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インドガビアル(Gavialis gangeticus)の分類 Gavialidae
インドガビアル(Gavialis gangeticus)の概要 Gavialis

インドガビアル(Gavialis gangeticus)

近絶滅種 (CR)

【IUCN】ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの

【 学名 】
Gavialis gangeticus (Gmelin, 1789)

基本情報

大きさ・重さ

・体長:4~7 m 

参考文献

  • マーク・オシー, ティム・ハリデイ(2001)インドガビアル, マーク・オシー(著)爬虫類と両生類の写真図鑑. 日本ヴォーグ社. 193.
分布

バングラデシュ、インド、ネパール、パキスタンに分布する。

参考文献

  • 小原秀雄(1989)インドガビアル, 小原秀雄(著)世界の天然記念物 : 国際保護動物 第9巻. 講談社. 17, 146.
保全の取り組み

インド政府は、ワニ繁殖事業を1975年から始めた。この計画に添い野生の卵を集めて人工孵化させ、18ヵ月間飼育する。その後、全長 1.2 mになった個体を保護区に放している。近年の保護活動により、ネパールとインドで個体数が回復しつつある。

参考文献

  • マーク・オシー, ティム・ハリデイ(2001)インドガビアル, マーク・オシー(著)爬虫類と両生類の写真図鑑. 日本ヴォーグ社. 193.
  • 長坂拓也(1996)インドガビアル, 千石正一(著)爬虫類・両生類800種図鑑. ピーシーズ. 159.
別名・方言名

ガーリアル

参考文献

  • マーク・オシー, ティム・ハリデイ(2001)インドガビアル, マーク・オシー(著)爬虫類と両生類の写真図鑑. 日本ヴォーグ社. 193.
分類学的位置付け

ワニ目 ガビアル科

参考文献

  • 小原秀雄(1989)インドガビアル, 小原秀雄(著)世界の天然記念物 : 国際保護動物 第9巻. 講談社. 17, 146.
人間との関係

インドガビアルは1970年代、絶滅寸前まで追い込まれた。本種が激減した主な原因は、生息地の環境破壊や皮革目的の狩猟、食用としての卵採取や、漁業作業中の不慮の事故死などである。1981年以降、飼育下繁殖の取り組みによって、3000頭以上が自然界に放されてきたが、今も絶滅危惧種である状況は変わっていない。本種はその全分布域で法律によって保護されている。

参考文献

  • 小菅正夫(2017)インドガビアル, 小菅正夫(著)驚くべき世界の野生動物生態図鑑. 日東書院本社. 264₋265.
  • 長坂拓也(1996)インドガビアル, 千石正一(著)爬虫類・両生類800種図鑑. ピーシーズ. 159.

形態

成体の形質

吻は頭部とはっきり区別できる。細身のワニで、体色はくすんだ緑色をしている。現生ワニのうち、最も長く細い吻をもつ。吻の長さは、その基部の幅の3.5~6倍にもなる。吻にうねは無い。

歯は前顎骨に5本、上顎骨に23~24本、歯骨に25~26本ある。目と目の間は中央がややくぼみ、成体では大変広い。体背面は成体では暗オリーブ色で、腹面は淡色で紋がない。みずかきは前肢に指の3分の1まで、後肢には指の3分の2まで発達している。

後頭鱗板は大型で、ただ1対のみある。頸鱗板と背鱗板とは同様で、区別がつかない。各鱗板は横に6枚、縦に21~22枚、中央2列はやや拡大している。尾櫛は第18~20尾環節まで二重である。四肢側面にあるうろこは滑らかで、各肢の後縁には発達した鱗櫛がある。

性成熟した雄は、外鼻孔の前から壺のような形の瘤が発達する。このような性的な特徴は本種のみである。

体長はワニ類の中では最も大きな部類に入るが、人を襲ったという報告はない。

参考文献

  • マーク・オシー, ティム・ハリデイ(2001)インドガビアル, マーク・オシー(著)爬虫類と両生類の写真図鑑. 日本ヴォーグ社. 193.
  • 長坂拓也(1996)インドガビアル, 千石正一(著)爬虫類・両生類800種図鑑. ピーシーズ. 159.
似ている種 (間違えやすい種)

マレーガビアル(Tomistoma schlegeri)

参考文献

  • マーク・オシー, ティム・ハリデイ(2001)インドガビアル, マーク・オシー(著)爬虫類と両生類の写真図鑑. 日本ヴォーグ社. 193.

