- 解説一覧
- レイクトラウト(Salvelinus namaycush)について

基本情報
- 大きさ・重さ
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全長:2~3歳魚で 20~50 cm、最大 157.5 cm
体重:記録としては、カナダのノースウエスト准州のグレートベア湖で 32.65 kgというものがある。カナダのユーコン准州の例では35歳魚が 35 lb(約 16 kg)であり、10 lb以上の魚は 1 lb(455 g)あたり1年であるといわれる。
参考文献
- 奥本直人 1989 レイクトラウト, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 138-141.
- 2017 サケマス・イワナのわかる本. 改訂新版 - 書籍全体, 井田斎、奥山文弥(著) サケマス・イワナのわかる本. 改訂新版. 山と渓谷社. .
最終更新日:2020-08-24 ハリリセンボン
- 分布
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日本での分布は、天然水域では中禅寺湖、池中飼育では養殖研究所日光支社だけである。ただし、ほかに2~3の水族館、大学などで展示し、あるいは実験用として飼育しているところもある。
参考文献
- 奥本直人 1989 レイクトラウト, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 138-141.
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- 別名・方言名
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別名:レイクチャー
参考文献
- 奥本直人 1989 レイクトラウト, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 138-141.
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- 分類学的位置付け
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サケ科 サケ亜科 イワナ属
参考文献
- 奥本直人 1989 レイクトラウト, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 138-141.
- 2017 サケマス・イワナのわかる本. 改訂新版 - 書籍全体, 井田斎、奥山文弥(著) サケマス・イワナのわかる本. 改訂新版. 山と渓谷社. .
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- 人間との関係
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本種はイワナの中でもかなり古くから生息している魚で、それは約120万年前からだともいわれている。
原産地は北米大陸北部。カナダのほぼ全域と、アラスカや五大湖周辺の各州と北部の州である。その後、北アメリカの南部、フランス、フィンランド、スイスなどのヨーロッパ各地、さらにアルゼンチン、チリなどの南アメリカ各地やニュージーランドなどの南半球へも移植され、生息するようになった。
日本では1966年12月、カナダのオペオンゴ湖から水産庁養殖研究所(現養殖研究所)日光支所に、種卵7万8000粒を初めて移入した。その後、1968年1月に同じくオペオンゴ湖から、翌1969年にはオンタリオ湖からおのおの移入され、現在も親魚として飼育されている。
また日本では、1973~1974年にかけて成魚(平均体長 47.4 cm)420尾、稚魚(平均体長 5.4 cm)5817尾を中禅寺湖に試験放流した。現在レイクトラウトが繁殖しているのは、中禅寺湖のみである。
ゲームフィッシュとしても人気が高い。
参考文献
- 奥本直人 1989 レイクトラウト, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 138-141.
- 2017 サケマス・イワナのわかる本. 改訂新版 - 書籍全体, 井田斎、奥山文弥(著) サケマス・イワナのわかる本. 改訂新版. 山と渓谷社. .
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形態
- 成魚の形質
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体型はほかのサケ科の魚種と異なり、ほとんど扁平せず、円筒形で細長い。特に尾柄部は目立って細い。頭は比較的大きくV形に近い。
頭部の背面は平らで、上顎が下顎より長い。色は灰色系で、生息地によって変化がある。緑系が濃い、あるいは銀色は黄銅色を呈するものもいる。背面は黒系の色で、腹側に行くほど白い。頭部から体全体は淡色の斑紋で覆われている。斑紋は黄色味がかったり、銀色であったりと体色同様変化に富む。鰓蓋や上顎骨にも斑紋があるのが特徴である。
鰓耙数は19本前後。
斑紋は各鰭にも散在している。イワナ属の特徴である胸鰭、腹鰭、臀鰭の前端は白いが、ほかのイワナ属魚種ほど顕著ではない。尾鰭は深く切れ込んでおり、背鰭はやや後方に位置する。
参考文献
- 奥本直人 1989 レイクトラウト, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 138-141.
- 2017 サケマス・イワナのわかる本. 改訂新版 - 書籍全体, 井田斎、奥山文弥(著) サケマス・イワナのわかる本. 改訂新版. 山と渓谷社. .
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生態
- 生息環境
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水温が20℃以下の湖沼に多く見られる。適した水温は4~10℃といわれ、夏は湖底や深いところで生活するが、初春や晩秋には沿岸の岩礁地帯に生息する。
中禅寺湖では、小さい個体はやや浅いところを、大きい個体は深いところを生活域としているようである。
1年のうちの大半を氷と雪に閉ざされた湖にも生息する。また完全に止水の魚であり、湖と湖が川で繋がっている場合でも、河川内に生息する個体は非常に少ない。
日本には中禅寺湖のみに生息する希少種といわれている魚だが、北米大陸北部の僻地と呼ぶべき原産地に行くと、たくさん生息している。
参考文献
- 奥本直人 1989 レイクトラウト, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 138-141.
- 2017 サケマス・イワナのわかる本. 改訂新版 - 書籍全体, 井田斎、奥山文弥(著) サケマス・イワナのわかる本. 改訂新版. 山と渓谷社. .
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- 食性
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食欲は非常に旺盛で、水棲昆虫や甲殻類、そこに生息する魚を何でも捕食する。
寒冷地では、ノーザンパイクやグレイリングを捕食し、共食いもして成長する。
参考文献
- 2017 サケマス・イワナのわかる本. 改訂新版 - 書籍全体, 井田斎、奥山文弥(著) サケマス・イワナのわかる本. 改訂新版. 山と渓谷社. .
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- ライフサイクル
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成熟年齢は生活環境によって差があり、不明な点が多い。3~4年で成熟するといわれる地域と、10年以上を要する地域がある。
寿命は長く、50年以上とも60年以上ともいわれているが、およそ20~25年のようである。
参考文献
- 2017 サケマス・イワナのわかる本. 改訂新版 - 書籍全体, 井田斎、奥山文弥(著) サケマス・イワナのわかる本. 改訂新版. 山と渓谷社. .
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- 産卵
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産卵期は9~11月であるが、中禅寺湖での自然産卵はまだ確認されていない。
産卵は河川に遡上せず湖岸の浅場で行われる。雌の卵数は多く、体重 1 kgあたり約1500~1700粒ともいわれている。
参考文献
- 奥本直人 1989 レイクトラウト, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 138-141.
- 2017 サケマス・イワナのわかる本. 改訂新版 - 書籍全体, 井田斎、奥山文弥(著) サケマス・イワナのわかる本. 改訂新版. 山と渓谷社. .
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関連情報
- 味や食感
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日本では食膳に上ることは少ないと思われるが、原産地での調理法はバター焼きや、燻製などである。
参考文献
- 奥本直人 1989 レイクトラウト, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 138-141.
最終更新日:2020-08-24 ハリリセンボン