- 解説一覧
- ゴジュウカラ(Sitta europaea)について
ゴジュウカラ科(Sittidae)
ゴジュウカラ属(Sitta)
ゴジュウカラ(Sitta europaea)
低危険種 (LC or LR/lc) 【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種
- 【 学名 】
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Sitta europaea Linnaeus, 1758
基本情報
- 大きさ・重さ
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・嘴峰：14～19.5 mm
・翼長：73～86 mm
・跗蹠：16.8～20 mm
・尾長：35～47 mm
・体重：18～21 g
・卵：長径 18～20.4 mm×短径 14～14.6 mm、平均長径 19.8 mm×短径 14 mm、重量 1.8～2 g
参考文献
- 清棲幸保 1955 ゴジュウカラ, 清棲幸保（著） 日本鳥類大図鑑Ⅱ. 講談社. 159-161.
最終更新日：2020-06-25 キノボリトカゲ
- 分布
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旧北区。ユーラシア大陸に分布する。日本では北海道、本州、四国、九州に留鳥である。
参考文献
- 中村登流 1995 ゴジュウカラ, 中村登流、中村雅彦（著） 原色日本野鳥生態図鑑：陸鳥編. 保育社. 123.
最終更新日：2020-06-25 キノボリトカゲ
- 亜種・品種
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イギリスやヨーロッパ西部の亜種 S. e. casia は喉が白く、胸以下の下面は淡赤褐色、脇は濃色、眉斑はない。
ロシアから北東アジア・北海道まで分布する亜種シロハラゴジュウカラ S. e. amurensis は白い眉斑をもち、下面は白いが、脇と下尾筒の赤褐色部が大きい。
九州と四国のみに分布する亜種キュウシュウゴジュウカラ S. e. roseilia は上面がやや濃く、胸以下の下面は黄褐色で、脇と下尾筒の赤褐色も色が濃い。
参考文献
- 吉井正 2005 ゴジュウカラ, 吉井正（監修） 三省堂編修所 （編） 三省堂世界鳥名事典. 三省堂. 224.
最終更新日：2020-06-25 キノボリトカゲ
- 分類学的位置付け
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スズメ目 ゴジュウカラ科
参考文献
- 吉井正 2005 ゴジュウカラ, 吉井正（監修） 三省堂編修所 （編） 三省堂世界鳥名事典. 三省堂. 224.
最終更新日：2020-06-25 キノボリトカゲ
形態
- 成鳥の形質
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雌雄同色。額の前端は汚白色で、頭上、後頭、後頸は青味を帯びた鼠色である。
鼻孔の基および眼先から頸側まで黒色の過眼線が走り、この線の上に細く不明量な白色の眉斑がある。
腮、喉、耳羽、頬、頸側は白色またはクリーム白色である。
背、肩羽、腰、上尾筒は青味を帯びた鼠色で、胸、腹は白色またはクリーム白色で、下腹は淡黄土色、脇は栗色、下尾筒は白色で各羽の基部と両縁は栗色である。
下尾筒の外側のものは内弁の基部が淡灰色である。
風切羽は暗褐色で、初列風切の第3羽から第5羽まではその基半部の外縁に青味を帯びた鼠色の細い縁があり、各羽の基部は白色である。
次列風切には青味を帯びた鼠色の細い縁があり、三列風切は全体が青味のある鼠色を帯びている。
大雨覆、初列雨覆、小翼羽は青味のある鼠色を帯びた暗褐色である。
中、小雨覆は青味を帯びた鼠色である。尾は中央の1対は青味を帯びた鼠色で、次の2対は黒色で、羽端に青味を帯びた鼠色の斑がある。
次の2対は同様であるが。内弁の先端近くには白斑があり、この斑は外側の尾羽のものの方が大きい。
最外側の尾羽もこれと同様であるが、そのほかに外弁に白斑がある。
下雨覆は黒色、腋羽は灰色である。嘴色、上嘴は黒色、下嘴は黒角色で、基部は角色。
嘴毛は黒色、虹彩は暗褐色、脚色は褐色。
参考文献
- 清棲幸保 1955 ゴジュウカラ, 清棲幸保（著） 日本鳥類大図鑑Ⅱ. 講談社. 159-161.
