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ニホンカナヘビ(Takydromus tachydromoides)の分類 カナヘビ科(Lacertidae)
ニホンカナヘビ(Takydromus tachydromoides)の概要 Takydromus

ニホンカナヘビ(Takydromus tachydromoides)

低危険種 (LC or LR/lc)

【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種

【 学名 】
Takydromus tachydromoides (Schlegel, 1838)

基本情報

大きさ・重さ

・全長:160~270 ㎜
・頭胴長:50~70 ㎜
・卵:長径約 10 ㎜、短径約 6 ㎜

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最終更新日:2020-06-11 キノボリトカゲ

分布

北海道、本州、四国、九州およびその属島と、屋久島、種子島、中之島、諏訪之瀬島などに分布する日本固有種。

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和名の解説

カナヘビの名は、ヘビのように細長いが、可愛いので愛蛇(かなへび)と呼ばれるようになったということから。

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分類学的位置付け

有鱗目 トカゲ亜科 カナヘビ科 カナヘビ属

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形態

成体の形質

背面は褐色または暗褐色で、個体によって多少青味を帯びていることがあり、また、背板列の中に後端部の黒いものを混在している。

尾は先端に向かって多少とも色が淡くなる。

体側には、外鼻孔の上側に始まって眼を通り、後方へいくほど幅が広くなって(上下に分かれていることもある)尾の基部に達する黒褐色の縦条のあることが多い。

この縦条の下縁は、一般に白色または黄色の条線で区切られているが、胴部では条線が多少とも不規則になり、また個体によっては、前肢の基部より前方だけにしか条線のないこともある。

淡色の条線と腹板との間は、普通黒褐色の縦条になっているが、上唇は白っぽい、腹面は黄白色ないし淡黄褐色、指趾は淡褐色、頭部は比較的短くて幅が広く、吻も側扁しているが短い。

吻端は比較的にぶく、吻端板はかなり大形。

鼻孔は上鼻板、鼻板および第1上唇板によって囲まれ、吻端板の後縁背端には接していない。後鼻板がない。

鼻板は小形で、ときには前頬板と癒合していることもある。

左右の上鼻板は普通正中線上で接し合っていないが、ときには互いに接合して前額鼻板を吻端板から隔てていることもある。

前額鼻板は比較的幅が広く、前額板より短い。

左右の前額板は、原則として正中線上で接し合っているが、稀には1枚の小さい鱗板によって両側に隔てられていることもある。

額板は長大、頭頂板とほぼ等長であるかあるいは頭頂板よりも長い。

前頭頂板は前額板よりも大きく、左右の1対が幅広く接し合っている。

頭頂間板は小形、後頭板は頭頂間板より更に小さく、また普通は後者に接していない。

頭頂板は幅が広く、普通は左右の1対が頭頂間板と後頭板との間で接し合っている。

眼上板は3対あり、第1~2両眼上板は大きくて額板に接している。

上睫板は4枚あって最初の2枚が非常に細長く、普通は第1睫板だけが第1眼上板に接し、残りは1列に並んだ粒状の鱗によって眼上板から隔てられているが、個体によっては粒状の鱗が2~3個しかないものもあり、また逆に全上睫板が眼上板に接していないこともある。

頬板は2枚あって後頬板は大きく、眼前下板は原則1枚で細長い。

側頭板は前列3~4枚、後列3枚あることが多く、後列の上板は長大で、その後方には1~2枚の鱗が並んで頭頂板の外側を縁取っている。

耳孔は垂直方向の楕円形で大きい。上唇板と下唇板との数や配列はアオカナヘビの場合とほぼ同様。

咽頭板は4対あって、第4咽頭板がほかの3枚の和よりも大きく、最初の2対は正中線上で接し合っているが、第3対目は完全に接し合っていることから全長わたって左右に隔てられていることまである。

左右の第3咽頭板の間(またはその後側)から頸環板までには21~26枚ぐらいの鱗があって、その様子はアオカナヘビの場合とほぼ同様。

背面の鱗は、頸部より後方では非常に大きくて後端がとがり、普通は6列に並んで背中線上に1~2列の小さい鱗を不規則に挟んでいるが、大きい鱗列の背方の1対が側方の2対より小さいことも少なくない。

これらの鱗板には著しい隆条があり、前後につながり合って普通6本の連続した隆条を形成している。

体側の鱗は細かい粒状で、胴の中央部で5~7列に並び、その下側には各側3列に並んだ中形の鱗があってそれぞれの鱗に隆条をそなえているが、前肢の後と後肢の前とでは次第に粒条に変わる。

腹板は、大きい背板とほぼ同大で8列に並び、それぞれの鱗に弱い隆条があって後端がとがっている。

最外側の左右各1列の腹板は、内方のものより小形で隆条が強い。

腹板の数は、頸環板から肛板までの間に24~28枚ぐらい、肛板は単一で、大きくて平滑、その両側に各側2枚づつの比較的小さい鱗がある。

鼠蹊腺の開口は、原則として2対の明瞭な有孔鱗になっているが、稀には片側または両側に3個あることもある。

四肢は比較的短いが、構造はサキシマカナヘビなどの場合とほぼ同様。

第4趾は23~26枚ぐらいの趾下板をそなえ、部分的に趾下板が2分していることもある。

尾は非常に長く、サキシマカナヘビなどの場合と同じような長方形の鱗におおわれている。

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最終更新日:2020-06-11 キノボリトカゲ

卵の形質

卵は産卵後周囲の水分を取り込み、最終的には産卵直後の1.5倍ほどに膨らむ。

卵は白色で卵殻は皮革状で弾力がある楕円形。約2か月で孵化する。

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似ている種 (間違えやすい種)

ニホントカゲ

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生態

生息環境

低地から低山地の林緑部や草地に生息し、人家の庭やその周辺でも見かける。

日中は通常日光浴と採食を繰り返し、地表や葉上、低木で活発に行動する。夜間は葉上や葉陰、石の下、石垣の中、低木の枝先などで眠る。

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食性

小型の昆虫類や幼虫類などの無脊椎動物を捕食。ときには熟れて落下した果実も舐める。

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天敵

ヘビ、鳥類、イタチ

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ライフサイクル

3~11月に活動するが分布が広く、生息地域によって多少ずれがある。冬眠は石積み内や石垣内、土中などで行う。寿命はおよそ7年。

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生殖行動

3~5月に繁殖行動が始まり、雄はその間に幾度も交尾を繰り返すため、雌の胴にはV型の雄の咬み跡がついている個体も多く見かける。

繁殖行動は8月初旬まで続く。産卵は1年に複数回行われ、1回の産卵数は2~6個。

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関連情報

その他

南西諸島を除く日本国内ではもっとも普通に見られるトカゲだが、都市化による生息地の減少や農薬散布などにより、その個体数は激減している。

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