- 解説一覧
- ミミズハゼ(Luciogobius guttatus)について

基本情報
- 大きさ・重さ
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全長:8 cm
参考文献
- 吉田隆男@道津喜衛 1989 ミミズハゼ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 626-627.
最終更新日:2020-09-15 ハリリセンボン
- 分布
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北海道函館市臼尻~屋久島の太平洋沿岸、瀬戸内海、北海道小樽~薩摩半島の日本海・東シナ海沿岸に分布する。
国外では、朝鮮半島全沿岸、済州島、遼寧省~浙江省の中国沿岸に分布する。
参考文献
- 松井彰子 2018 ミミズハゼ, 中坊徹次(著) 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z, 日本の魚類館. 小学館. p. 391.
- 吉田隆男@道津喜衛 1989 ミミズハゼ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 626-627.
最終更新日:2020-09-15 ハリリセンボン
- 別名・方言名
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地方名:ジンジラ・ニンニラモチ(福井県三国町)、イシオコシ(和歌山県田辺市)、ジンジコ(山口県萩市)、アタマヒジャゲ・ボウズゴリ(高知県)
参考文献
- 吉田隆男@道津喜衛 1989 ミミズハゼ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 626-627.
最終更新日:2020-09-15 ハリリセンボン
- 分類学的位置付け
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スズキ目 ハゼ科 ハゼ亜科 ミミズハゼ属
参考文献
- 松井彰子 2018 ミミズハゼ, 中坊徹次(著) 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z, 日本の魚類館. 小学館. p. 391.
- 吉田隆男@道津喜衛 1989 ミミズハゼ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 626-627.
最終更新日:2020-09-15 ハリリセンボン
- 人間との関係
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ミミズハゼの活魚は、メバルその他の磯魚の餌として用いられている。
参考文献
- 吉田隆男@道津喜衛 1989 ミミズハゼ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 626-627.
最終更新日:2020-09-15 ハリリセンボン
形態
- 成魚の形質
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体は円筒形で細長い。尾部は側扁し、頭部は縦扁する。眼は上方を向く。眼の下には肉質の隆起がある。第1背鰭はない。胸鰭の上部に1本の遊離鰭条がある。腹鰭は吸盤状をなして円形をしている。鱗と側線はない。
体色は淡黄色、黄褐色、暗褐色など変異が多く、また同一個体でも短時間で変化する。体側に、大きさが不揃いで輪郭の不明瞭な黒色素胞が並ぶ。
背鰭1棘9~13軟条、腹鰭1棘5軟条。総脊椎骨数は35~40、そのうち腹椎数は16~18。
頭長に対する体長の比は3.8~5.3である。
産卵期になると、雄では頭部の筋肉が発達して左右に張り出すので、それの見られない雌と区別がつく。
参考文献
- 松井彰子 2018 ミミズハゼ, 中坊徹次(著) 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z, 日本の魚類館. 小学館. p. 391.
- 吉田隆男@道津喜衛 1989 ミミズハゼ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 626-627.
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- 卵の形質
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長さ 2.5 mmの長ナス形をしている。
参考文献
- 吉田隆男@道津喜衛 1989 ミミズハゼ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 626-627.
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生態
- 生息環境
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川の汽水域や下流域から、淡水が流入している海岸の潮間帯まで広く分布する。石と石の間や石の下に潜んでいる。
参考文献
- 吉田隆男@道津喜衛 1989 ミミズハゼ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 626-627.
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- 食性
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ゴカイ類やヨコエビ類などの小動物を食べる。
参考文献
- 吉田隆男@道津喜衛 1989 ミミズハゼ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 626-627.
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- ライフサイクル
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水温15~20℃の水中で卵は孵化する。
全長 3.5 mmの大きさで孵化した仔魚は海へ入り、沿岸域で浮遊生活を送る。孵化後40日で体長 13 mm前後の稚魚となって河口や海岸へ戻り、底生生活に入る。60日後には 18 mm前後の若魚に成長する。
1年後には 30 mmを超え、その一部は産卵を開始する。2年で約 50 mmになり、3年で 60 mmを超える。
参考文献
- 吉田隆男@道津喜衛 1989 ミミズハゼ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 626-627.
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- 産卵
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西日本での産卵期は2~5月である。底面が平たく、底がわずかに水底の砂泥中に埋もれている石の下面に、卵を1層に産み付ける。
1卵群の卵数は800~1000。産卵後雄は石の下に留まり、卵が孵化するまで10日以上卵を守り続ける。
参考文献
- 吉田隆男@道津喜衛 1989 ミミズハゼ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 626-627.
最終更新日:2020-09-15 ハリリセンボン
- その他生態
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ミミズハゼは体表が粘液でぬるぬるしており、また、素早く石の間に逃げ込む。
本種は塩分への適応範囲が広い。汽水から海水までの塩分範囲で飼育でき、水槽内でも産卵する。また、石と石の隙間へ入ったり、底の砂泥上に置いた石の下に潜ったりする行動も、水槽内で見られる。
参考文献
- 吉田隆男@道津喜衛 1989 ミミズハゼ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 626-627.
最終更新日:2020-09-15 ハリリセンボン
関連情報
- 味や食感
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天ぷらにすると意外と美味である。
参考文献
- 吉田隆男@道津喜衛 1989 ミミズハゼ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 626-627.
最終更新日:2020-09-15 ハリリセンボン
- その他
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採集には干潮時を選び、石を1個ずつ取り上げながら手綱へ追い込むようにすくいとるとよい。
参考文献
- 吉田隆男@道津喜衛 1989 ミミズハゼ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 626-627.
最終更新日:2020-09-15 ハリリセンボン