最終更新日：2020-06-25 キノボリトカゲ
- 幼鳥の形質
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【幼鳥】
成鳥に似ているが、背面の羽毛は基部が白く先端は暗色なので、成鳥のように一様に青味を帯びた鼠色ではない。
黒色の過眼線ははっきりしているが、眉斑は不鮮明。尾羽および風切は黒味勝ちである。
腮、喉、胸は土色を帯びた汚白色。腹および脇は汚バフ色。下尾筒は成鳥と同じ。
【第1回冬羽】
幼鳥は7月から8月に体羽・小雨覆・中雨覆のみを換羽して第1回冬羽となる。
【第2回冬羽】
幼鳥は第2年の秋季の換羽により、風切と尾羽を全部行進して成鳥冬羽となる。
孵化直後の雛は肉色の裸体のままで、暗灰色の長い初毛が眼の上、後頭、上膊、背などの羽域に疎生する。
口中は暗肉色、口角縁は白色である。
参考文献
- 清棲幸保 1955 ゴジュウカラ, 清棲幸保（著） 日本鳥類大図鑑Ⅱ. 講談社. 159-161.
- 山階芳麿 1980 ゴジュウカラ, 山階芳麿（著） 日本の鳥類と其生態Ⅰ. 出版科学総合研究所. 346-349.
最終更新日：2020-06-25 キノボリトカゲ
- 卵の形質
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卵は白色の地に淡紫色と赤褐色との微細な小斑点が散在するが、斑点は鈍端の方が密在するのが常である。
参考文献
- 清棲幸保 1955 ゴジュウカラ, 清棲幸保（著） 日本鳥類大図鑑Ⅱ. 講談社. 159-161.
最終更新日：2020-06-25 キノボリトカゲ
生態
- 生息環境
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低山帯上部から亜高山帯にかけての森林にすむ。
ハルニレ、ブナ、ミズナラなどの落葉広葉樹林や、カラマツ、ダケカンバ、シラビソ、コメツガなどの亜高山針葉樹林や針広混交林にすみ、大きい樹木の多い森林や枯死木のある森林を好む。
自然林や原生林に多い。
参考文献
- 中村登流 1995 ゴジュウカラ, 中村登流、中村雅彦（著） 原色日本野鳥生態図鑑：陸鳥編. 保育社. 123.
最終更新日：2020-06-25 キノボリトカゲ
- 食性
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森林内の樹木の幹、大枝で採食する。
樹皮面を上下左右に自在に走り回り、たいていはジグザグに移動しながら、樹皮の割れ目、枝の分れ目、枯れ枝の折れ口などに隠れている虫を探す。
枯れ枝やコルク片などにくちばしを叩きつけて、破壊してとり出すこともする。
昆虫、クモ類などを食べるが、秋には樹木の種子や果実も食べる。
とくに針葉樹やブナなどの種子を貯える習性があり、樹木の幹や大枝の割れ目や枯死部に詰め込むようにし、その上に木片などでふたをして隠す。
参考文献
- 中村登流 1995 ゴジュウカラ, 中村登流、中村雅彦（著） 原色日本野鳥生態図鑑：陸鳥編. 保育社. 123.
最終更新日：2020-06-25 キノボリトカゲ
- ライフサイクル
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繁殖期は4～7月、一夫一妻で繁殖する。巣は樹洞やキツツキの古巣などにつくる洞穴借用型で、巣箱も利用する。
内部を掃除したり、ほじくったりし、また、入り口などは泥を使って小さくしたりする。
参考文献
- 中村登流 1995 ゴジュウカラ, 中村登流、中村雅彦（著） 原色日本野鳥生態図鑑：陸鳥編. 保育社. 123.
最終更新日：2020-06-25 キノボリトカゲ
- 鳴き声
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警戒時などにはチュウイ、チュウイ、チュウイ、チュウイと啼き立てる。
4月から5月までの真の囀鳴期（例えば乗鞍山冷泉小屋附近：標高2240m：29/IV 1933 清棲確認）にはオオシラビソや山毛欅の見通しのよい高い梢にとまり、四方を眺めつつフィ、フィ、フィ、フィと繰り返し繰り返し、小禽類とは思われない高い声で、山々に響き渡る様に囀り続ける。
囀鳴期を過ぎても時折りはフィ、フィ、フィ、フィまたはピィ、ピィ、ピィ、ピィと小声で囀ることがある。
参考文献
- 清棲幸保 1955 ゴジュウカラ, 清棲幸保（著） 日本鳥類大図鑑Ⅱ. 講談社. 159-161.
最終更新日：2020-06-25 キノボリトカゲ
- 特徴的な行動
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単独か番で行動し、同種だけで群れはつくらずカラ類などの混類に入る。
強いなわばり性があり、行動圏は 12 haぐらい（六川, 1975）。
雄は木の梢など高いところでさえずり、フイ、フイ、フイ、フイと聞こえる。
対立のときにはピョッ、ピョッ、ピョッ、ピョッと叫ぶ。さえずりは早春の2～3月ごろから始まる。
参考文献
- 中村登流 1995 ゴジュウカラ, 中村登流、中村雅彦（著） 原色日本野鳥生態図鑑：陸鳥編. 保育社. 123.
最終更新日：2020-06-25 キノボリトカゲ
