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オナガ(Cyanopica cyanus)の分類 カラス科(Corvidae)
オナガ(Cyanopica cyanus)の概要 オナガ属(Cyanopica)

オナガ(Cyanopica cyanus)

低危険種 (LC or LR/lc)

【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種

【 学名 】
Cyanopica cyanus (Pallas, 1776)

基本情報

大きさ・重さ

・全長:366.8 mm (319~390)
・翼長:130.7 mm (122~141)
・尾長:214.8 mm (192~240)
・嘴峰長:25.7 mm (24~30)
・ふ蹠長 : 33.3 mm (32~35)
・体重 : 83.4 g (69~96)
・卵:長径 24.5~27.1 mm × 短径 18.5~21.5 mm 平均長径 26.6 × 短径 20.2 mm 重量 5.4 g位

参考文献

  • 清棲幸保 1955 オナガ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅰ. 講談社. 15-17.

最終更新日:2020-06-05 キノボリトカゲ

分布

日本、朝鮮半島、中国北東部、アムール川流域の極東アジアとヨーロッパ西端のイベリア半島に隔離分布する。

日本では、福井県、岐阜県、愛知県以東、青森県までの東日本に分布する(環境省 2004)。

九州北部では1960年代まで生息し、島根県、兵庫県、和歌山県、愛媛県でも記録がある(細野 1972)。

長野県での急激な分布の拡大(細野 1969)が示すように、オナガの分布は流動的である。

参考文献

最終更新日:2020-06-05 キノボリトカゲ

学名の解説

種小名は青を意味する。

参考文献

  • 吉井正 2005 オナガ, 吉井正(監修) 三省堂編修所 (編) 三省堂世界鳥名事典. 三省堂. 109.

最終更新日:2020-06-05 キノボリトカゲ

和名の解説

和名は長い尾に由来。

参考文献

  • 吉井正 2005 オナガ, 吉井正(監修) 三省堂編修所 (編) 三省堂世界鳥名事典. 三省堂. 109.

最終更新日:2020-06-05 キノボリトカゲ

分類学的位置付け

スズメ目 カラス科

参考文献

  • 吉井正 2005 オナガ, 吉井正(監修) 三省堂編修所 (編) 三省堂世界鳥名事典. 三省堂. 109.

最終更新日:2020-06-05 キノボリトカゲ

人間との関係

庭や果樹園のカキ、ナシ、リンゴ、サクランボ、イチゴなどの果物も良く食べるため農家から嫌われる。

有害鳥獣として駆除されることもある。

参考文献

最終更新日:2020-06-05 キノボリトカゲ

形態

成鳥の形質

雌雄同色でオスはやや大型である。

額、頭上、後頭、耳羽、眼先、頬の一部は藍光沢のある黒色、腮、喉、頬は白色、後頸、頸側は灰白色である。

背、腰、上尾筒は青味を帯びた灰鼠色、肩羽は灰鼠色である。

胸、腹はわずかに灰鼠色を帯びた白色、下尾筒は淡灰色である。

初列風切の内弁は黒色で基部は白く、第1、第2羽の外弁は黒色で、基部は淡青灰色、ほかの風切羽の外弁は白色で、基半部は淡青灰色である。

次列風切の外弁は淡青灰色で、内弁は黒褐色である。

三列風切、大、中、小雨覆、小翼羽は淡青灰色、尾は淡青灰色で、先端に白色の帯があり、中央尾羽では白色帯の幅が広い。

嘴色は黒色、虹彩は黒褐色、脚色は黒色。

参考文献

  • 清棲幸保 1955 オナガ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅰ. 講談社. 15-17.

最終更新日:2020-06-05 キノボリトカゲ

幼鳥の形質

孵化直後の雛は暗肉色の裸体のままで、初毛を欠く。

幼鳥は成鳥に似るも全体が褐色に富む。頭の羽毛には白色の縁があり、背の羽毛には褐色の縁がある。

翼および尾は成鳥に似るも暗色で、尾羽の先端はすべて白色である。

【第1回冬羽】
幼鳥は秋季初列風切・次列風切・初列雨覆および尾羽をのぞき全部換羽して第1回冬羽となる。

この際、ときとして2~3枚の尾羽も換羽することがある。

新しく生じた羽毛は成鳥と同様であるが、多少暗色である。

【第2回冬羽】
幼鳥は翌年の秋季に風切および尾羽も含み全体を換羽して成鳥となる。

参考文献

  • 山階芳麿 1980 オナガ, 山階芳麿(著) 日本の鳥類と其生態Ⅰ. 出版科学総合研究所. 32-35.
  • 清棲幸保 1955 オナガ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅰ. 講談社. 15-17.

最終更新日:2020-06-05 キノボリトカゲ

卵の形質

卵は灰白色、淡褐白色、淡緑青色などの地に暗緑褐色の斑点が一面に散在する。

参考文献

  • 清棲幸保 1955 オナガ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅰ. 講談社. 15-17.

