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ワカケホンセイインコ(Psittacula krameri manillensis)の分類 ダルマインコ属(Psittacula)
ワカケホンセイインコ(Psittacula krameri manillensis)の概要 ホンセイインコ(Psittacula krameri)

ワカケホンセイインコ(Psittacula krameri manillensis)

【 学名 】
Psittacula krameri manillensis (Bechstein, 1800)

基本情報

大きさ・重さ

・全長:370~430 mm
・自然翼長:雄 168.5±4.6 mm(N=7) 雌 166.1±3.9 mm(N=11)
・露出嘴峰長:雄 24.3±0.8 mm(N=7) 雌 23.7±1.4 mm(N=11)
・尾長: 雄 241.9±20.8 mm(N=7) 雌 222.9±14.9 mm(N=10)
・ふ蹠長 : 雄 18.6±1.2 mm(N=7) 雌 18.8±1.3 mm(N=11)
・体重: 雄 145.6±11.6 g(N=7) 雌 145.5±9.4 g(N=12)

参考文献

最終更新日:2020-06-26 キノボリトカゲ

分布

この亜種は、本来インド南部やスリランカに生息しているが、ペットして世界各地に持ち込まれ、ヨーロッパやアジア、アフリカ、北アメリカ、 ハワイ諸島など、さまざまな地域で野生化が確認されている。

日本では、1969年に東京で記録されてから、亜種ワカケホンセイインコが各地で観察されるようになった。

1980年代には大阪や名古屋など、各地で見られたようである。

しかし、現在群れとして生息が確認されているのは、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、群馬県のみである。

そのうち、東京都、神奈川県、埼玉県は同じ個体群と考えられる。

東京都を中心とした個体群は、大田区にある東京工業大学のイチョウ並木で集団ねぐらをとっており、一時は1,200から1,500羽ほどが利用していた。

しかし、ねぐらの隣接地で校舎の増築が行われ、ねぐらの木も剪定されるなどの影響があったため、長年使ってきたねぐらは現在使われておらず、近くの別のイチョウに移動している。

そのため、ねぐらを利用している個体数は不安定で、2010年の秋から冬にかけては800~900羽程度であった。

参考文献

最終更新日:2020-06-26 キノボリトカゲ

別名・方言名

ツキノワインコ

参考文献

  • 吉井正 2005 ワカケホンセイインコ, 吉井正(監修) 三省堂編修所 (編) 三省堂世界鳥名事典. 三省堂. 459~460.

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分類学的位置付け

インコ目 インコ科

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最終更新日:2020-06-26 キノボリトカゲ

人間との関係

ペットとして古くからもてはやされ、ヨーロッパではローマ時代の記録もある。日本にも古くから少数が輸入されていた。

参考文献

  • 吉井正 2005 ワカケホンセイインコ, 吉井正(監修) 三省堂編修所 (編) 三省堂世界鳥名事典. 三省堂. 459~460.

最終更新日:2020-06-26 キノボリトカゲ

形態

成鳥の形質

全身がほぼ黄緑色で、青緑色の長い尾をもつ。喉から頸・後頸にかけて桃色の輪をもつ。嘴は赤い。

参考文献

  • 吉井正 2005 ワカケホンセイインコ, 吉井正(監修) 三省堂編修所 (編) 三省堂世界鳥名事典. 三省堂. 459~460.

最終更新日:2020-06-26 キノボリトカゲ

生態

生息環境

公園や社寺林、屋敷林などの点在する緑地に生息し、緑地間を往来する。

基本的には森林と呼ばれるような奥深い緑地を好まない。

公園などの緑地でも主に林の縁を使う傾向がある。

東京都を中心とする個体群は、冬場は餌台に飛来することが多いため、人家の庭にも降りてくるが、基本的には高い場所を好み、あまり下に降りてくることはない。

水も、樹上の木のまたなどに溜まったものを利用している。

しかし、海外では地面でも採餌しているようで、群馬県や 千葉県でも、畑などへの飛来が観察されている。

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食性

食物は植物質で、主に木の芽や実を食べる。

これまでの記録では、イチョウやプラタナス、ハルニレなどの新芽、サルスベリ、サクラ、クワ、ビワ、ヤマモモ、ヒマワリ、スギ、ナツツバキ、ケヤキ、ムクノキ、カキ、シラカシ、アキニレ、ハゼ、 カラスザンショウなどの実、ニセアカシアやユリノキなどの花、梅の花芽などを食べているのが観察されている。

また、サクラが咲く頃にはサクラに集中して飛来し、花を落としている姿を見かける。

花柄を食べているようには見えないので、スズメと同じで蜜を舐めているのではないかと思われるが、スズメと比べるとひとつの花をちぎって捨てるまでの時間がすこぶる速く、とても味わっているようには見えない。

このほか、松葉菊の花や葉を食べているという報告が複数ある。

葉が肉厚のため、好まれるのかもしれない。

冬場は餌台に飛来し、ヒマワリの種やリンゴなどを好んで食べる。

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鳴き声

キュアキュアなどとよく通る大きな声で鳴く。

生息地でも、飛んでいるときでもよく鳴くため、姿よりも声で生息を知ることが多い。

雌が雄に餌をねだるときはキュゥ、キュゥと甘えた声を出す。

参考文献

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特徴的な行動

営巣環境はムクドリと似ており、樹洞やキツツキの穴、建造物に空いた穴のほか、巣箱も利用する。

穴は大きなものを使うこともあるが、基本的には自分がギリギリ入れるぐらいの穴を好む。

本種は穴の入り口などを嘴で削る習性があるため、巣箱のような板であれば、自分で穴を広げて適度な大きさにしてから利用する。

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種・分類一覧