ゴクラクハゼ(Rhinogobius similis)の解説トップに戻る
ゴクラクハゼ(Rhinogobius similis)の分類 ハゼ科(Gobiidae)
ゴクラクハゼ(Rhinogobius similis)の概要 ヨシノボリ属(Rhinogobius)

ゴクラクハゼ(Rhinogobius similis)

【 学名 】
Rhinogobius similis Gill, 1859

基本情報

大きさ・重さ

全長:10 cm程度

参考文献

  • 2017 岐阜県の魚類, 第2版 - 書籍全体, 向井貴彦(著) 岐阜県の魚類, 第2版. 岐阜新聞社. .

最終更新日:2020-09-04 ハリリセンボン

分布

能登半島~薩摩半島の日本海・東シナ海側、茨城県~大隅半島の太平洋側、本州・四国の瀬戸内海側、屋久島~琉球列島に分布する。

国外では、朝鮮半島南部、中国、台湾島に分布する。

参考文献

  • 平嶋健太郎 2018 ゴクラクハゼ, 中坊徹次(著) 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z, 日本の魚類館. 小学館. p. 415.
  • 辻幸一 1989 ゴクラクハゼ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 585.

最終更新日:2020-09-04 ハリリセンボン

生息状況

岐阜市レッドリスト準絶滅危惧。

参考文献

  • 2017 岐阜県の魚類, 第2版 - 書籍全体, 向井貴彦(著) 岐阜県の魚類, 第2版. 岐阜新聞社. .

最終更新日:2020-09-04 ハリリセンボン

別名・方言名

地方名:ゴリ(日本各地:混称)、グズ(山陰地方:混称)、カジカ・ドンコ(愛媛県:混称)、ウブ(奄美:混称)、イーブー(沖縄県:混称)

参考文献

  • 辻幸一 1989 ゴクラクハゼ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 585.

最終更新日:2020-09-04 ハリリセンボン

分類学的位置付け

スズキ目 ハゼ科 ヨシノボリ属

参考文献

  • 平嶋健太郎 2018 ゴクラクハゼ, 中坊徹次(著) 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z, 日本の魚類館. 小学館. p. 415.
  • 辻幸一 1989 ゴクラクハゼ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 585.
  • 2017 岐阜県の魚類, 第2版 - 書籍全体, 向井貴彦(著) 岐阜県の魚類, 第2版. 岐阜新聞社. .

最終更新日:2020-09-04 ハリリセンボン

形態

成魚の形質

本属の中で、眼の直後まで鱗があるのは本種だけである。腹鰭は幅よりも長さの方が大きい。吻が長いので面長に見える。頬から吻にかけてミミズ状の赤褐色模様がある。

体は淡褐色で、体側に5~6個の滲んだような黒褐色の縦斑がある。また、体側には青く光る小さな斑点が散在するが、この斑点はホルマリン固定後は消失する。

雄の第1背鰭は高く烏帽子形をしている。腹鰭は縦長で肥厚しない。

繁殖期の雄は、背鰭に鮮やかな赤や青の色があらわれ、非常に派手な色彩になる。

熟卵を持つ雌の腹は黄色である。

参考文献

  • 平嶋健太郎 2018 ゴクラクハゼ, 中坊徹次(著) 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z, 日本の魚類館. 小学館. p. 415.
  • 辻幸一 1989 ゴクラクハゼ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 585.
  • 2017 岐阜県の魚類, 第2版 - 書籍全体, 向井貴彦(著) 岐阜県の魚類, 第2版. 岐阜新聞社. .

最終更新日:2020-09-04 ハリリセンボン

稚魚・仔魚・幼魚の形質

全長 2~3 cmの未成魚では、青く光る小さな斑点は見られないが、体側の縦斑が成魚より明瞭である。

参考文献

  • 辻幸一 1989 ゴクラクハゼ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 585.

最終更新日:2020-09-04 ハリリセンボン

卵の形質

卵は長径 2.4 mm、短径 0.5 mmのこん棒状で、先端付近に浅いくびれがある。

参考文献

  • 辻幸一 1989 ゴクラクハゼ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 585.

最終更新日:2020-09-04 ハリリセンボン

生態

生息環境

河川の下流域と汽水域の砂礫底に生息する。汽水域では、春から夏にかけてマハゼやアシシロハゼの未成魚と共に群れているが、その中でも本種は塩分濃度の低いところに多い。

河川下流域ではシマヨシノボリと生息域が重なるが、シマヨシノボリほど吸盤の吸着力が強くなく、流れのない場所に多い。中流域より上流へはほとんど上らない。

参考文献

  • 辻幸一 1989 ゴクラクハゼ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 585.

最終更新日:2020-09-04 ハリリセンボン

食性

雑食性で、底生小動物や水生昆虫などを主体に、付着藻類も食べる。

参考文献

  • 辻幸一 1989 ゴクラクハゼ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 585.

最終更新日:2020-09-04 ハリリセンボン

ライフサイクル

孵化した仔魚は海に下り、秋に 2~3 cmに成長して川に入り、底生生活に移る。成長に伴って汽水域から淡水域へと上っていく。

しかし必ずしも海まで行かずに成長する個体もいることが明らかになった。

参考文献

  • 辻幸一 1989 ゴクラクハゼ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 585.
  • 2017 岐阜県の魚類, 第2版 - 書籍全体, 向井貴彦(著) 岐阜県の魚類, 第2版. 岐阜新聞社. .

最終更新日:2020-09-04 ハリリセンボン

産卵

産卵期は7~10月で、砂に半分埋まった石の裏面に卵を1層に産み付ける。雄が巣にとどまり、卵を保護する。

参考文献

  • 辻幸一 1989 ゴクラクハゼ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 585.

最終更新日:2020-09-04 ハリリセンボン

その他生態

生活史は両側回遊性。ただし、ダム湖などとの両側回遊性集団もいる。

参考文献

  • 平嶋健太郎 2018 ゴクラクハゼ, 中坊徹次(著) 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z, 日本の魚類館. 小学館. p. 415.

最終更新日:2020-09-04 ハリリセンボン

関連情報

味や食感

食用にはされない。

参考文献

  • 辻幸一 1989 ゴクラクハゼ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 585.

最終更新日:2020-09-04 ハリリセンボン

その他

ダム湖などに移入された個体群がいる。

参考文献

  • 平嶋健太郎 2018 ゴクラクハゼ, 中坊徹次(著) 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z, 日本の魚類館. 小学館. p. 415.

最終更新日:2020-09-04 ハリリセンボン

種・分類一覧