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Cobitis biwaeの分類 Cobitidae
Cobitis biwaeの概要 シマドジョウ属(Cobitis)

Cobitis biwae

【 学名 】
Cobitis biwae Jordan & Snyder, 1901

基本情報

大きさ・重さ

全長:6~14 cm

地方などによって変異が大きく、関東地方では 6~8 cmと特に小形である。

参考文献

  • 君塚芳輝 2001 シマドジョウ, 川那部浩哉、水野信彦(著) 川那部浩哉、水野信彦(監修) 川那部浩哉、水野信彦(編) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と渓谷社 . pp. 392-393.

最終更新日:2021-02-19 ハリリセンボン

分布

日本固有種で、山口県西部を除く本州と、四国に広くほぼ連続的に分布する。伊豆半島、紀伊半島南東部、四国南西部など、部分的に分布しない地域もある。九州地方には分布しないことが最近明らかになった。

日本産のシマドジョウ類では最も分布域が広い。

参考文献

  • 君塚芳輝 2001 シマドジョウ, 川那部浩哉、水野信彦(著) 川那部浩哉、水野信彦(監修) 川那部浩哉、水野信彦(編) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と渓谷社 . pp. 392-393.

最終更新日:2021-02-19 ハリリセンボン

別名・方言名

地方名:カワドジョウ・ササドジョウ(日本各地)、スナメ(関東地方中北部)、タカノハドジョウ(山陰地方ほか)

参考文献

  • 君塚芳輝 2001 シマドジョウ, 川那部浩哉、水野信彦(著) 川那部浩哉、水野信彦(監修) 川那部浩哉、水野信彦(編) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と渓谷社 . pp. 392-393.

最終更新日:2021-02-19 ハリリセンボン

分類学的位置付け

ドジョウ科 シマドジョウ属

参考文献

  • 君塚芳輝 2001 シマドジョウ, 川那部浩哉、水野信彦(著) 川那部浩哉、水野信彦(監修) 川那部浩哉、水野信彦(編) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と渓谷社 . pp. 392-393.

最終更新日:2021-02-19 ハリリセンボン

形態

成魚の形質

体は細長く、6本の口ひげを持つ。眼の下には体の後方に向かって立てることのできる棘状の骨があり、眼下棘または眼前棘と呼ばれる。成熟した雄の胸鰭は雌よりも伸長し、第2鰭条の第1節が発達して骨質盤を形成する。胸鰭第2鰭条の伸長が顕著で、骨質盤が楕円形の基部とくちばし状の先端部をあわせ持つ形状であることで、それが単純な円形であるスジシマドジョウ、タイリクシマドジョウ、未発達なイシドジョウや、持たないアジメドジョウと、それぞれ区別される。

体色は肌色で、体側中央に円形ないし楕円形の黒色斑紋が点列状に縦走する。背鰭と尾鰭には数条の小さな黒色斑紋が不規則に見られる。斑紋には地理的変異が大きい。成熟した個体では、体側中央部の黒色斑紋が連続し縦条をなすことがある。

未成魚や雌はタイリクシマドジョウにやや似るが、後者の体側の黒色斑紋が点線ではなく破線状で、背鰭や尾鰭の小さな黒色斑が前者より規則的に並ぶことによって区別される。

産卵期には体色が飴色を帯び、透明感が増す。雄より雌の方が大形となるが、体の大きさにはかなりの地理的変異がある。関東地方のものは特に小形で、雌でも全長 7~8 cmであるのに対し、瀬戸内海側の倍数性のものではまれに 15 cmに達する個体がある。

参考文献

  • 君塚芳輝 2001 シマドジョウ, 川那部浩哉、水野信彦(著) 川那部浩哉、水野信彦(監修) 川那部浩哉、水野信彦(編) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と渓谷社 . pp. 392-393.

最終更新日:2021-02-19 ハリリセンボン

生態

生息環境

河川では中流域から下流域上部にかけての、砂底ないし砂礫底域に生息し、しばしば砂中に潜り込む。

同じ水系にスジシマドジョウが生息する場合には、流程分布で後者がやや下流側を占めるほか、混生域でも後者がより流れの緩やかな、砂底よりもむしろ砂泥底を好む傾向が認められる。

参考文献

  • 君塚芳輝 2001 シマドジョウ, 川那部浩哉、水野信彦(著) 川那部浩哉、水野信彦(監修) 川那部浩哉、水野信彦(編) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と渓谷社 . pp. 392-393.

最終更新日:2021-02-19 ハリリセンボン

食性

餌は底生性の小動物やデトリタスである。砂と一緒に取り込み、餌だけをとる。

参考文献

  • 君塚芳輝 2001 シマドジョウ, 川那部浩哉、水野信彦(著) 川那部浩哉、水野信彦(監修) 川那部浩哉、水野信彦(編) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と渓谷社 . pp. 392-393.

最終更新日:2021-02-19 ハリリセンボン

産卵

産卵期は5~6月。東京周辺での観察では、6月上旬の降雨による出水時に湧水やこれを水源とする細流などに集団で移動して、雄が雌に巻き付いて産卵すると推定される。

参考文献

  • 君塚芳輝 2001 シマドジョウ, 川那部浩哉、水野信彦(著) 川那部浩哉、水野信彦(監修) 川那部浩哉、水野信彦(編) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と渓谷社 . pp. 392-393.

最終更新日:2021-02-19 ハリリセンボン

関連情報

その他

平地流に生息する日本のシマドジョウ属の一部では、染色体の倍数的多型現象が報告されている。本種では2倍性と判断される2n=48のものと、倍数性と考えられる96のものとがある。また2倍性のものには2n=46、49、50の異数性個体も一部で認められている。倍数性のものも雌雄両性を有し、有性生殖を行う点で、雌性発生を行って繁殖する倍数性ギンブナの場合と著しく異なる。

核型は双腕染色体の割合が多い(腕数が大きい)ことが特徴で、基本数が50で腕数が少ないスジシマドジョウ、タイリクシマドジョウや2n=48のイシドジョウと区別できる。

シマドジョウの核学的種族の地理的分布相を見ると、倍数性のものは本州・四国の瀬戸内海地域にほぼ限られ、これら以外の地域を2倍性のものが占め、両者はほとんど混生していない。日本海側の若狭湾流入河川や、江川、高津川など山陰西部地域にも倍数性のものが局所的に出現するが、これは瀬戸内海側からの河川の流路変更に伴う分布拡大であると推定されている。

参考文献

  • 君塚芳輝 2001 シマドジョウ, 川那部浩哉、水野信彦(著) 川那部浩哉、水野信彦(監修) 川那部浩哉、水野信彦(編) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と渓谷社 . pp. 392-393.

最終更新日:2021-02-19 ハリリセンボン

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