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アメリカドクトカゲ(Heloderma suspectum)の分類 Helodermatidae
アメリカドクトカゲ(Heloderma suspectum)の概要 Heloderma

アメリカドクトカゲ(Heloderma suspectum)

近危急種 (NT or LR/nt)

【IUCN】現時点での絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」に移行する可能性のある種

【 学名 】
Heloderma suspectum Cope, 1869

基本情報

大きさ・重さ

・全長:30~50 cm    
・体重:1~2 kg

参考文献

  • マーク・オシー, ティム・ハリデイ 2001 アメリカドクトカゲ, マーク・オシー、ティム・ハリデイ(著) 太田英利(監修) 爬虫類と両生類の写真図鑑. 日本ヴォーグ社. 97.

最終更新日:2020-04-27 ハリリセンボン

分布

アメリカ合衆国南西部とメキシコ北西部に分布している。

参考文献

  • マーク・オシー, ティム・ハリデイ 2001 アメリカドクトカゲ, マーク・オシー、ティム・ハリデイ(著) 太田英利(監修) 爬虫類と両生類の写真図鑑. 日本ヴォーグ社. 97.

最終更新日:2020-04-27 ハリリセンボン

保全の取り組み

放牧による植生の破壊や、農地化のため生息場所がなくなったことが、個体数の減少の主な原因である。アリゾナ、ユタ、ネバダでは州法で保護されている。かなりの数が動物園で飼育されているが、繁殖の成功例はほとんどない。

参考文献

最終更新日:2020-04-27 ハリリセンボン

保全の取り組み

放牧による植生の破壊や、農地化のため生息場所がなくなったことが、個体数の減少の主な原因である。アリゾナ、ユタ、ネバダでは州法で保護されている。かなりの数が動物園で飼育されているが、繁殖の成功例はほとんどない。

参考文献

  • 小原秀雄 1989 アメリカドクトカゲ, 小原秀雄(編) 世界の天然記念物 : 国際保護動物 第9巻. 講談社. 156₋157.

最終更新日:2020-04-27 ハリリセンボン

亜種・品種

2亜種存在する。

北部の亜種
・バンドアメリカドクトカゲ(H.s.cinctum)

南部の亜種
・アミメアメリカドクトカゲ(H.suspectum.suspectum)

バンドアメリカドクトカゲは、アミメアメリカドクトカゲに比べて、明色部と暗色部の境界が明瞭である。

参考文献

  • マーク・オシー, ティム・ハリデイ 2001 アメリカドクトカゲ, マーク・オシー、ティム・ハリデイ(著) 太田英利(監修) 爬虫類と両生類の写真図鑑. 日本ヴォーグ社. 97.

最終更新日:2020-04-27 ハリリセンボン

分類学的位置付け

トカゲ目 ドクトカゲ科

参考文献

  • 小原秀雄 1989 アメリカドクトカゲ, 小原秀雄(編) 世界の天然記念物 : 国際保護動物 第9巻. 講談社. 156₋157.

最終更新日:2020-04-27 ハリリセンボン

形態

成体の形質

ビーズ状の細かな鱗に覆われた身体や、丸く幅広い頭部などで独特な容姿をもつ。全身を覆う皮膚には黒と桃色、ないしは黒と黄色の入り組んだ模様がある。胴も尾も断面が丸い。

大きなトカゲで、尾は全長の3分の1を占め、太く短い。尾には4~5本の黒い帯がある。北部の亜種では黒い模様が帯状で、南部の亜種では網目状になる。

舌は黒く先が2つに分かれている。北アメリカで最も特異なトカゲである。メキシコドクトカゲに比べて、アメリカドクトカゲの方が体は小さく華奢で、首は短い。

有毒で下顎に毒の分泌器官があるが、有毒ヘビ類のような毒牙はもたない。顎の付け根部分に、1対の毒腺がある。

参考文献

  • 海老沼剛 2012 アメリカドクトカゲ, 海老沼剛(著) 世界の爬虫類ビジュアル図鑑. 誠文堂新光社. 162.
  • 小原秀雄 1989 アメリカドクトカゲ, 小原秀雄(編) 世界の天然記念物 : 国際保護動物 第9巻. 講談社. 156₋157.
  • マーク・オシー, ティム・ハリデイ 2001 アメリカドクトカゲ, マーク・オシー、ティム・ハリデイ(著) 太田英利(監修) 爬虫類と両生類の写真図鑑. 日本ヴォーグ社. 97.

最終更新日:2020-04-27 ハリリセンボン

似ている種 (間違えやすい種)

メキシコドクトカゲ(H.horridum)

参考文献

  • マーク・オシー, ティム・ハリデイ 2001 アメリカドクトカゲ, マーク・オシー、ティム・ハリデイ(著) 太田英利(監修) 爬虫類と両生類の写真図鑑. 日本ヴォーグ社. 97.

最終更新日:2020-04-27 ハリリセンボン

生態

生息環境

砂漠地帯や熱帯性落葉樹林、灌木地帯に生息する。
根の間や岩の下にあるほかの動物の古い巣穴を自分のものにし、1日の90%をその巣穴で過ごす。

参考文献

  • 海老沼剛 2012 アメリカドクトカゲ, 海老沼剛(著) 世界の爬虫類ビジュアル図鑑. 誠文堂新光社. 162.
  • 小菅正夫 2017 アメリカドクトカゲ, 小菅正夫(監修) 黒輪篤嗣 (翻) 驚くべき世界の野生動物生態図鑑. 日東書院本社. 63₋65.
  • 松本通範 1996 アメリカドクトカゲ, 長坂拓也、松本通範、富田京一、越河暁洋、池田純(著) 千石正一(監修) 長坂拓也(編) 爬虫類・両生類800種図鑑. ピーシーズ. 64.