最終更新日:2020-06-05 キノボリトカゲ

生態

生息環境

林が連続する森林地帯には生息せず、林や低木林が散在する開けた環境や川辺の林に生息し、高原の別荘や農耕地、山地の川沿いの集落など人為的に切り開いた環境にも生息する。

また、住宅地や市街地の緑地や公園などでも生息する。

参考文献

最終更新日:2020-06-05 キノボリトカゲ

食性

千葉県と埼玉県での408羽の胃内容物の周年調査(葛 1942)によると、雑食性で、動物では昆虫(コウチュウ目成虫やチョウ目幼虫など)、クモ、両生類 (カエル)、植物では樹木や草本の果実や種子(ムクノキ、クワ、ノイバラ、ニガキ、ノブドウ、ヒサカキ、ムラサキシキブ、ヘクソカズラ、ニワトコなど)を主に食べる。

繁殖期は樹上(特に上層)で採餌することが多いが、非繁殖期には地上での採餌が多い。

所沢では12月~4月は地上での採餌が50%以上を占め、1月~3月は70%を超えた。

冬期の地上では主に落下した果実などを食べている。また、果実を地上の落葉の下などに隠すことがあった。

よく生ゴミを漁り、果物や動物の肉なども食べる。オナガが人家付近に生息するのはこのためかもしれない。

このほか、鳥卵や動物の死体も食べる。

参考文献

最終更新日:2020-06-05 キノボリトカゲ

ライフサイクル

繁殖は基本的に一夫一妻である(細野 1966、1971)が、ごくまれに一時的(造巣初期)に一夫二妻となることがある。

相手が群れからいなくならない限り、つがいは毎年維持される(原田 & 山岸 1992)。

人家の庭や周囲の林の縁に巣を造ることが多い。公園や街路樹にも営巣する。

巣は常緑広葉樹、落葉広葉樹、針葉樹など多様な樹種の高さ 1~13 mの枝の又や若枝が密生した場所に造る。

巣の大きさは外径 30×25 cm、厚さ 13 cm、内径(産座) 11 cm、深さ 6 cmである(柿沢 & 小海途 1999)。

造巣は雌雄で行い、巣の外層には木の枝を用い、底中央に土をその周辺に蘚苔類を敷きつめる。

その上に蘚苔類、樹皮、草根、枯葉などを腕状に積み重ね、産座にシュロ、樹皮、細根などを敷く(細野 1966, 1971)。

巣は単独に近いものもあるが、互いに集まって営巣する傾向があり、ルースコロニアルである。

群内での巣間距離は 3~150 mあり、5~35 mのものが多いが、巣間距離で繁殖の成功に大きな違いはなかった。

ツミの巣の周りに集団営巣することもある(Ueta 2001)。

一腹卵数は3~8卵、平均5.8卵で、5~7個が 普通であった。繁殖は生まれた年の翌年から可能である。

繁殖オスの21%、繁殖メスの18%が前年生まれの個体である(原田 & 山岸 1992)。

繁殖は4月末から5月上旬より始まり9月中旬に最後のヒナが巣立つ。

年1回が多いが、14%のつがいは2回繁殖を行った。メスが抱卵と抱雛を行い、抱卵中はオスがメスに給餌する。

ヒナへの給餌は雌雄とも行う。産卵は毎日、抱卵期間は15日、孵化後17~18日で巣立ち(細野 1966、1971)、約1ヶ月半ほど親の世話を受ける。

産卵は5月中旬~8月中旬で、5月下旬から6月上旬が産卵のピークである。

孵化後1~2日の一巣雛数は平均4.8羽、孵化後15日の一巣雛数は2~7羽で平均4.2羽であった。

また、時期が遅くなると一腹卵数も一巣雛数も低下する。カッコウに托卵されることがある。

参考文献

  • 吉井正 2005 オナガ, 吉井正(監修) 三省堂編修所 (編) 三省堂世界鳥名事典. 三省堂. 109.

最終更新日:2020-06-05 キノボリトカゲ

鳴き声

濁った耳障りな「ガー」「ゲー」「ゲーイ」、澄んだ「クーイ」「クイー、クイクイ」と鳴く。

小さい声で「ピューイ」「ピューイ、キチキチキチ」「リュイ、リュイ」とも鳴く。

参考文献

最終更新日:2020-06-05 キノボリトカゲ

その他生態

非繁殖期も繁殖期も基本的に群れで生活し、周年群れなわばりを持っている(細野 1989)。

群れの個体数と行動圏の面積の平均値は、長野県川中島で23羽(9~45)、21.8ha(11~48)(細野 1968)。

長野県伊那で28.7羽、135.1 ha(103~243)、長野県野辺山で16.7羽、287.6 ha(130~376)(今西 2003)。

最も密度の高い地域であろう埼玉県所沢では24羽(17~31、n=16)、13.4ha(6.2~24.8、n=11)であった。

ねぐらも群れでとるが、ときに複数の群れが同じ場所にねぐらをとることもあった。

ねぐらは枝や葉が密生した竹林、針葉樹林、落葉広葉樹林などである。

落葉期には針葉樹林や竹林が多く、着葉期には落葉広葉樹林が多かった。

繁殖期はつがいで行動することが多くなるが、群れで行動している時間も長く、夜は抱卵や抱雛しているメスを除いて群れでねぐらを取る。

群れのメンバー間には順位があり、雄は雌より、成鳥は1年目の若鳥より優位である。

巣立ったヒナのうち出生群に残るのは雄で、雌はほとんど残らない。

つがいの相手を失った場合にはオスは自群に留まることが多く、雌は自群に留まるか他群に移動してつがい相手を見つける。

つがいで別の群れに移ることも多い(原田 & 山岸 1992)。

参考文献

最終更新日:2020-06-05 キノボリトカゲ

種・分類一覧