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カムルチー(Channa argus)

【 学名 】
Channa argus (Cantor, 1842)

基本情報

大きさ・重さ

全長:30~80 cm

まれに 1 mを超えるものがあり、ライギョ類の中では最大の魚である。日本でライギョといえば、本種を指すことが多い。

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分布

日本では本州・四国・九州の平野部の湖沼や河川に分布する。

原産地はアジア大陸東部で、北はアムール川から朝鮮半島を経て、南は長江付近にまで分布する。

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別名・方言名

地方名:ライギョ・ライヒー(日本各地:混称)、タイワン(琵琶湖)

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分類学的位置付け

スズキ目 タイワンドジョウ科 タイワンドジョウ属

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人間との関係

日本へは1923~1924年に朝鮮半島から奈良県へ移入されたのが最初らしい。

近年、北海道の石狩川や天塩川でタイワンドジョウ科の魚が漁獲されているが、これらはカムルチーであるといわれる。

朝鮮半島では本種の肉が疲労回復や補血の効があるというので、妊産婦に喜ばれる。

ルアー釣りの対象として人気がある。オオクチバスの拡散と反比例するように数を減らした。

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形態

成魚の形質

体は細長く、頭はヘビのようで、口裂は眼窩後縁の後方に及ぶ。側線は肩部から尾部まで連続しており、胸鰭付近で背の方へ折れ曲がっている。

背鰭・尻鰭の基底は大変長く、条数も背鰭47~53軟条、尻鰭31~35軟条と、タイワンドジョウより多い。背面は緑褐色で腹面は白い。体側には2列に並ぶ菱形の暗色斑がある。

産卵期の発情した雌雄は体色が銀白色となり、体側の斑紋が見えないくらいに淡くなる。

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生態

生息環境

流れの緩やかな水草の繁茂する水域に単独で生活する。冬には水草や泥の中に潜り込み、ほぼ冬眠状態で越冬する。

水温の上昇する4~5月頃より活動を開始し、夏の間は餌となる小魚やエビを追って水草の中を活発に泳ぎ回る。

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食性

小動物を捕食する肉食魚である。

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ライフサイクル

仔魚は、初期には全身が真っ黒で巣内にとどまっているが、やがて体色に黄色みが増し始める後期仔魚になると巣を離れ、数十尾から数百尾で濃密な群れをなして水面近くを泳ぎ回る。ときには体長 10 cm程度のものが、数百尾の群れをなすこともある。

成長につれて群れを離れ、単独生活に入る。

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産卵

産卵期は5~8月。雌雄が共同で浮き巣をつくる。巣は水草の破片や流れてきたゴミを集めてドーナツ状にしたもので、直径が 1 mぐらいある。

産卵は早朝に雌雄1対で行われる。その後、雌雄はともに巣の下にとどまり、卵や仔魚を外敵から守る。

卵は浮遊性で、ドーナツ状の巣内部の中空部に産みこまれるが、水草などに囲まれているため流出しない。

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その他生態

カムルチーの生息する水草帯で、水中から時々泡が上がってくるのを見かけるが、これは本種が水草の中で餌を捕らえたときなどに空気を口外に排出するためである。

ゴクラクギョ科の魚と同様に、上鰓器官と呼ばれる呼吸器官で空気呼吸を行う。空気呼吸は大切な呼吸法で、特に水温の高く、空気呼吸が不可能な状況下では死亡する。琵琶湖で夏に刺網で漁獲されたものは、大半が死んでいる。

一方、この特殊な呼吸法のおかげで汚濁した無酸素状態の水域でも生息することができる。

性質は極めて獰猛で、腹を減らせば人にすら噛みつく。

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関連情報

味や食感

本種の体内には顎口虫と呼ばれる寄生虫が潜んでいることもあるため、生食は勧められない。

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その他

2015年3月までは環境省の要注意外来生物に選定されていたが、2015年4月に環境省が選定した「我が国の生態系等に被害を及ぼすおそれのある外来種リスト(生態系被害防止外来種リスト)」には入れられていない。

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種・分類一覧