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コガラ(Poecile montanus)の分類 シジュウカラ科(Paridae)
コガラ(Poecile montanus)の概要 コガラ属(Poecile)

コガラ(Poecile montanus)

低危険種 (LC or LR/lc)

【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種

【 学名 】
Poecile montanus (Conrad von Baldenstein, 1827)

基本情報

大きさ・重さ

・嘴峰:8~10.5 mm
・翼長:60~68 mm  
・跗蹠:16~17 mm
・尾長:49~58 mm 
・体重:10~11 g位
・卵:長径 16.5~17.5 mm×短径 12.2~12.8 mm 平均長径 17.2 mm×短径 12.6 mm 重量 1.3 g

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最終更新日:2020-06-12 キノボリトカゲ

分布

旧北区。ユーラシア大陸の中緯度地方を横断するように、温帯と亜寒帯に分布する。日本では北海道、本州、四国、九州に留鳥として繁殖する。

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和名の解説

西日本では1930年代まで和名がヒガラと混用されていたため、古い文献では注意が必要。

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亜種・品種

亜種コガラ P. m. restrictus 、カラフトコガラ P. m. sachalinensis 。

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分類学的位置付け

スズメ目 シジュウカラ科

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人間との関係

西行法師「並びゐて友を離れぬこがらめの塒に憑しひの下枝」。俳句では秋の季語で、大島蓼太「朝凪や小雀のとまる標澪」。

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形態

成鳥の形質

雄雌同色。額、頭上、後頭、後頸は無光沢の褐色を帯びた黒色である。

腮、喉は無光沢の黒褐色で、各羽端は白色、眼先、耳羽、頬、頸側は白色である。

背、肩羽、腰、上尾筒は灰褐色。胸、腹、脇、下尾筒は白色で、脇、下腹、下尾筒などは淡褐色を帯びたクリーム色である。

風切羽は暗褐色で、初列風切と次列風切には灰白色の細い縁があり、内弁は汚白色である。

三列風切には灰褐色を帯びた灰白色の羽縁があり、大雨覆は暗灰色で、同様の羽縁がある。

中、小雨覆は灰褐色、初列雨覆と小翼羽は暗灰色で、灰白色の羽縁がある。

尾は暗灰色で、灰白色の外縁がある。下雨覆、腋羽は白色。嘴色は黒角色で、虹彩は暗褐色。脚色は鉛灰色、脛羽は白色。

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幼鳥の形質

孵化直後の雛は肉色の裸体のままで、灰褐色の長い初毛が目の上、後頭、上膊、背などの羽域に疎生する。

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卵の形質

卵は白色の地に淡紫色と淡赤褐色との微小な斑点が散在し、斑点は鈍端の方に密在する。

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生態

生息環境

低山帯上部から亜高山帯の落葉広葉樹林、針葉樹林、針広混交林にすみ、北海道では針葉樹林に多い。

とくに枯れ木が多い原生林や湿地の周辺の林を好む。

夏季本州中部の北アルプス地方では標高 900 m位から 2400 m位までの森林限界迄の森林に生息し、特に 1500 m以上の亜高山帯のシラベ、トウヒ、コメツガ、オオシラビソなどの針葉樹林や岳樺、山毛欅などの落葉濶葉樹林、唐松林などに多い。

峡谷や奥山にも生息する。

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食性

樹林内の中・下層部で採食する。主として樹林の内部で幹や枝、あるいは低木や藪の枝などの枯死部で餌を探す。

とくに藪の枯れた小枝にぶら下がって採食することが多い(中村, 1970)。

枝の枯死部にしっかりつかまり、しばしば逆さに止まってくちばしを打ち込み、ノミで溝を掘るようにほじくり、甲虫の幼虫などをとり出す。

そのほかにもクモ類、アオズムカデ、ゾウムシ、ハエなども採食。

秋には草や樹木の種子・小果実を食べるが、これらを大量に樹木の中・下層部の幹の割れ目に貯える。

アブラムシを数匹つぶした肉だんごも貯える(中村, 1970)。

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ライフサイクル

繁殖期は5~7月ごろ、一夫一妻で繁殖する。巣は枯れ木や枯れ枝に樹洞を掘ってつくるが、枯れ木では地上 1~6 mぐらいのものを選ぶ。

雄が、穴掘りの部分を示すディスプレイをする。

穴掘りは雌雄協力して行い、樹洞が完成すると雌だけでゼンマイの毛や獣毛などで産座をつくる。

この間、雄は雌につききりである。1巣卵数は5~9個、抱卵は雌のみが行い、抱卵日数は13~15日。

育雛は雌雄で行い、雛は14~15日で巣立つ。

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鳴き声

チチ、チィー、チィー、チィー、チィーと地啼きし、チチ、ジゥー、ジゥー、ジゥー、ジゥー、ジゥーと小声の警戒の啼きをする。

囀声は可憐な声で静かにフチ―、フチ―、フチ―、フチ―、フチ―と囀り、次第に後の方ほど調子が高い。

群れているときにはチチ、チイ、チイ、チイ、チイ、チチピー、チチピーと啼く。囀鳴期は4月から6月頃までである。

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特徴的な行動

繁殖期には強いなわばりをもって分散する。

行動圏は広く約 1.2 haで、冬により広がり約 2 haになる(中村, 1975)。

冬は小群になることもあるが、単独か番ですごすことが多く、しばしば隣接者と境界の争いをする。

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その他生態

蕃殖期には雄雌で生活し、そのほかの時季には単群かまたはヒガラ、シジュウカラ、コゲラなどと混群をなしていることが多い。

樹上生活が主で、森林の梢や下生えの灌木などにとまり、小枝の先端にぶら下がったり、幹をよじ登ったりして餌を捜し求め、嘴でコツ、コツ幹を打って虫をついばむこともある。

ときには地上に降りて跳ね歩いたり、または水飲みしたりすることもある。

飛翔時には翼を烈しく羽搏いて、森の中を梢から梢にわたり歩くことが多い。

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種・分類一覧