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コウライウグイス(Oriolus chinensis chinensis)の分類 コウライウグイス属(Oriolus)
コウライウグイス(Oriolus chinensis chinensis)の概要 コウライウグイス(Oriolus chinensis)

コウライウグイス(Oriolus chinensis chinensis)

【 学名 】
Oriolus chinensis chinensis Linnaeus, 1766

基本情報

大きさ・重さ

・嘴峰:28-34 mm
・翼長:131-160 mm
・跗蹠:22-27 mm
・尾長:86-101 mm
・体重:72-100 g
・卵:長径 28.2-33.5 mm × 短径 19.5-22.8 mm 重量 6.8-7 g

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最終更新日:2020-05-25 キノボリトカゲ

分布

シベリア東部から中国・インドネシア・台湾・フィリピンなどで繁殖し、北で繁殖するものは南へ渡って越冬。

日本では主に春の渡りの際に日本海側の島に渡来するが稀。

日本では北海道から九州まで記録があり、埼玉では1994年から初夏に3年連続で渡来、1996年には繫殖が確認された。

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和名の解説

英名 Oriole はラテン語で黄金色や黄色を意味する。

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分類学的位置付け

スズメ目 コウライウグイス科

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形態

成鳥の形質

【雄】
頭部は黄色で、眼先から眼の後方まで幅 15 ㎜位の黒色の過眼線が走り、後頭で左右のものが合している。

頸・背・胸・腹・腋・腰・上尾筒・下尾筒は黄色で、下背と肩羽は緑色を帯びている。

初列風切は黒色で、外縁と先端には黄白色の縁がある。

次列風切は黒色で、外縁には幅広い黄色の縁があり、三列風切の外弁は黄色で基部は黒く、内弁の先端と羽軸の付近は黄色で、ほかは黒色である。

大雨覆は黄色で、外側のものの内弁の基部は黒色で、内側のものの内弁は黒色である。

中・小雨覆は黄色、初列雨覆は黒色で、その先端は黄色、小翼羽は黒色である。

尾は中央の1対は黒色で、先端には 20 ㎜位の幅の黄色の帯があり、外の尾葉の基部は黒色で先端には 40 ㎜位の幅の黄色の帯がある。

嘴色は淡桃色、虹彩は暗紅色、脚色は蒼褐色。脛羽は黄色。

【雌】
頭部は緑色を帯びた黄色で、眼先から眼の後方まで黒色の幅 10 ㎜位の過眼線が走り、後頭部で左右のものが合している。

肩羽・背・腰・上尾筒・胸・腹・下尾筒・中、小雨覆は緑色を帯びた黄色である。

初列風切は黒褐色で、外縁と先端とには黄白色の細縁があり、次列風切は黒褐色で、外縁には緑色を帯びた黄色の幅広い縁がある。

三列風切の外弁は緑色を帯びた黄色で、基部は黒褐色、内弁の先端と羽軸付近は緑色を帯びた黄色で、外は黒褐色である。

初列雨覆は黒褐色で、先端は緑色を帯びた黄色。

大雨覆は緑色を帯びた黄色で、外側のものの内弁の基部は黒褐色、内側のものの内弁は黒褐色である。小翼羽は黒褐色。

尾は中央の1対は黒褐色で、先端に緑色を帯びた黄色の幅 20 ㎜位の帯があり、外の尾羽の基部は黒褐色で、先端に 40 ㎜位の幅の緑色を帯びた黄色の帯がある。

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卵の形質

卵は淡紅色または紅白色の地に、濃赤褐色と淡紅色の小斑点が少量散在し、斑点は鈍端近くにあるのが常である。

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生態

生息環境

夏季繁殖地では、平地または山地の落葉濶葉樹林や雑木林に生息し、特に下草に灌木や雑草の散在する林を好み、ときには針葉樹林にも生息する。

村落付近の樹林や果樹園、庭園、農耕地にも生息し、広野にある疎林などにも生息する。

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食性

春季は動物類を餌とし、秋季は植物の実を好んで食物とする。

動物質ではゾウビムシ、コガネムシ、バッタ、カマキリ、カメムシ、アリ、トンボなどを好んで食物とし、植物質では桜、桑、イチジク、ブドウなどの果実を好んで食物とする。

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鳴き声

ウギャー、ウギャーとネコのような声で地啼きする。

繁殖期には樹梢の葉の茂みの中で、ピッピョコ、ピヨ、ピッ、ピョコ、ピヨと繰り返して啼き、キコ、キコ、ウギャー、ピコ、ピコ、ピピコピ、ピピコピヨ、ピピコピヨ、またはピョコ、ピョコピヨ、ピコ、ピコピヨ、ピコ、ウギャー、キョコ、キケホーピョコ、ピョコ、ピョコ、キョコ、キケ―ホーと頗る変化に富んだ声で囀る。

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産卵

産卵期は5~7月頃である。1巣卵数は通常4個。巣は高い喬木の地上から 2~5 mくらいの高さの水平に出た横枝の末端近くの又部につくる。

禾科植物の葉や樹皮、穂、雑草の細根、紙片などを主材としクモの糸や蛾の繭などでこれを綴って深い椀形の巣をつくり、又になった小枝に巣の上部の周囲をクモの糸でハンモックのようにつりさげる。

産座には小枝や穂、雑草の細根、羽毛、綿、馬毛、松葉などを敷く。

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特徴的な行動

雄雌または単独で主として樹上生活をするが、稀には両脚を揃えて不格好な形で跳ね歩くこともある。

水浴を好み、樹上から遊水地に舞い降りて水を浴び、終ると直ぐに樹上に舞戻って、羽を繕うのが常である。

飛翔時には翼をやや重々しく羽搏き、波形の長い弧形を描いて迅速に飛翔する。

性質は臆病で常に喬木の高い梢にとまり樹葉の茂みに潜んでいる。繫殖を終えた頃には家族群でいることが多い。

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関連情報

その他

20亜種あり、日本では O. c. diffusus の記録がある。

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種・分類一覧