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オオコノハズク(Otus bakkamoena lempiji)の分類 コノハズク属(Otus)
オオコノハズク(Otus bakkamoena lempiji)の概要 Otus bakkamoena

オオコノハズク(Otus bakkamoena lempiji)

【 学名 】
Otus bakkamoena lempiji (Horsfield, 1821)

基本情報

大きさ・重さ

・嘴峰:14~17 mm
・全嘴峰:21~24 mm
・翼長:雄 157~182 mm 雌 162~185 mm  
・跗蹠:30~37 mm
・尾長:雄 71~98 mm 雌 77~100 mm 
・体重:150~160 g
・卵:長径 35~39.7 mm×短径 28.3~32 mm 平均長径 37.5 mm×短径 30.2 mm 重量 18.2 g位

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最終更新日:2020-06-11 キノボリトカゲ

分布

旧北区、東洋区。ユーラシア大陸東部のウスリーからインド、東南アジアに分布する。

日本では北海道から沖縄まで、ほぼ全土で留鳥であるが、あまり多くは見られない。

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分類学的位置付け

フクロウ目 フクロウ科

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人間との関係

中国ではリュウマチの薬として本種を用いられた。

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形態

成鳥の形質

雄雌同色。額、頭上、後頭、後頸は赤錆色を帯びた暗褐色で、各羽には黒色の軸斑と黒色の大理石様の斑紋がある。

頭上と後頭は黄味がかった赤錆色で、羽縁には黒色の羽からなる横縞が1,2条ある。

後頸の各羽は赤錆色を帯びた白色で、羽縁は黒色で幅の広い頸輪をなしている。

眼先は白色で、羽端は赤錆色を帯びた褐色と黒色で、羽軸は黒色を呈し、毛の様な羽毛である。

羽角は長さ 34 mm位で、色は頭上とほぼ同様であるが、各羽の内弁は赤錆色を帯びた白色で、黒色の大理石様の斑がない。

顔盤は赤錆色を帯びた暗褐色で、黒色と褐白色との斑点があり、顔盤の周辺の羽の羽端は黒色である。

嘴は赤錆色を帯びた白色で、黒色の幅の広い軸斑と黒色の横縞とがあり、喉の両側の各羽は赤錆色を帯びた白色で、羽端には黒色の幅の広い縁がある。

背、肩羽は頭上と同様、胸の中央は白色または赤錆色を帯びた白色、胸側と腹は赤錆色を帯びた白色で、各羽には黒色の幅の広い軸斑と同色の大理石様の斑紋がある。

腰、上尾筒は赤錆色を帯びた暗褐色で、暗褐色の大理石様の斑紋がある。

下尾筒はわずかに赤錆色を帯びた白色で、黒色の斑紋が多少ある。下雨覆、腋羽は淡褐色を帯びた白色。

風切羽は暗褐色で、初列風切の外弁と内弁の羽端近くとには赤錆色を帯びた白色の幅の広い横縞が多数あり、そのそれぞれの横縞には暗褐色の大理石様の斑紋が更にある。

しかし内弁の基部近くではこの横縞は不明瞭である。

次列風切と三列風切では、この横縞にある大理石様の暗褐色の斑が、初列風切のものより著しく密在している。

初列風切の第1羽は第8羽よりも短く、ときには第9羽と同長である。

第4羽と第5羽とはほどんど同長で、かつ最長である。大、中、小雨覆、初列雨覆、小翼羽は赤錆色を帯びた暗褐色で、各羽には黒色の軸斑と黒色の大理石様の斑紋とがある。

尾は赤錆色を帯びた褐色で、暗褐色の大理石様の斑紋があり、不明瞭な暗褐色の幅の広い横帯が多数ある。

嘴色は緑色を帯びた褐色で、先端は褐色、蝋膜はオリーヴ褐色、虹彩は赤錆色を帯びた黄色、脛、跗蹠、趾には羽毛があり、赤錆色をわずかに帯びた淡褐色で、黒色の斑がある。

爪は褐色または淡褐色。

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幼鳥の形質

【雛】
孵化直後の雛は白色の綿羽が全身に生えている。

【幼鳥】
体羽全部、特に頭・脛・背の羽毛は柔軟にして綿羽状を呈している。

しかし体羽はすべて灰白色と淡い暗褐色または淡い暗バフ褐色との横縞を有する。

この縞は頭・顔盤・背面・脚は狭く、また縞の分布は胸・腹の場合やや粗い。額・腮と成鳥の新月形斑に当たる所は白色を帯びている。

翼と尾は成鳥と区別しがたいが、多少淡色で、虫蠧斑が多い傾向がある。

【第1回冬羽】
幼鳥は幼羽の完成とほとんど同時にさらに体羽と雨覆(初列雨覆を除く)の換羽に入り、これらをことごとく更新して第1回冬羽となる。

新たに生じた羽色は成鳥冬羽と同様で、風切の摩耗も大きくないためこの羽衣と成鳥との区別は困難といわれている。

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卵の形質

卵は純白色で斑紋を欠いている。

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生態

生息環境

夏季は標高 500 mから 1000 m位の低地や低山帯のいろいろなタイプの樹林にすみ、常緑広葉樹林、落葉広葉樹林、針葉樹林、竹林、大きい木のある公園、社寺林などに現れる。

日中は茂った針葉樹の中で休息する。冬季には市街の庭園や公園にある疎林にも生息する。

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食性

夜行性。採食行動など詳しい記載はない。

バッタ、キリギリス、ハサミムシなどの昆虫、ネズミ、モグラなど小哺乳類、スズメ、ホオジロなどの小鳥、またトカゲ類、カエル類などを食べる。

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ライフサイクル

繁殖期は5~7月。巣は洞穴借用型で、樹洞、巣箱を利用する。人家の軒下を使った例もある。内装はない。

1巣卵数は4~5個ぐらいで、雌のみが抱卵し、雄は雌に餌を運ぶ。抱卵期や育雛期など詳しい記載はない。雛は白い幼綿羽に覆われる。

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鳴き声

5月から6月頃夕暮から夜間にかけてポスカス、ポスカスまたはポウ、ポウ、ポウ、ポウと啼き立てる。

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特徴的な行動

単独または番で生活する。行動圏やなわばり分散についての記録はない。

雄はウオッウオッというさえずりをするが、アオバズクのように頻繁に鳴くことはない。

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その他生態

昼間は杉、檜などの樹葉の茂みの間にとまってじっと睡り、目を閉じて木の瘤の様に静止し、人に発見されても中々飛び立たず、嘴でカツカツと音を立てて威嚇するだけである。

夕暮れから夜間にかけて活動し、飛翔時には羽音のしないのを利用して樹間に睡る小鳥を襲撃してこれを啄み、嚥下した後に不消化物だけをペリットとして吐き出すのが常である。

単独または雄雌で生活することが多い。

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種・分類一覧