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レイクトラウト(Salvelinus namaycush)の分類 Salmonidae
レイクトラウト(Salvelinus namaycush)の概要 Salvelinus

レイクトラウト(Salvelinus namaycush)

【 学名 】
Salvelinus namaycush (Walbaum, 1792)

基本情報

大きさ・重さ

全長:2~3歳魚で 20~50 cm、最大 157.5 cm

体重:記録としては、カナダのノースウエスト准州のグレートベア湖で 32.65 kgというものがある。カナダのユーコン准州の例では35歳魚が 35 lb(約 16 kg)であり、10 lb以上の魚は 1 lb(455 g)あたり1年であるといわれる。

参考文献

  • 奥本直人 1989 レイクトラウト, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 138-141.
  • 2017 サケマス・イワナのわかる本. 改訂新版 - 書籍全体, 井田斎、奥山文弥(著) サケマス・イワナのわかる本. 改訂新版. 山と渓谷社. .

最終更新日:2020-08-24 ハリリセンボン

分布

日本での分布は、天然水域では中禅寺湖、池中飼育では養殖研究所日光支社だけである。ただし、ほかに2~3の水族館、大学などで展示し、あるいは実験用として飼育しているところもある。

参考文献

  • 奥本直人 1989 レイクトラウト, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 138-141.

最終更新日:2020-08-24 ハリリセンボン

別名・方言名

別名:レイクチャー

参考文献

  • 奥本直人 1989 レイクトラウト, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 138-141.

最終更新日:2020-08-24 ハリリセンボン

分類学的位置付け

サケ科 サケ亜科 イワナ属

参考文献

  • 奥本直人 1989 レイクトラウト, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 138-141.
  • 2017 サケマス・イワナのわかる本. 改訂新版 - 書籍全体, 井田斎、奥山文弥(著) サケマス・イワナのわかる本. 改訂新版. 山と渓谷社. .

最終更新日:2020-08-24 ハリリセンボン

人間との関係

本種はイワナの中でもかなり古くから生息している魚で、それは約120万年前からだともいわれている。

原産地は北米大陸北部。カナダのほぼ全域と、アラスカや五大湖周辺の各州と北部の州である。その後、北アメリカの南部、フランス、フィンランド、スイスなどのヨーロッパ各地、さらにアルゼンチン、チリなどの南アメリカ各地やニュージーランドなどの南半球へも移植され、生息するようになった。

日本では1966年12月、カナダのオペオンゴ湖から水産庁養殖研究所(現養殖研究所)日光支所に、種卵7万8000粒を初めて移入した。その後、1968年1月に同じくオペオンゴ湖から、翌1969年にはオンタリオ湖からおのおの移入され、現在も親魚として飼育されている。

また日本では、1973~1974年にかけて成魚(平均体長 47.4 cm)420尾、稚魚(平均体長 5.4 cm)5817尾を中禅寺湖に試験放流した。現在レイクトラウトが繁殖しているのは、中禅寺湖のみである。

ゲームフィッシュとしても人気が高い。

参考文献

  • 奥本直人 1989 レイクトラウト, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 138-141.
  • 2017 サケマス・イワナのわかる本. 改訂新版 - 書籍全体, 井田斎、奥山文弥(著) サケマス・イワナのわかる本. 改訂新版. 山と渓谷社. .

最終更新日:2020-08-24 ハリリセンボン

形態

成魚の形質

体型はほかのサケ科の魚種と異なり、ほとんど扁平せず、円筒形で細長い。特に尾柄部は目立って細い。頭は比較的大きくV形に近い。

頭部の背面は平らで、上顎が下顎より長い。色は灰色系で、生息地によって変化がある。緑系が濃い、あるいは銀色は黄銅色を呈するものもいる。背面は黒系の色で、腹側に行くほど白い。頭部から体全体は淡色の斑紋で覆われている。斑紋は黄色味がかったり、銀色であったりと体色同様変化に富む。鰓蓋や上顎骨にも斑紋があるのが特徴である。

鰓耙数は19本前後。

斑紋は各鰭にも散在している。イワナ属の特徴である胸鰭、腹鰭、臀鰭の前端は白いが、ほかのイワナ属魚種ほど顕著ではない。尾鰭は深く切れ込んでおり、背鰭はやや後方に位置する。

参考文献

  • 奥本直人 1989 レイクトラウト, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 138-141.
  • 2017 サケマス・イワナのわかる本. 改訂新版 - 書籍全体, 井田斎、奥山文弥(著) サケマス・イワナのわかる本. 改訂新版. 山と渓谷社. .

最終更新日:2020-08-24 ハリリセンボン

生態

生息環境

水温が20℃以下の湖沼に多く見られる。適した水温は4~10℃といわれ、夏は湖底や深いところで生活するが、初春や晩秋には沿岸の岩礁地帯に生息する。

中禅寺湖では、小さい個体はやや浅いところを、大きい個体は深いところを生活域としているようである。

1年のうちの大半を氷と雪に閉ざされた湖にも生息する。また完全に止水の魚であり、湖と湖が川で繋がっている場合でも、河川内に生息する個体は非常に少ない。

日本には中禅寺湖のみに生息する希少種といわれている魚だが、北米大陸北部の僻地と呼ぶべき原産地に行くと、たくさん生息している。

参考文献

  • 奥本直人 1989 レイクトラウト, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 138-141.
  • 2017 サケマス・イワナのわかる本. 改訂新版 - 書籍全体, 井田斎、奥山文弥(著) サケマス・イワナのわかる本. 改訂新版. 山と渓谷社. .

最終更新日:2020-08-24 ハリリセンボン

食性

食欲は非常に旺盛で、水棲昆虫や甲殻類、そこに生息する魚を何でも捕食する。

寒冷地では、ノーザンパイクやグレイリングを捕食し、共食いもして成長する。

参考文献

  • 2017 サケマス・イワナのわかる本. 改訂新版 - 書籍全体, 井田斎、奥山文弥(著) サケマス・イワナのわかる本. 改訂新版. 山と渓谷社. .

最終更新日:2020-08-24 ハリリセンボン

ライフサイクル

成熟年齢は生活環境によって差があり、不明な点が多い。3~4年で成熟するといわれる地域と、10年以上を要する地域がある。

寿命は長く、50年以上とも60年以上ともいわれているが、およそ20~25年のようである。

参考文献

  • 2017 サケマス・イワナのわかる本. 改訂新版 - 書籍全体, 井田斎、奥山文弥(著) サケマス・イワナのわかる本. 改訂新版. 山と渓谷社. .

最終更新日:2020-08-24 ハリリセンボン

産卵

産卵期は9~11月であるが、中禅寺湖での自然産卵はまだ確認されていない。

産卵は河川に遡上せず湖岸の浅場で行われる。雌の卵数は多く、体重 1 kgあたり約1500~1700粒ともいわれている。

参考文献

  • 奥本直人 1989 レイクトラウト, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 138-141.
  • 2017 サケマス・イワナのわかる本. 改訂新版 - 書籍全体, 井田斎、奥山文弥(著) サケマス・イワナのわかる本. 改訂新版. 山と渓谷社. .

最終更新日:2020-08-24 ハリリセンボン

関連情報

味や食感

日本では食膳に上ることは少ないと思われるが、原産地での調理法はバター焼きや、燻製などである。

参考文献

  • 奥本直人 1989 レイクトラウト, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 138-141.

最終更新日:2020-08-24 ハリリセンボン

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