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- カスミサンショウウオ(Hynobius nebulosus)について

カスミサンショウウオ(Hynobius nebulosus)
【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種
【環境省】絶滅の危険が増大している種
- 【 学名 】
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Hynobius nebulosus (Temminck and Schlegel, 1838)
基本情報
形態
- 成体の形質
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体の背面は暗黄褐色または暗褐色で、黒褐色の微小な斑点を密布している。
腹面は淡黄褐色のものが多いが、ときには灰色の個体もある。尾の側面の色彩には個体変異が多い。
尾の背腹両縁には明瞭な黄色条線のあるものを原則とするが、個体によっては黄条が切れて黄色い斑点になっているものもあり、また黄色い部分の全然ないものもある。
頭部は卵形で幅よりも少し長く、吻端が円くて、そのすぐ内側に鼻孔を備えている。
眼も耳腺もとくに大きくはない。後者は扁平、その上縁は、眼の後端に始まって咽頭部に至る溝線で区切られている。
鋤口蓋歯列は原則として深いV字形を呈するが、稀にはU字形に近い個体もある。
胴は比較的長く、背面の正中線上に深い縦溝があり、また背面に13本(ときには12本)、腹面に10~11本の肋条をそなえている。
四肢は短くて、前後肢を体側に沿って伸長しても指趾端の間がかなり離れる。
指趾も短い。後肢は5肢性であるが、稀には第5趾の小さくなった個体もある。
参考文献
最終更新日:2020-06-10 キノボリトカゲ
生態
- 生息環境
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主に低地の平野部から丘陵地に生息する低地型と、中国山地などの標高約 600~1000 mに生息する高地型に分けられる。
日中は落葉下や瓦礫の下、腐葉土中に潜み、夜間に徘徊し、土壌動物を主に捕食する。
冬期は落葉などの堆積物中や腐葉土中などで冬眠する。
参考文献
最終更新日:2020-06-10 キノボリトカゲ
- 産卵
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繁殖期は12~4月頃で、気温、水温、降水量などの影響を受けやすく、分布が広いことから、地域によってかなりのずれがあるが、期間は1~3か月程度。
産卵場所に環境変化がなければ、毎年同じ場所で繁殖が繰り返される。
雄は先に水中に入り、水底の落葉や堆積物、泥の穴などに縄張りをつくり、雌を待つ。
産卵は夜間に行われ、水底のさまざまな堆積物に1対の卵嚢を付着させる。1卵嚢内の卵数は25~70個。
低地型は水田、池沼、湿地などで産卵し、高地型は源流付近の静水や伏流水の静水、湿地の水溜まりなどで産卵する。
参考文献
最終更新日:2020-06-10 キノボリトカゲ