- 解説一覧
- Lates japonicusについて
Lates japonicus
【IUCN】絶滅の危険が増大している種
【環境省】IA類ほどではないが、近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの
- 【 学名 】
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Lates japonicus Katayama & Taki, 1984
目次
基本情報
- 大きさ・重さ
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全長:100 cm
参考文献
- 木下泉 2001 アカメ, 川那部浩哉、水野信彦(著) 川那部浩哉、水野信彦(監修) 川那部浩哉、水野信彦(編) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と渓谷社 . p. 481.
最終更新日:2020-10-16 ハリリセンボン
- 分布
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日本固有種である。
主に宮崎・高知両県の沿岸に分布し、志布志湾、大分県臼杵以南、徳島県、和歌山県、浜名湖でも散発的に見られる。一説では、沖縄島や種子島にも生息しているといわれる。
最近まで同種とされていた L. calcarifer がインド~太平洋沿岸に広く分布する。
参考文献
- 木下泉 2001 アカメ, 川那部浩哉、水野信彦(著) 川那部浩哉、水野信彦(監修) 川那部浩哉、水野信彦(編) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と渓谷社 . p. 481.
最終更新日:2020-10-16 ハリリセンボン
- 生息状況
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宮崎県では条例により、指定希少野生動植物とされ、捕獲が禁止されている。
参考文献
- 中山耕至 2018 アカメ(アカメ属), 中坊徹次(著) 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z, 日本の魚類館. 小学館. p. 227.
最終更新日:2020-10-16 ハリリセンボン
- 和名の解説
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眼は光に当たると赤く見え、これが和名の由来である。
参考文献
- 中山耕至 2018 アカメ(アカメ属), 中坊徹次(著) 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z, 日本の魚類館. 小学館. p. 227.
最終更新日:2020-10-16 ハリリセンボン
- 別名・方言名
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地方名:メヒカリ(徳島県)、ミノウオ(高知県中村市)、マルカ(宮崎県)
参考文献
- 木下泉 2001 アカメ, 川那部浩哉、水野信彦(著) 川那部浩哉、水野信彦(監修) 川那部浩哉、水野信彦(編) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と渓谷社 . p. 481.
最終更新日:2020-10-16 ハリリセンボン
- 分類学的位置付け
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スズキ目 アカメ科 アカメ属
参考文献
- 木下泉 2001 アカメ, 川那部浩哉、水野信彦(著) 川那部浩哉、水野信彦(監修) 川那部浩哉、水野信彦(編) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と渓谷社 . p. 481.
- 中山耕至 2018 アカメ(アカメ属), 中坊徹次(著) 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z, 日本の魚類館. 小学館. p. 227.
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- 人間との関係
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釣りの対象魚や観賞魚として人気が高い。
本種の保全のためには、仔稚魚の成育場である河口域環境の改善が特に重要である。
かつてはバラマンディと同種とされていたが、1984年に新種とされた。
参考文献
- 中山耕至 2018 アカメ(アカメ属), 中坊徹次(著) 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z, 日本の魚類館. 小学館. p. 227.
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形態
- 成魚の形質
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体高が高く、背鰭第3棘及び臀鰭第2棘の体長比が長いことなどでバラマンディと異なる。
瞳はルビー状に輝く。体は銀灰色をしている。頭部背縁は眼の上方で窪む。尾鰭はまるい。
前鰓蓋骨の後縁に鋸歯が、角から下縁には強い4棘がある。鱗は大きく、側線は尾鰭の後縁まで達する。
若魚は暗褐色の地に、不規則な黄色帯を持つ。
参考文献
- 木下泉 2001 アカメ, 川那部浩哉、水野信彦(著) 川那部浩哉、水野信彦(監修) 川那部浩哉、水野信彦(編) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と渓谷社 . p. 481.
- 中山耕至 2018 アカメ(アカメ属), 中坊徹次(著) 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z, 日本の魚類館. 小学館. p. 227.
最終更新日:2020-10-16 ハリリセンボン
- 稚魚・仔魚・幼魚の形質
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稚魚及び幼魚では、薄い褐色に暗褐色の模様がある。
また、8 mmの稚魚で既に眼は赤い。
参考文献
- 木下泉 2001 アカメ, 川那部浩哉、水野信彦(著) 川那部浩哉、水野信彦(監修) 川那部浩哉、水野信彦(編) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と渓谷社 . p. 481.
- 中山耕至 2018 アカメ(アカメ属), 中坊徹次(著) 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z, 日本の魚類館. 小学館. p. 227.
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生態
- 生息環境
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本種は河口や内湾の汽水域に生息し、純淡水域には姿を見せない。時折、外海でも採捕されることがある。
河口域では、体長 5 mmの仔魚から 10 cmの幼魚までは、夏から春の間アマモ場で生息する。
参考文献
- 木下泉 2001 アカメ, 川那部浩哉、水野信彦(著) 川那部浩哉、水野信彦(監修) 川那部浩哉、水野信彦(編) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と渓谷社 . p. 481.
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- 食性
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エビや稚魚などを食べる。
参考文献
- 木下泉 2001 アカメ, 川那部浩哉、水野信彦(著) 川那部浩哉、水野信彦(監修) 川那部浩哉、水野信彦(編) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と渓谷社 . p. 481.
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- ライフサイクル
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孵化した仔魚は、体長が約 4 mmで上げ棚に乗って河口域に進入してくると思われる。
鱗の輪紋によって、1歳で全長約 16 cm、3歳で約 50 cm、5歳で約 72 cm、7歳で約 86 cm、9歳で約 96 cmになることが知られている。大きなものは20歳以上で、全長 130 cmを超える。
雌雄共に、全長約 60 cmで成熟する。
参考文献
- 木下泉 2001 アカメ, 川那部浩哉、水野信彦(著) 川那部浩哉、水野信彦(監修) 川那部浩哉、水野信彦(編) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と渓谷社 . p. 481.
- 中山耕至 2018 アカメ(アカメ属), 中坊徹次(著) 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z, 日本の魚類館. 小学館. p. 227.
最終更新日:2020-10-16 ハリリセンボン
- 産卵
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産卵は、6~8月に海域で行うと推定される。しかし、詳しい産卵生態は分かっていない。
参考文献
- 木下泉 2001 アカメ, 川那部浩哉、水野信彦(著) 川那部浩哉、水野信彦(監修) 川那部浩哉、水野信彦(編) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と渓谷社 . p. 481.
最終更新日:2020-10-16 ハリリセンボン
- 特徴的な行動
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仔魚期からアマモの葉に平行に逆立ちし静止する擬態を見せ、体長 20 cmの若魚にもこの習性は残る。
参考文献
- 木下泉 2001 アカメ, 川那部浩哉、水野信彦(著) 川那部浩哉、水野信彦(監修) 川那部浩哉、水野信彦(編) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と渓谷社 . p. 481.
最終更新日:2020-10-16 ハリリセンボン
関連情報
- 味や食感
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50 cm前後のものは美味であるが、1 mを超すと味が悪く、かたいと言われる。しかし、卵巣は極めて美味である。
参考文献
- 木下泉 2001 アカメ, 川那部浩哉、水野信彦(著) 川那部浩哉、水野信彦(監修) 川那部浩哉、水野信彦(編) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と渓谷社 . p. 481.
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