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アカハライモリ(Cynops pyrrhogaster)の分類 イモリ科(Salamandridae)
アカハライモリ(Cynops pyrrhogaster)の概要 Cynops

アカハライモリ(Cynops pyrrhogaster)

低危険種 (LC or LR/lc)

【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種

準絶滅危惧種 (NT)

【環境省】現時点での絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」に移行する可能性のある種

【 学名 】
Cynops pyrrhogaster (Boie, 1826)

基本情報

大きさ・重さ

成体全長:70~130 mm

幼体全長:孵化直後:10~12mm
変態前幼生:35~50mm

参考文献

  • 2011 原色爬虫類・両生類検索図鑑 - 書籍全体, 高田榮一、大谷勉(著) 原色爬虫類・両生類検索図鑑. 北隆館. .

最終更新日:2021-04-02 ハリリセンボン

分布

本州・四国・九州とその属島(佐渡島・隠岐島・壱岐島・五島列島・大隅諸島など)

参考文献

  • 2011 原色爬虫類・両生類検索図鑑 - 書籍全体, 高田榮一、大谷勉(著) 原色爬虫類・両生類検索図鑑. 北隆館. .

最終更新日:2021-04-02 ハリリセンボン

別名・方言名

ニホンイモリ、アカハラ

参考文献

  • 沼田研児 2002 ニホンイモリ, 内山りゅう、前田憲男、沼田研児、関慎太郎(著) 決定版 日本の両生爬虫類. 平凡社. p. 56.

最終更新日:2021-04-02 ハリリセンボン

分類学的位置付け

サンショウウオ目 イモリ科

参考文献

  • 2011 原色爬虫類・両生類検索図鑑 - 書籍全体, 高田榮一、大谷勉(著) 原色爬虫類・両生類検索図鑑. 北隆館. .

最終更新日:2021-04-02 ハリリセンボン

形態

成体の形質

典型的なイモリで、長く平たい尾と、よく発達した四肢をもつ。皮膚は荒い。頭のすぐ後ろに急激に盛り上がる耳線がある。背面の両側に沿って不規則に盛り上がった稜がある。

体色は暗いチョコレート色のような茶色、または黒色で、腹面は明るい赤色または橙色(ときに黄色)をしている。腹面は、背面と同じ色の斑点模様がある。

参考文献

  • 2011 知られざる動物の世界 4:サンショウウオ・イモリ・アシナシイモリのなかま - 書籍全体, 松井正文(翻) 知られざる動物の世界 4:サンショウウオ・イモリ・アシナシイモリのなかま. 朝倉書店. .

最終更新日:2021-04-02 ハリリセンボン

卵の形質

直径 2 mmほど

参考文献

  • 2011 原色爬虫類・両生類検索図鑑 - 書籍全体, 高田榮一、大谷勉(著) 原色爬虫類・両生類検索図鑑. 北隆館. .

最終更新日:2021-04-02 ハリリセンボン

生態

生息環境

日本の固有種で、池・水田・湿地などの水中に多いが、山間の自然公園や林道の側溝などでも見られる。

基本的に流れのある川には生息しないが、大きな川でも河岸のたまり水で見ることがある。

参考文献

  • 沼田研児 2002 ニホンイモリ, 内山りゅう、前田憲男、沼田研児、関慎太郎(著) 決定版 日本の両生爬虫類. 平凡社. p. 56.

最終更新日:2021-04-02 ハリリセンボン

食性

雑食性でさまざまなものを食べる。

参考文献

  • 2016 野外観察のための日本産両生類図鑑 - 書籍全体, 関慎太郎 (著) 松井正文 (監修) 野外観察のための日本産両生類図鑑. 緑書房. .

最終更新日:2021-04-02 ハリリセンボン

ライフサイクル

繁殖期は4~7月。

交接前には雌の前や横で、尾をS字に曲げ、震わす求愛行動を行う。その後、雄が落とした精胞を雌が拾い体内に取り込み、体内受精を行う。

産卵は雌が水中の水草や落ち葉を後肢で二つ折りにし、その間に1個ずつ卵を産む。1回の産卵数は数個から40個程度で、総産卵数は約100~400個。

孵化した幼生はバランサーをもつが5日程度で脱落する。水中の小さな無脊椎動物を捕食。変態上陸するまで陸上生活を行い、小さな無脊椎動物を捕食し、成長する精成熟するまでは低地で約3年、高地ではそれ以上かかる。

参考文献

  • 2011 原色爬虫類・両生類検索図鑑 - 書籍全体, 高田榮一、大谷勉(著) 原色爬虫類・両生類検索図鑑. 北隆館. .

最終更新日:2021-04-02 ハリリセンボン

生殖行動

雌は水温が20℃に達すると卵の生産をはじめ、繁殖は水中で行う。雄は膨らんだ総排出腔開口部周辺、滑らかな皮膚、平たい尾をもつ。尾は時に紫色の輝きを放ち、先端は見事な糸状突起で終わる。

雄は雌に近づいて雌の横腹をつつく。雄は耳線を雌の体にすりつけて、フェロモンを含んだ水を雌に向かって尾で扇ぐ。ほかの雄は激しく追い立てられる。一部個体群の雄は、誇示行動をしている間は雌の体から一定程度かそれ以上離れている。雌が雄の総排出腔開口部をつついて答えると、雄は精胞を落とす。雄は雌の総排出開口部が精包の上に来るように誘導して、雌は精包を拾い上げる。

参考文献

  • 2011 知られざる動物の世界 4:サンショウウオ・イモリ・アシナシイモリのなかま - 書籍全体, 松井正文(翻) 知られざる動物の世界 4:サンショウウオ・イモリ・アシナシイモリのなかま. 朝倉書店. .

最終更新日:2021-04-02 ハリリセンボン

産卵

1日か2日後に、雌は日に1~16個の卵を産みはじめて、すべて産み尽くすまで最長50日間も産み続ける。卵数は合計で324個になる。

雌は卵を水生植物の葉腋に1個ずつ産みつける。雌は、後肢で卵を葉に包んでほかのイモリに見つかって捕食されないようにする。

卵は約3週間で孵化して、幼生は微小な水生甲殻類を食べる。幼生は2~4ヵ月で変態する。飼育下では最長25年は生きる。

参考文献

  • 2011 知られざる動物の世界 4:サンショウウオ・イモリ・アシナシイモリのなかま - 書籍全体, 松井正文(翻) 知られざる動物の世界 4:サンショウウオ・イモリ・アシナシイモリのなかま. 朝倉書店. .

最終更新日:2021-04-02 ハリリセンボン

関連情報

持ち方・触り方

皮膚の粘液にはフグ毒のテトロドトキシンに近い成分が含まれているので、触れた後は手洗いをする。

参考文献

  • 2011 原色爬虫類・両生類検索図鑑 - 書籍全体, 高田榮一、大谷勉(著) 原色爬虫類・両生類検索図鑑. 北隆館. .

最終更新日:2021-04-02 ハリリセンボン

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