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タウナギ(Monopterus albus)の分類 Synbranchidae
タウナギ(Monopterus albus)の概要 Monopterus

タウナギ(Monopterus albus)

低危険種 (LC or LR/lc)

【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種

【 学名 】
Monopterus albus (Zuiew, 1793)

基本情報

大きさ・重さ

全長:50 cm程度

参考文献

  • 2017 岐阜県の魚類, 第2版 - 書籍全体, 向井貴彦(著) 岐阜県の魚類, 第2版. 岐阜新聞社. .

最終更新日:2020-09-22 ハリリセンボン

分布

関東地方以南の本州と沖縄県が自然分布の範囲とされるが、生息の確認は少ない。

中国・東南アジアから朝鮮半島を通って近畿地方に移入、その後に日本の中南部に分布を広げた。

国外では、ビルマを西限とするインドシナ半島、インドネシア、フィリピン、台湾島、中国大陸、朝鮮半島の各地に生息する。

参考文献

  • 波戸岡清峰 2018 タウナギ(タウナギ属), 中坊徹次(著) 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z, 日本の魚類館. 小学館. p. 181.
  • 今谷信夫 1989 タウナギ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 676-677.

最終更新日:2020-09-22 ハリリセンボン

別名・方言名

地方名:チョウセンドジョウ(奈良県)

参考文献

  • 今谷信夫 1989 タウナギ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 676-677.

最終更新日:2020-09-22 ハリリセンボン

分類学的位置付け

タウナギ目 タウナギ科 タウナギ属

参考文献

  • 波戸岡清峰 2018 タウナギ(タウナギ属), 中坊徹次(著) 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z, 日本の魚類館. 小学館. p. 181.
  • 今谷信夫 1989 タウナギ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 676-677.
  • 2017 岐阜県の魚類, 第2版 - 書籍全体, 向井貴彦(著) 岐阜県の魚類, 第2版. 岐阜新聞社. .

最終更新日:2020-09-22 ハリリセンボン

人間との関係

1912年に京都市の二条城で、翌年に東京の台東区で発見された記録があると聞くが、詳細は不明。

現在までのところでは、東京上野の不忍池と、奈良県の宇陀地方を中心とした近畿地方での生息が確認されている。近畿地方では分布域が拡大しているが、これは、淀川、山和川、紀ノ川の分水嶺的な地域である宇陀地方に、朝鮮半島から本種が持ち込まれたことによるものと考えられている。

近年、その他の地域からも採集されているが、繁殖しているか否かは不明である。

琉球列島のものは在来で、繁殖様式や分子遺伝学的研究で本州のものと異なっていると考えられている。本州のものは雄が口内保育するが、琉球列島のものは口内保育をしない。

日本の本州・四国・九州で見つかるものは外来種である(Matsumoto et al., 2010)。

中国や東南アジアではごくふつうに食用にされ、日本国内の中華街でも売られている。また中国では漢方で増血強壮剤として用いられている。

参考文献

  • 波戸岡清峰 2018 タウナギ(タウナギ属), 中坊徹次(著) 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z, 日本の魚類館. 小学館. p. 181.
  • 今谷信夫 1989 タウナギ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 676-677.
  • 2017 岐阜県の魚類, 第2版 - 書籍全体, 向井貴彦(著) 岐阜県の魚類, 第2版. 岐阜新聞社. .

最終更新日:2020-09-22 ハリリセンボン

形態

成魚の形質

体は円筒形で長い。頭部は丈夫で尾の後端は尖る。鱗はなく、体表は粘液におおわれている。

体色は黄褐色で暗褐色の不規則な斑紋があり、腹部は橙色になるが変異に富む。

胸鰭と腹鰭はなく、背鰭、尻鰭、尾鰭はつながってわずかに隆起するのみである。

眼は小さく、薄い膜におおわれ、外鼻孔は吻端と眼のそばに分かれている。

えら穴は腹部下面に左右が「Λ」形に合わさっており、えらぶたはない。

参考文献

  • 今谷信夫 1989 タウナギ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 676-677.

最終更新日:2020-09-22 ハリリセンボン

生態

生息環境

池、水田地帯の水路や流れの穏やかな河川に生息する。

参考文献

  • 波戸岡清峰 2018 タウナギ(タウナギ属), 中坊徹次(著) 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z, 日本の魚類館. 小学館. p. 181.

最終更新日:2020-09-22 ハリリセンボン

食性

湿田内でトンネルを掘り、流れ込むケラ、ヒル、イモリを捕食する。

乾田ではときに 1~2 m下から数尾が同時に掘り出されることもある。

参考文献

  • 今谷信夫 1989 タウナギ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 676-677.

最終更新日:2020-09-22 ハリリセンボン

産卵

産卵期は6~7月で、巣穴入り口の水面につくった泡巣で行う。卵数は500以下である。

雌から雄へ性転換を行う。

参考文献

  • 波戸岡清峰 2018 タウナギ(タウナギ属), 中坊徹次(著) 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z, 日本の魚類館. 小学館. p. 181.
  • 今谷信夫 1989 タウナギ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 676-677.

最終更新日:2020-09-22 ハリリセンボン

その他生態

停滞水中で空気を遮断すると窒息死する。退化したえらを補って、口腔の粘膜部で空気呼吸を営む。そのときの姿勢はヘビの威嚇姿勢に似る。

冬は水たまりなどで穴を掘り越冬する。水質汚染に強い。

参考文献

  • 波戸岡清峰 2018 タウナギ(タウナギ属), 中坊徹次(著) 中坊徹次(監修) 中坊徹次(編) 小学館の図鑑Z, 日本の魚類館. 小学館. p. 181.
  • 今谷信夫 1989 タウナギ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 676-677.

最終更新日:2020-09-22 ハリリセンボン

関連情報

味や食感

ざるに入れて熱湯をかけて殺し、塩で粘液を取り除き、カミソリの刃で背を割ると背骨と肉が離れる。

肉を細かく切り砂糖醤油で佃煮にする。しょうがをにおい消しに入れると美味とのことである。

参考文献

  • 今谷信夫 1989 タウナギ, 川那部浩哉、水野信彦(監修) 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚. 山と溪谷社. pp. 676-677.

最終更新日:2020-09-22 ハリリセンボン

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