ベニマシコ(Carpodacus sibiricus)の解説トップに戻る
ベニマシコ(Carpodacus sibiricus)の分類 アトリ科(Fringillidae)
ベニマシコ(Carpodacus sibiricus)の概要 オオマシコ属(Carpodacus)

ベニマシコ(Carpodacus sibiricus)

低危険種 (LC or LR/lc)

【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種

【 学名 】
Carpodacus sibiricus (Pallas, 1773)

基本情報

大きさ・重さ

・嘴峰:8~9.5 mm
・翼長:62~70 mm  
・跗蹠:15~18 mm
・尾長:60~69 mm 
・体重:14~16 g
・卵:長径 17.5~20.5 mm×短径 12.5~14.5 mm 平均長径 19 mm×短径 14 mm 重量 1.7 g

参考文献

最終更新日:2020-06-12 キノボリトカゲ

分布

旧北区。ユーラシア大陸の中緯度地方の東半分に分布する。

バイカルからウスリーと、少し離れた中国中部で繁殖し、北のものは冬にやや南方に移る。

日本では北海道と南千島、本州の北端の下北半島で夏鳥として繁殖する。本州以南では冬鳥である。

参考文献

最終更新日:2020-06-12 キノボリトカゲ

亜種・品種

オナガベニマシコ、シベリアベニマシコ

参考文献

最終更新日:2020-06-12 キノボリトカゲ

分類学的位置付け

スズメ目 アトリ科

参考文献

最終更新日:2020-06-12 キノボリトカゲ

形態

成鳥の形質

【雄】
額、頭上、後頭、頸は暗赤色で、中央には黒褐色の軸斑があり、各羽の基部は黒褐色である。

額、頭上の各羽縁は灰白色に輝いている。後頸の各羽縁は灰褐色である。

眼先、上嘴の基部は赤葡萄酒色。腮、喉、耳羽、頬は薔薇色で、各羽は緑白灰色に輝いている。

肩羽と背は暗赤色で、各羽には黒褐色の軸斑があり、羽縁は淡褐色である。

胸、腹、腰、上尾筒、下尾筒は薔薇色で、胸の各羽縁は灰白色、腹の各羽縁は白色、上尾筒の先端の部分の各羽は灰褐色である。

下腹と腹の中央は白色である。脇は狐色を帯びた薔薇色である。

翼は黒褐色で、初列風切には灰褐色の細い縁があり、中雨覆の羽端には白色の縁があり、小雨覆の各羽の先端は薔薇色である。

次列雨覆と小翼羽は黒褐色である。尾は中央の3対は黒褐色で、薔薇色を帯びた白色の細い外縁がある。

ほかの尾羽は白色で、羽軸は黒く、内弁には外縁沿いに黒色の細長い斑紋があり、外側の尾羽ほど黒色斑が小さい。

嘴色は褐色を帯びた角色、虹彩は褐色、脚色は淡褐色、脛羽は褐色を帯びた白色。

【雌】
眼先、上嘴の基部は赤葡萄酒色を帯びた淡褐色、頭上、後頭、後頸、背は淡褐色で、各羽には黒褐色の軸斑がある。

腮、喉、耳羽、胸は薔薇色を帯びた淡褐色で、各羽には黒褐色の軸斑があり、胸の各羽縁は灰褐色である。

脇は狐色を帯びた薔薇色で、各羽には黒褐色の軸斑がある。腰と上尾筒は薔薇色を帯びた褐色。

下尾筒は薔薇色を帯びた白色である。ほかは雄と同様である。

参考文献

最終更新日:2020-06-12 キノボリトカゲ

幼鳥の形質

【雛】
孵化直後の雛は肉色の裸体のままで、淡褐灰色の初毛が眼の上、後頭、背、上膊、前膊、腿、腹などの羽域に生えている。

口中は紫色を帯びた紅色で、口角縁は白色である。

【幼鳥】
雌成鳥に似るが褐色に富む。

【第1回冬羽】
換羽の範囲は不明。この羽衣は成鳥に似るが、雄の場合は下面の紅色が淡く黄褐色を帯びている。

参考文献

最終更新日:2020-06-12 キノボリトカゲ

卵の形質

卵は緑青色の地に黒褐色の斑点が鈍端の方に疎在する。ときとして全く斑点がないものもある。

参考文献

最終更新日:2020-06-12 キノボリトカゲ

生態

生息環境

本州には冬鳥として渡来し、主として標高 1000 m位から以下の山地の灌木林や草原、畑などに生息し、積雪地でも越冬するものが多い。

繁殖地では低地や低山帯の河川沿い、湿原周辺の灌木地、広葉樹の疎林内の藪地、林緑のササ藪、農耕地や牧草地の周辺の藪地などにすむ。

越冬地では低山帯の林緑、疎林、農耕地や川辺などの藪の多いところでみられる。平地の林や草原には生息しない。

参考文献

最終更新日:2020-06-12 キノボリトカゲ

食性

秋冬には果実、種子、木の芽などを食べ、夏には鞘翅目の昆虫類を啄む。

小枝に止まって、体を伸ばしたり、逆さにしたりして小果実などを加えとり、くちばしをモグモグと動かして食べる。

餌を探して気忙しく動き回ることはない。

参考文献

最終更新日:2020-06-12 キノボリトカゲ

ライフサイクル

繁殖期は5~7月、一夫一妻で繁殖する。巣は地上 80~170 ㎝ぐらいの低木や藪の小枝に乗せるように、枯れ草、樹皮、細根などで椀形につくる。

内装に細い草、獣毛、羽毛などを使う。1巣卵巣は3~6個、雌雄で抱卵する。期間などの詳しい記載はない。

参考文献

最終更新日:2020-06-12 キノボリトカゲ

鳴き声

フィー、フィーとウソの声に似たような声で互いに鳴き合う。

ツチチチチチッまたはチチぺ、チチぺと地啼きし、囀鳴は美しくて、ややアオジに類似する。雄は巣の近くの樹上や枯木の頂などにとまってフィー、ヒー、ツルピー、ㇲペーペリョ、フィー、ヒー、ぺィリョ、ピリ、ピツッ、ペッリョーと美しい声で囀る。

参考文献

最終更新日:2020-06-12 キノボリトカゲ

特徴的な行動

繁殖期にはなわばり分散するらしい。雄は灌木の上に出てきて盛んにさえずり、さえずり合いもよく見られる。冬は小群または単独でみられる。

参考文献

最終更新日:2020-06-12 キノボリトカゲ

その他生態

夏季は雄雌で生活するが、冬季は小群をなすことが多い。

樹上や地上で餌を捜し求め、地上では両脚を揃えて跳ね歩きつつ餌を漁る。飛翔は波形である。

参考文献

最終更新日:2020-06-12 キノボリトカゲ

種・分類一覧