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ブルーギル(Lepomis macrochirus)の分類 Centrarchidae
ブルーギル(Lepomis macrochirus)の概要 Lepomis

ブルーギル(Lepomis macrochirus)

低危険種 (LC or LR/lc)

【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種

【 学名 】
Lepomis macrochirus Rafinesque, 1819

基本情報

大きさ・重さ

全長:20 cm程度

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最終更新日:2020-09-25 ハリリセンボン

分布

日本各地の湖やため池に分布している。

本来の分布域は、北アメリカの中東部一帯である。

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和名の解説

英語名のブルーギル bluegill は、雌雄ともにえらぶたの後端のやや突出した部分の色が濃紺ないし黒であることに由来している。

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別名・方言名

地方名:ブルーギルサンフィッシュ(別名)

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分類学的位置付け

スズキ目 サンフィッシュ科 ブルーギル属

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人間との関係

北米原産の外来種である。

日本への導入は、1960年に当時の皇太子が、シカゴ市長から寄贈された15尾に由来する(Kawamura et al., 2006)。当時は養殖用の外来種の導入は一般的であったが、その後ブルーギルがオオクチバスとともに全国の河川や湖沼の生態系に多大な影響を与えることとなったため、2007年に滋賀県で開催された第27回全国豊かな海づくり大会では、平成天皇が「今このような結果になったことに心を痛めています」と御発言された。

いくつかの種あるいは亜種が混じって移入されている可能性も考えられている。外来魚が定着する困難さには、既に在来種が確立しているそれぞれの生活様式の中に、外来魚がどう割り込むかが関係している。ブルーギルについては、生活史の中でも最も危険にさらされる卵や仔稚魚の時期を雄親が保護する習性や、その成長の過程において最も量の多い生物を主な餌とすることができる融通に富んだ雑食性が、移入された先の新たな環境に定着する上で有利に働いたものと思われる。

一方、ブルーギルの定着によって在来魚が受ける影響は、その水域の大きさで異なるようである。例えば、琵琶湖のように古い歴史を持ち、また多くの魚が生活している水域であっても、その環境が多様性に富み餌となる生物も豊富な場合には、在来魚種へ大きい影響を及ぼさなくとも定着し得る。ところがため池のような小さな水域では、ブルーギルが在来魚の卵や仔稚魚を捕食し、それらを淘汰することにもなりかねない。実際に、在来魚がほとんど見られなくなったため池もある。

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形態

成魚の形質

背鰭の棘条部と軟条部は広く膜で連なっている。背鰭軟条部の基底の長さは、尻鰭軟条部の基底より長い。上顎の後端は眼の中央の直下には達しない。体高は高い。

雄は産卵期に、顎に淡青色の帯と腹部に黄色からさび朱色の鮮やかな婚姻色を呈する。

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稚魚・仔魚・幼魚の形質

体形および体色は、生後約1年目までの幼魚ではやや細長く、7~10本の暗色横帯のある体側は青味がかった黄緑色に光る。成長するにつれ体高は高くなり、体色は濃灰褐色から暗褐色に黒ずみ、横帯はやや不明瞭になってくる。

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生態

生息環境

生息場所は、湖では沿岸帯の水生植物帯、また河川でも流れのゆるやかな水草帯などである。

未成魚は10数尾の群れをつくり、ほとんど動かずに水面付近に浮かんでいることが多い。

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食性

浮遊動物、水生昆虫、エビ、水生植物などを好み、季節によっては魚卵や小魚なども食べる雑食性である。

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ライフサイクル

体長は、その生息域の環境によってかなりの違いが見られるが、ふつうは1年で約 5 cm、2年で 8 cm、3年で 13 cm、4年で 16 cmぐらいに成長する。

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産卵

西日本での産卵期は6~7月、雄が砂泥底にすりばち状の巣をつくり、雌を呼び入れて産卵させる。岸近くの浅瀬にある産卵場には、数多くの巣が点在する。

雄は各々の巣を中心になわばりを持ち、巣の周りを遊泳して卵や仔魚を保護する。この時期の雄は怖いもの知らずで、人が巣に近づいたり巣に手を伸ばそうとすると、足元にすっと泳ぎより指先を攻撃してくることさえある。

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関連情報

味や食感

身は淡白で美味である。刺身や塩焼きよりもフライ、ムニエルの方が適しているようである。

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その他

外来生物法における特定外来生物であり、飼育、販売、輸送、放流などが禁止されている。また、緊急対策外来種でもある。

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種・分類一覧