生態

生息環境

比較的透明できれいな水質、かつ流れの速い深い川で、川岸や中洲には静かな砂地がある環境に生息する。
好適生息地は流れの速い深い川である。比較的透明な水質、高い堤防、深い淵、河岸や中洲は静かな砂地は、巣作りや日向ぼっこに適している。
例えば、インドのチャンバル川は堤防が高く、無数に曲がりくねっていて、水深は深い。また、マハナジ川のサッコシア峡谷は、年中流れは遅く、深い淵がある。ガビアルは、このような場所に集まっている。

参考文献

  • 小原秀雄(1989)インドガビアル, 小原秀雄(著)世界の天然記念物 : 国際保護動物 第9巻. 講談社. 17, 146.
  • 長坂拓也(1996)インドガビアル, 千石正一(著)爬虫類・両生類800種図鑑. ピーシーズ. 159.
食性

魚類を主食とし、時には鳥類なども捕食する。
インドガビアルには、尖った小さい歯が100~110本生えている。これは、魚を引っかけて捕まえるのには理想的である。捕まえた魚は数回噛んでおとなしくさせ、最後に口の中で回して頭から飲み込む。

参考文献

  • 小菅正夫(2017)インドガビアル, 小菅正夫(著)驚くべき世界の野生動物生態図鑑. 日東書院本社. 264₋265.
  • 長坂拓也(1996)インドガビアル, 千石正一(著)爬虫類・両生類800種図鑑. ピーシーズ. 159.
活動時間帯

昼行性

参考文献

  • マーク・オシー, ティム・ハリデイ(2001)インドガビアル, マーク・オシー(著)爬虫類と両生類の写真図鑑. 日本ヴォーグ社. 193.
生殖行動

繁殖期にはライバルを威嚇して縄張りを守る。それと共に、雌に向かって水面を叩きながら騒がしく求愛する。
雄の吻は、地元では「ガーラ」(土器の一種)と呼ばれている。吻の先端は球根状に膨らみ、雌を引き付けるための泡を立てやすくなっている。

参考文献

  • 小菅正夫(2017)インドガビアル, 小菅正夫(著)驚くべき世界の野生動物生態図鑑. 日東書院本社. 264₋265.
産卵

営巣は3月下旬~4月中旬で、川岸の砂の堤防か中洲に作られる。
雌は地温が32~34℃に一定に保たれる深さまで砂を掘り下げ、その中に大きさ 8.5~9.0 cm×6.5~7.0 cmほどの卵を平均43卵産む。孵化日数は83~94日である。孵化直後のワニは全長 37.5 cmほどになる。野生では性成熟に8~12年かかる。

参考文献

  • 長坂拓也(1996)インドガビアル, 千石正一(著)爬虫類・両生類800種図鑑. ピーシーズ. 159.
その他生態

インドガビアルの子どもは生後数週間、親に守られている。はじめて泳ぐときにも親が付き添っている。しかし他のワニと比べると、親が子どもの面倒を見る期間は短い。

参考文献

  • 小菅正夫(2017)インドガビアル, 小菅正夫(著)驚くべき世界の野生動物生態図鑑. 日東書院本社. 264₋265.

関連情報

その他

ガビアル科で唯一の現生種である。

生息数はバングラデシュに約20匹、インド171匹、ネパール65~70匹、パキスタン20匹以下などとなっている。

参考文献

  • 小原秀雄(1989)インドガビアル, 小原秀雄(著)世界の天然記念物 : 国際保護動物 第9巻. 講談社. 17, 146.
  • マーク・オシー, ティム・ハリデイ(2001)インドガビアル, マーク・オシー(著)爬虫類と両生類の写真図鑑. 日本ヴォーグ社. 193.

種・分類一覧