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カジカガエル(Buergeria buergeri)の分類 Rhacophoridae
カジカガエル(Buergeria buergeri)の概要 Buergeria

カジカガエル(Buergeria buergeri)

低危険種 (LC or LR/lc)

【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種

【 学名 】
Buergeria buergeri (Temminck and Schlegel, 1838)

基本情報

大きさ・重さ

・体長:雄 37~44 ㎜ 雌 49~69 ㎜
・幼生全長:約 44 ㎜以上
・変態終了時体長:約 16~18 ㎜

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最終更新日:2020-06-10 キノボリトカゲ

分布

日本本土の固有種。本州、四国、九州、五島列島に分布する。平野部から山地にかけての河川や渓流周辺に生息している。

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学名の解説

学名は「ピュゲル氏のカエル」の意味。

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分類学的位置付け

無尾目 アオガエル科 カジカガエル属

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人間との関係

湯原の生息地(岡山県)と南桑の生息地(山口県)は国指定天然記念物。

古くから美しい鳴き声のカエルとして親しまれ、河鹿として俳句、短歌など詩歌などにも多く読まれている。

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形態

成体の形質

背面は暗灰褐色で、個体によって緑色がかっているものもある。

上唇や眼の前後には暗褐色または黒褐色の斑紋があり、左右の上眼瞼の間や前肢基部の背側にも暗色の大きい斑紋がある。

体側では基部が淡くなって、その中に小さい暗色斑紋を混じている。

四肢の背面には黒褐色の横帯があり、とくに前膊部の2本と大腿部および頚部の3本ずつとは著しく、そのほかに多数の小斑をそなえている。

腹面は灰白色または汚白色で、下顎の周縁部に小さい黒点を散布し、個体によって咽頭部にも同じ色の斑紋をそなえていることがある。

頭部は比較的細くて扁平、長さと幅とがほぼ等しい。

吻も扁平でかなり長く、吻端はにぶい。外鼻孔は吻の背側にあって、眼の前端よりも吻端に近く位置している。

眼鼻線は非常ににぶいが、頬部は明瞭に凹んでいる。

眼は大きくて突出しているが、その長径は吻端から眼の前端までの距離よりも小さく、左右の上眼瞼の間隔は上眼瞼の幅よりも大きい。

鼓膜は円くて明瞭、その直径が眼の長径の半分ぐらいで、周囲が白っぽい顆粒に囲まれている。

同様の顆粒は眼の下側や頬部にもある。鋤骨歯板は長卵形でやや斜向し、左右の内鼻孔の間にあって、外側が内鼻孔の内縁に接している。

それぞれの歯板には10個あまりの歯がある。

背面の皮膚はおおむね平滑であるが、部分的ににぶい顆粒をそなえ、とくに背側部の前方では顆粒が明瞭。

背側線上にはひだがないが、眼の後端から鼓膜の上縁を経て前肢基部の上側に達する短い弯曲した隆条は著しい。

咽頭部と胸部とは平滑、腹部後方では皮膚が粗雑な顆粒におおわれている。

前肢は比較的短くて、その全長が体長の3分の2に達しない。

第4指は第2指よりも長く、第3指が最長で第1指が最短、みずかきはほとんど認められない。

吸盤は第3~4指のものがほぼ同大で大きく、第2指のものがこれに次ぎ、第1指のものは小さい。

第3~4指の吸盤の長径は、鼓膜の直径にほぼ等しい。

後肢はよく発達し、大腿部と頚部との長さの和が眼の前端から肛門までの距離にほぼ等しく、大腿部と頚部とが重なるように折り曲げて体軸と直角に伸ばすと左右の脛跗関節が行き違う。

内蹠隆起は楕円形で著しいが、外蹠隆起は認められない。

吸盤は第4趾のものがもっとも大きく、第3趾と第5趾とのものがこれに次ぎ、第1趾のものが最小、いずれも前肢第3~4指の吸盤よりは小さい。

みずかきはよく発達し、各趾の吸盤に達している。

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幼生の形質

成熟したオタマジャクシはかなり大形で、灰色の体や尾に黒い斑点を散布している。

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卵の形質

卵は黒褐色で直径 1.5~2.0 ㎜ぐらい

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生態

生息環境

山地や川幅が広い河川や支流の自然環境が整った場所に生息。

川底や川岸に石が多く、浅瀬があり、水面から石や岩が多く露出する清流を好む。

日中は樹洞や崖の穴などに潜み、日没後に樹上や河川周辺、川岸などで小昆虫を捕食する。

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ライフサイクル

繁殖期は4~7月。雄は川の浅瀬に集まり、川岸や水面に露出した石に縄張りをもち、鳴いて雌を呼ぶ。

産卵は浅瀬の水中で行い、転石の下や際に小さな卵塊として数箇所に分けて産卵。

1箇所の卵数は50~80個で、総産卵数は200~600個。

孵化した幼生は水底の石の間や砂利などで生活し、石に付着した藻類を削り取って食べる。変態上陸は7~8月。

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発音(鳴き声)

フィーフィーフィフィ

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