最終更新日:2020-04-27 ハリリセンボン

食性

鳥類や爬虫類の卵、小型哺乳類、鳥類(とくに雛)、トカゲなどの爬虫類、カエルなどの両生類、それに小さな虫や蠕中類を食べる。
鈍そうな外見とは裏腹に、行動は俊敏で、獲物が近づくと突然そちらに突進し、素早く噛みつく。一度噛みつくとなかなか離さず、そのため致命的な量の毒が注入される。

参考文献

  • 海老沼剛 2012 アメリカドクトカゲ, 海老沼剛(著) 世界の爬虫類ビジュアル図鑑. 誠文堂新光社. 162.
  • 小菅正夫 2017 アメリカドクトカゲ, 小菅正夫(監修) 黒輪篤嗣 (翻) 驚くべき世界の野生動物生態図鑑. 日東書院本社. 64₋65.
  • マーク・オシー, ティム・ハリデイ 2001 アメリカドクトカゲ, マーク・オシー、ティム・ハリデイ(著) 太田英利(監修) 爬虫類と両生類の写真図鑑. 日本ヴォーグ社. 97.
  • 松本通範 1996 アメリカドクトカゲ, 長坂拓也、松本通範、富田京一、越河暁洋、池田純(著) 千石正一(監修) 長坂拓也(編) 爬虫類・両生類800種図鑑. ピーシーズ. 64.

最終更新日:2020-04-27 ハリリセンボン

天敵

自然界に天敵はほとんどいない。

参考文献

  • 小菅正夫 2017 アメリカドクトカゲ, 小菅正夫(監修) 黒輪篤嗣 (翻) 驚くべき世界の野生動物生態図鑑. 日東書院本社. 64₋65.

最終更新日:2020-04-27 ハリリセンボン

活動時間帯

夜行性で昼間は岩の下、他の動物の巣穴や自分で掘った巣穴で見つかることが多い。しかし、寒い時期には昼間現れる。昼間はふつうのろのろとした動きしか見せないが、夜にはかなり敏捷に動く。

参考文献

  • 小原秀雄 1989 アメリカドクトカゲ, 小原秀雄(編) 世界の天然記念物 : 国際保護動物 第9巻. 講談社. 156₋157.

最終更新日:2020-04-27 ハリリセンボン

産卵

7~8月に、普通は5個程度の卵を産む。乾いた土壌に卵を埋める。孵化は9ヵ月後で、体長 15 ㎝の子どもが卵から出てくる。

参考文献

  • 小菅正夫 2017 アメリカドクトカゲ, 小菅正夫(監修) 黒輪篤嗣 (翻) 驚くべき世界の野生動物生態図鑑. 日東書院本社. 64₋65.
  • 松本通範 1996 アメリカドクトカゲ, 長坂拓也、松本通範、富田京一、越河暁洋、池田純(著) 千石正一(監修) 長坂拓也(編) 爬虫類・両生類800種図鑑. ピーシーズ. 64.

最終更新日:2020-04-27 ハリリセンボン

特徴的な行動

屈強な体の持ち主で、のっそりと歩く。単独で行動し、目立つ所には出てこない。

参考文献

  • 小菅正夫 2017 アメリカドクトカゲ, 小菅正夫(監修) 黒輪篤嗣 (翻) 驚くべき世界の野生動物生態図鑑. 日東書院本社. 64₋65.

最終更新日:2020-04-27 ハリリセンボン

その他生態

地上棲だが、高い木に登ることもある。
エネルギーをあまり費やさない生活を営み、尾に脂肪分を蓄えることも出来るので、一度多めに食べれば何週間も過ごせる。1回の採食で、幼体なら自分の体重の半分、成体は自分の体重の3分の1もの量を食べられる。したがって、1年で6回しか食べ物を取らないものもいる。

参考文献

  • 小菅正夫 2017 アメリカドクトカゲ, 小菅正夫(監修) 黒輪篤嗣 (翻) 驚くべき世界の野生動物生態図鑑. 日東書院本社. 64₋65.
  • 松本通範 1996 アメリカドクトカゲ, 長坂拓也、松本通範、富田京一、越河暁洋、池田純(著) 千石正一(監修) 長坂拓也(編) 爬虫類・両生類800種図鑑. ピーシーズ. 64.

最終更新日:2020-04-27 ハリリセンボン

関連情報

その他

アメリカドクトカゲは保護動物で、捕殺、採集などは禁止されている。
咬まれると激しい痛みや吐き気、悪寒をもよおすが、健康な人間が死に至ることはまれである。

参考文献

  • 海老沼剛 2012 アメリカドクトカゲ, 海老沼剛(著) 世界の爬虫類ビジュアル図鑑. 誠文堂新光社. 162.
  • マーク・オシー, ティム・ハリデイ 2001 アメリカドクトカゲ, マーク・オシー、ティム・ハリデイ(著) 太田英利(監修) 爬虫類と両生類の写真図鑑. 日本ヴォーグ社. 97.

最終更新日:2020-04-27 ハリリセンボン

種・分類一覧