在する。体は細長く、口ひげはない。背鰭には棘がなく、その起点は腹鰭起点よりやや後方に位置する。カワバタモロコに似るが、それより体高が低いこと、腹側が竜骨状にならないこと、また体色が淡褐色で地味なうえ、産卵期の雄にも鮮やかな黄金色があらわれないことなどの点で区別される。雄は一般に雌より小形である。咽頭歯は2列である。
参考文献
- 川瀬成吾 2018 ヒナモロコ(ヒナモロコ属), 中坊徹次(著) 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z, 日本の魚類館. 小学館. p. 102.
- 前畑政善 1989 ヒナモロコ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 258.
最終更新日:2020-07-21 ハリリセンボン
- 似ている種 (間違えやすい種)
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カワバタモロコ
参考文献
- 前畑政善 1989 ヒナモロコ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 258.
最終更新日:2020-07-21 ハリリセンボン
生態
- 生息環境
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流れの緩やかな河川の淀みや細流、あるいはこれらに連絡する水路や浅い池に生息する。しかし秋から冬にかけての減水期にはやや深いため池に入って越冬するらしい。
参考文献
- 前畑政善 1989 ヒナモロコ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 258.
最終更新日:2020-07-21 ハリリセンボン
- 食性
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自然条件下での餌については調査されていないが、本種は雑食性らしく、飼育するとイトミミズ、ユスリカ幼虫、人工配合餌料などいずれもよく食べる。
参考文献
- 前畑政善 1989 ヒナモロコ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 258.
最終更新日:2020-07-21 ハリリセンボン
- ライフサイクル
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卵は1~2日後に孵化し、孵化直後の仔魚は全長約 3 ㎜である。多くのものは水底に横たわり、2~3日後には中層を遊泳し、小型のプランクトン動物やゆがいた卵黄粉末を食べ、やがてより大型のプランクトン動物をも捕食するようになる。水槽内では満1年で全長 4~5 cmに達し、翌年の夏には成熟して産卵するようになる。
筆者らの飼育経験によれば、本種の寿命はカワバタモロコに比べて著しく短く、多くのものは満2年以内に死亡する。
参考文献
- 前畑政善 1989 ヒナモロコ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 258.
最終更新日:2020-07-21 ハリリセンボン
- 生殖行動
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腹の大きな1尾の雌を複数の雄が追尾する。
参考文献
- 前畑政善 1989 ヒナモロコ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 258.
最終更新日:2020-07-21 ハリリセンボン
- 産卵
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天然水域での産卵期は5~6月頃(中村守純, 1969)と推定されているが、筆者らの野外に設置した約 1×1×0.2 mの水槽では、7月下旬~8月中旬の年間を通じて最も水温の高い時期に毎年産卵している。同じ場所に設置してある水槽でカワバタモロコが7月下旬には産卵を終了していることから、本種の産卵はカワバタモロコより遅れて開始されるものと考えられる。
水草の中で産卵が行われ(秋山信彦, 1988)、また卵が水面近くの水草の葉や根に1粒ずつ分散して産み付けられる。
参考文献
- 前畑政善 1989 ヒナモロコ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 258.
最終更新日:2020-07-21 ハリリセンボン