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- オオトウゾクカモメ(Stercorarius maccormicki)について

オオトウゾクカモメ(Stercorarius maccormicki)
- 【 学名 】
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Stercorarius maccormicki H. Saunders, 1893
基本情報
- 大きさ・重さ
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・嘴峰:45~53 mm
・翼長:355~420 mm
・跗蹠:56~65 mm
・尾長:138~158 mm
・卵:長径 65~78.8 mm×短径 47.7~52 mm
参考文献
最終更新日:2020-07-15 キノボリトカゲ
- 分布
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大部分は亜南極海域で繁殖・回避するが、少数の個体群は北大西洋で繁殖し、赤道以北の大西洋を回避する。
北の個体群は亜南極に生息する個体群の一部が放浪飛行によって北上し、最近になって北半球に定着したものと考えられている。
南極圏で繁殖したものが、春に日本近海に北上し、南半球が冬になる5~7月に本州の太平洋岸沖や北海道の沖合で見られるが、数はあまり多くない。
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最終更新日:2020-07-15 キノボリトカゲ
形態
- 成鳥の形質
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【雄雌】
頭部・頸は灰褐色で、各羽には黄味がかった淡赤錆色の縁がある。
翕は暗褐色で、各羽には黄味がかった淡赤錆色の縁と淡褐色の羽軸がある。
肩羽は暗灰褐色で、各羽軸は淡褐色、背・腰・上尾筒は暗褐色で、各羽縁は淡色である。
胸・腹・脇は灰褐色で、上胸と脇の各羽には黄味がかった淡赤錆色の縁があり、下腹と下尾筒は暗灰褐色で、各羽には淡色の縁がある。
下雨覆・腋羽は暗褐色。初列風切・次列風切は黒褐色で、外弁の基部と内弁の基半部は白色、羽軸は黄白色で、先端は黒褐色を呈している。
次列風切の白色部は大雨覆に覆われ外部から全く見えない。
三列風切、大・中・小雨覆、初列雨覆、小翼羽は暗褐色であるが、雨覆羽の各羽には淡色の縁がある。
尾は暗褐色で、基部は白色である。羽軸は白色で、基部は黄白色を呈している。
嘴色尾は黒色、虹彩は暗褐色、脚色は黒色で、跗蹠の前端にはコバルト色を帯びた青白色の斑がある。
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最終更新日:2020-07-15 キノボリトカゲ
生態
- 生息環境
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外洋性の海鳥で、繁殖期以外は沖合に生息することが多く、海岸や内陸で記録されることはごくまれである。
繁殖期には沿岸にやってきて、草地に浅い窪みを掘って巣とする。
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最終更新日:2020-07-15 キノボリトカゲ
- 食性
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カモメ類、ミズナギドリ類、アジサシ類、カツオドリ類などを襲って食物を吐き出させ、それを食べる習性があり、これらの鳥に狙いをつけ、空中でホバリングしたり、急降下したり、しつこく追い回したりと巧妙な飛び方をする。
主に魚類を食べるが、餌種は小型の哺乳類、海鳥、昆虫などと幅広く、ペンギンのルッカリー(集団繁殖地)を集団で襲い、雛や卵なども略奪する。また、魚類や鳥類、哺乳類の死肉もよく食べる。
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最終更新日:2020-07-15 キノボリトカゲ
- 鳴き声
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ミズナギドリなどを襲うときには、飛びながらグァー、グァーまたはスクワ―、スクイアー、あるいはフィーッ、フィーッなどと凄まじい声で啼くことが多いが、常にはあまり聞かない。
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最終更新日:2020-07-15 キノボリトカゲ
- 特徴的な行動
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イギリス北部では年に1回、5~8月、一夫一妻で繁殖する。1巣卵数は2個、3日おいて第2卵を産む(Cramp & Simmons, 1983)。
雌雄交替で初卵の産下日より26~32日抱卵する。
雌雄共同で育雛し、雛は40~51日で巣立つが、巣立ち後更に20日ほど親の給餌を受ける(Cramp & Simmons, 1983)。
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最終更新日:2020-07-15 キノボリトカゲ
- その他生態
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基本的には一夫一妻で繁殖するが、ニュージーランドとインド洋マリオン島で繁殖するオオトウゾクカモメは一妻二夫で繁殖することが知られている(Cramp & Simmons, 1983)。
小規模なコロニーをつくって繁殖し、番は狭いなわばりを構えて分散する。
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最終更新日:2020-07-15 キノボリトカゲ