イトヨ(Gasterosteus aculeatus)の解説トップに戻る
イトヨ(Gasterosteus aculeatus)の分類 Gasterosteidae
イトヨ(Gasterosteus aculeatus)の概要 Gasterosteus

イトヨ(Gasterosteus aculeatus)

低危険種 (LC or LR/lc)

【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種

【 学名 】
Gasterosteus aculeatus Linnaeus, 1758

基本情報

大きさ・重さ

全長:8 cm

参考文献

分布

降海型は、山口県を西限、利根川を太平洋側の南限とする本州と、北海道の海岸に近い平野部に分布する。

陸封型は、北海道では大沼や阿寒湖などに生息するが、本州では福島県会津盆地、福井県大野盆地など内陸部の湧水地に分布が限られている。

国外では、北半球の亜寒帯から温帯にかけて広く分布する。

参考文献

別名・方言名

地方名:ハリウオ(日本各地)、トゲチョ(福島県会津地方)、ハリサバ(石川県)

参考文献

分類学的位置付け

トゲウオ科 イトヨ属

参考文献

人間との関係

新潟県では、遡上期にイトヨ漁が行われる。阿賀野川では専用の刺網すら使われている。

陸封型は各地で天然記念物に指定され、保護されている。しかし湧水枯れの進行と共に生息域も減少の一途で、福井県大野市では絶滅の危機にさらされている。

参考文献

形態

成魚の形質

降海型と陸封型がある。

降海型では、背鰭に独立棘3本と腹鰭に1対の長くて鋭い棘がある。体は比較的側扁し、尾柄は細い。えらぶたの後ろから尾鰭の基底まで連続して鱗板が並ぶ。背部は暗青色を帯び、腹部が銀白色に輝く。

陸封型の体はややずんぐりしており、暗色の雲状斑があらわれる。また背側の独立棘が4本のものや鱗板が途中から途切れるものも見られる。

産卵期の雄は両型とも、青色が濃く鮮やかになり、のどから腹部にかけて鮮紅色になる。

参考文献

生態

生息環境

2月下旬頃から河川に遡上し始め、小川や水田の溝などに棲み付く。

参考文献

食性

典型的な肉食性で、水生昆虫や小型の甲殻類などを餌にしている。生き餌を好む傾向にある。

参考文献

ライフサイクル

全長約 3 cmに成長した6月下旬頃に稚魚は海に下り、翌年成魚になって遡上してくる。

参考文献

産卵

産卵期は北陸地方で4~5月、陸封型あるいは北海道のものは9月以降までずれ込むこともある。

雄は流れの緩やかな砂泥底に営巣のためのなわばりを確保する。そこにすりばち状の小さな窪みをつくり、水草の繊維などを口に咥えて運び、重ねていく。そして腹部をこすりつけながら腎臓から分泌した粘液で巣材を固め、泥をかぶせて巣材の下にトンネルを掘ると巣ができ上がる。

腹の膨れた雌を見つけると¨ジグザグダンス¨といわれる一種の求愛行動を行って、巣穴の中へと導く。雌は尾柄を雄につつかれることが刺激となって卵を産み落とし、巣から離れる。直ちに雄は巣に入り放精する。その後は、雄が胸鰭を用いて巣の中へ新鮮な水を送り込むなど、卵や稚魚の保護に専念する。その間の雄は、なわばりにほかの雄が侵入すると果敢な攻撃を加える。攻撃を誘発する信号は、成熟雄のみに見られる、のどから腹部にかけての赤い婚姻色である。

水槽の外の赤い布やたばこの火の動きにすら強い反応を示す。

参考文献

その他生態

陸封型は生息地が内陸部なので、降海型との交流はない。

しかし、一連の求愛行動には両者で差はなく、成熟した雌雄を水槽に入れると、いとも簡単に産卵してしまう。ところが、その子どもは成長してもほとんど生殖能力を欠く。したがって両者は既に別種とされるほどに分化が進んでいるとの考えもある。

参考文献

関連情報

飼育方法

陸封型では15℃前後の水温を好むため、飼育は難しい。

参考文献

味や食感

唐揚げや天ぷら、粕煮などにされる。

参考文献

種・分類一覧