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イチモンジタナゴ(Acheilognathus cyanostigma)の分類 Cyprinidae
イチモンジタナゴ(Acheilognathus cyanostigma)の概要 Acheilognathus

イチモンジタナゴ(Acheilognathus cyanostigma)

【 学名 】
Acheilognathus cyanostigma Jordan & Fowler, 1903

基本情報

大きさ・重さ

全長:8 cm程度

参考文献

  • 2017 岐阜県の魚類, 第2版 - 書籍全体, 向井貴彦(著) 岐阜県の魚類, 第2版. 岐阜新聞社. .

最終更新日:2020-07-13 ハリリセンボン

分布

濃尾平野から近畿地方に自然分布する。

県内分布は美濃地方の長良川水系の小河川、木曽川水系のダム湖、ワンドである。

参考文献

  • 2017 岐阜県の魚類, 第2版 - 書籍全体, 向井貴彦(著) 岐阜県の魚類, 第2版. 岐阜新聞社. .

最終更新日:2020-07-13 ハリリセンボン

保全の取り組み

琵琶湖では、かつて大量に生息していたものがほぼ絶滅しており、条例で保護されている。

参考文献

  • 2017 岐阜県の魚類, 第2版 - 書籍全体, 向井貴彦(著) 岐阜県の魚類, 第2版. 岐阜新聞社. .

最終更新日:2020-07-13 ハリリセンボン

和名の解説

側線鱗の前から6~7枚目の鱗上方付近に瞳大の暗緑色の斑点があり、それに連続して太く長い顕著な暗色縦条が尾びれ基部付近まで走る。これが一の字に似ることから、イチモンジ(一文字)の名がある。

参考文献

  • 長田芳和 1989 イチモンジタナゴ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 372.

最終更新日:2020-07-13 ハリリセンボン

別名・方言名

地方名:ボテ(琵琶湖:混称)

参考文献

  • 長田芳和 1989 イチモンジタナゴ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 372.

最終更新日:2020-07-13 ハリリセンボン

分類学的位置付け

コイ目 コイ科 タナゴ亜科 タナゴ属

参考文献

  • 長田芳和 1989 イチモンジタナゴ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 372.
  • 2017 岐阜県の魚類, 第2版 - 書籍全体, 向井貴彦(著) 岐阜県の魚類, 第2版. 岐阜新聞社. .

最終更新日:2020-07-13 ハリリセンボン

人間との関係

泥底で水草帯が発達した内湖に従来は多かったが、内湖が次々に埋め立てられてしまった現在では、採集するのが極めて難しい。

参考文献

  • 長田芳和 1989 イチモンジタナゴ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 372.

最終更新日:2020-07-13 ハリリセンボン

形態

成魚の形質

タナゴ類の中では細身の体形をしており、体高は低い。側線は完全。1対の口ひげは極めて短く痕跡的で、成魚ではひげを認めるのが難しい。側線鱗の前から6~7枚目の鱗上方付近に瞳大の暗緑色の斑点があり、それに連続して太く長い顕著な暗色縦条が尾びれ基部付近まで走る。肩部から尾柄部までつながる明瞭な青緑色の縦帯があるが、暗色斑はない。

繁殖期の雄では婚姻色が美しく、背方は青緑色に輝き、頭部側面及び体側腹方は紫桃色を帯びる。体側の前記の縦条の背方には紫紅色の縦条が入る。背鰭の前上縁と尾びれの縁辺は鮮やかな桃色ないし赤桃色を呈する。尾びれの後縁にも紫紅色がにじむ。吻端の追星はまさに星状に先端の尖った突起が集合して形成される。

雌の産卵管は、タナゴ亜科のなかでは長いほうで、最大伸長時には淡灰黒色となって尾びれの後端を超す。

参考文献

  • 長田芳和 1989 イチモンジタナゴ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 372.
  • 2017 岐阜県の魚類, 第2版 - 書籍全体, 向井貴彦(著) 岐阜県の魚類, 第2版. 岐阜新聞社. .

最終更新日:2020-07-13 ハリリセンボン

卵の形質

本種の完熟卵は長径約 3 mm、短径約 1 mmと著しく細長い。

参考文献

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生態

生息環境

平野部の細流や灌漑用水路、湖沼や流れの緩やかな河川に生息する。

参考文献

  • 長田芳和 1989 イチモンジタナゴ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 372.
  • 2017 岐阜県の魚類, 第2版 - 書籍全体, 向井貴彦(著) 岐阜県の魚類, 第2版. 岐阜新聞社. .

最終更新日:2020-07-13 ハリリセンボン

食性

主に付着藻類を獲るが、底生の小動物も食べる。

参考文献

  • 長田芳和 1989 イチモンジタナゴ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 372.

最終更新日:2020-07-13 ハリリセンボン

産卵

琵琶湖での産卵期は4~8月で、盛期は5月である。ドブガイなどイシガイ科の二枚貝に卵を産み付けるが、貝の種類などに対する選択性については不詳である。

1回の産卵行動で貝に産みこまれる卵は1~4粒ほどである。受精後2日で孵化し、その後約1ヵ月で全長 8 mmに育って貝から泳ぎ出る。

参考文献

最終更新日:2020-07-13 ハリリセンボン

その他生態

染色体数は2n=44である。

参考文献

  • 長田芳和 1989 イチモンジタナゴ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. p. 372.

最終更新日:2020-07-13 ハリリセンボン

関連情報

その他

岐阜県ではイチモンジタナゴが多数生息する場所もあるが、現在確認されている生息地は全て琵琶湖や近畿地方からの外来個体群である(Kitazima et al. 2015)。

岐阜県レッドリスト絶滅危惧Ⅰ類。岐阜市レッドリスト絶滅危惧Ⅰ類。加茂地区レッドリスト情報不足。

参考文献

  • 2017 岐阜県の魚類, 第2版 - 書籍全体, 向井貴彦(著) 岐阜県の魚類, 第2版. 岐阜新聞社. .

最終更新日:2020-07-13 ハリリセンボン

種・分類一覧