- 解説一覧
- Acipenser medirostrisについて
基本情報
- 人間との関係
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日本ではかつて、新潟県、福島県以北、北海道の沿岸域、石狩川や天塩川に上ったことがあるが、現在では絶滅している。記録によると、幕末期には石狩川を旭川市近くまで上っている。また、1969年9月に石狩川河口近くで漁獲されている。
体長 150 cmくらいのものは、まれに北海道沿岸の定置網などに入る。
近年、ソ連から A. ruthenus と Husohuso との雑種が移入され、食肉用としてあるいはキャビアを生産するために実験的に養殖されているが、いまのところ成功していない。
参考文献
最終更新日:2020-10-19 ハリリセンボン
形態
- 成魚の形質
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吻は鋭く突出し、その下面に2対のひげがある。口は頭の腹側に開く。眼の後方に噴水孔がある。左右の鰓膜は頭部腹面で互いに癒合しない。
体に5列の蝶形をした大形で板状の鱗があり、背側には7~11枚、体側には22~36枚、腹側には6~10枚が並ぶ。背鰭と尻鰭は体の著しく後方に位置する。
尾鰭の上葉は下葉より大きい。体の背側は緑色を帯びた褐色で、腹側は淡い。
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最終更新日:2020-10-19 ハリリセンボン
生態
- 産卵
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成熟した魚は10~11月に河口域に入り、下流域で越冬したあと、6~8月に川に上り、砂礫底や水草などに産卵する。産卵後は海に戻る。
産卵数は80万~240万粒で、卵は最初黄色であるが、のちに黒色に変化する。
参考文献
最終更新日:2020-10-19 ハリリセンボン
- その他生態
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本種の海洋での生活様式はよく分かっていない。おそらく、海底近くを泳ぎ、頭部下面のひげを利用して泥土の上や中を探り、小動物を吸い取って食べていると考えられる。
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最終更新日:2020-10-19 ハリリセンボン
関連情報
- 味や食感
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卵巣の卵を塩漬けしたものはキャビアであり、オードブルとして賞味される。しかし、キャビアは黒海やカスピ海などに生息する、本種とは別の数種からつくられる。
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最終更新日:2020-10-19 ハリリセンボン