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シロハラ(Turdus pallidus)の分類 Turdidae
シロハラ(Turdus pallidus)の概要 Turdus

シロハラ(Turdus pallidus)

低危険種 (LC or LR/lc)

【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種

【 学名 】
Turdus pallidus Gmelin, 1789

基本情報

大きさ・重さ

・嘴峰:19~22 mm
・翼長:116~134 mm  
・跗蹠:29~33 mm
・尾長:84~106 mm 
・体重:67~77 g
・卵:長径 25~32 mm×短径 19.5~20.4 mm

参考文献

最終更新日:2020-06-15 キノボリトカゲ

分布

旧北区。ウスリー・アムールで繁殖し、中国南部、東南アジア、スマトラ島で越冬する。

日本には冬鳥として渡来し、北海道から屋久島まで積雪の少ない地方で越冬する。

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学名の解説

小種名は淡蒼色という意味。

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分類学的位置付け

スズメ目 ツグミ科

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最終更新日:2020-06-15 キノボリトカゲ

形態

成鳥の形質

【雄】
額、頭上、後頭、後頸は赤錆色を帯びた灰オリーヴ褐色で、額は赤錆色が強い。

眼先、耳羽は暗灰色、喉、腮、頬は灰色で、腮の先端の部分と下嘴の基部には白色の小斑があり、頬は淡褐色を帯びている。

背、肩羽、腰、上尾筒は赤錆色を帯びたオリーヴ褐色で、上尾筒の先端の部分は灰色を帯びている。

胸は淡褐色を帯びた灰色、腹は白色、脇は赤錆色を帯びた淡褐色、下尾筒は白色で、各羽縁はオリーヴ褐色である。

風切羽は暗褐色で、初列風切、次列風切には灰鼠色の外縁があり、次列風切の内側のものは外縁の基部近くが赤錆色を帯びたオリーヴ褐色である。

三列風切は赤錆色を帯びたオリーヴ褐色である。大、中雨覆は暗褐色で、各羽端は灰鼠色、小雨覆は赤錆色を帯びたオリーヴ褐色である。

初列雨覆、小翼羽は暗褐色で、灰鼠色の外縁がある。下雨覆、腋羽は灰白色。

尾は石盤色で、外側の2対の尾羽には内弁の先端に白色の大きな斑があり、次の1対にも同様の白色斑があるが、形は極めて小さい。

嘴色は褐色、下嘴の基部は黄褐色、虹彩は褐色、脚色は淡褐色、脛羽は灰オリーヴ褐色。

【雌】
額、頭上、後頭は雄のように灰色を帯びず、眼先、耳羽は灰褐色、腮、喉は白色で、褐色の小軸斑があり、喉の両側はオリーヴ褐色を帯びている。

胸は赤錆色を帯びたオリーヴ褐色である。

初列風切、次列風切の外縁は赤錆色を帯びたオリーヴ褐色で、次列風切の内側のものは外縁の基部近くが赤錆色を帯びている。

大、中雨覆は赤錆色を帯びたオリーヴ褐色である。

尾はオリーヴ褐色で、外側の2対の尾羽の内弁の先端には白色の大きな斑がある。ほかは雄と同様である。

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最終更新日:2020-06-15 キノボリトカゲ

幼鳥の形質

【幼鳥 冬羽】
背面の地色は雌成鳥よりも赤味勝ちで、各羽は薄黒い縁と先で少し広がった赭バフ色の軸斑とを有する。

雨覆はバフ色の三角形斑を有する。上胸と脇は赭バフ色で、各羽は黒色斑または黒色縁を有する。

【第1回冬羽】
幼鳥の秋季の換羽は十分明らかになっていないが、体羽全部・大雨覆・中雨覆・小雨覆・三列風切を換羽することは確かのようである。

この羽衣は雌成鳥に酷似するが、喉には褐色の縦斑が多く、胸と脇はオリーヴ褐色に富み、大雨覆の先には淡色の縁がある。

なおこの羽衣のものには眉斑の比較的明瞭なものが多い。

【第2回冬羽】
幼鳥は第2年の秋季の全身の換羽で成鳥冬羽となるが、この際生じる羽毛はまだ第1回冬羽と成鳥との中間の色のものは多いらしく、完全な成鳥の羽色は、おそらく第3年の秋季、またはその以後の換羽で生ずるものと思われる。

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卵の形質

卵は淡緑青色の地に赤褐色と灰鼠色の大小さまざまの斑点が散在する。

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生態

生息環境

本邦には旅鳥または冬鳥として渡来し、平地および山地の雑木林、灌木林に生息するが、ときには亜高山帯の針葉樹林に生息することもある。

秋冬の候には市街の庭園や公園にも飛来する。

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食性

植物質では薔薇科のノイバラ、サルトリイバラ、ナナカマドの漿果、鼠李科のクマヤナギ、クロウメモドキの核果、葡萄科のノブドウの漿果、松杉科のネズ、クロマツの種子、楡科のエノキの核果、山茶科のサカキの漿果、槭樹科のモミジの種子などを摂り、動物質では昆虫類の鞘翅目(例えばツチハンミョウ、アトマルゴミムシ、コメツキムシ)、革翅目(例えばハサミムシ)、鱗翅類(例えばヤガの幼虫)、蛛形類真正蜘蛛目の蜘蛛、多足類のムカデ綱などを食物とする。

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鳴き声

樹梢にとまってキョロ、キョロ、キョロ、キョロンキョロンとアカハラに類似した声で盛んに囀る。

警戒時にはキョッ、キョッと啼き、飛び立つときには鋭い声でシィ―と啼く。

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その他生態

飛翔そのほかの動作はアカハラに酷似する。

夏季は雄雌で生活し、渡りのときには夥しい数で群棲するが、冬期は単独のことが多い。

両脚を交互にして地上を跳ね歩きつつ餌を漁る。アカハラより警戒心が強い。

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最終更新日:2020-06-15 キノボリトカゲ

種・分類一覧