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エゾセンニュウ(Locustella fasciolata)の分類 センニュウ科(Locustellidae)
エゾセンニュウ(Locustella fasciolata)の概要 センニュウ属(Locustella)

エゾセンニュウ(Locustella fasciolata)

低危険種 (LC or LR/lc)

【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種

【 学名 】
Locustella fasciolata (G. R. Gray, 1861)

基本情報

大きさ・重さ

・嘴峰:16~18.5 mm
・翼長:72~86 mm
・跗蹠:26~29 mm
・尾長:62~75 mm
・卵:長径 21~24 mm × 短径 15.2~17.6 mm 平均長径 22.5 mm × 平均短径 16.7 mm 重量 2.4~3 ℊ位

参考文献

  • 清棲幸保 1955 エゾセンニュウ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅰ. 講談社. 260-261.

最終更新日:2020-05-29 キノボリトカゲ

分布

旧北区。ユーラシア大陸の中緯度地方頭部のバイカルからウスリーにかけて繁殖分布し、冬はフィリピンからニューギニア島にかけてすごす。

日本には北海道に夏鳥として渡来し、繫殖する。本州以南では旅鳥として現れる。

参考文献

  • 中村登流 1995 エゾセンニュウ, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. 208.

最終更新日:2020-05-29 キノボリトカゲ

学名の解説

種小名は小帯斑の意味

参考文献

  • 吉井正 2005 エゾセンニュウ, 吉井正(監修) 三省堂編修所 (編) 三省堂世界鳥名事典. 三省堂. 73.

最終更新日:2020-05-29 キノボリトカゲ

分類学的位置付け

スズメ目 ウグイス科

参考文献

  • 吉井正 2005 エゾセンニュウ, 吉井正(監修) 三省堂編修所 (編) 三省堂世界鳥名事典. 三省堂. 73.

最終更新日:2020-05-29 キノボリトカゲ

形態

成鳥の形質

【雄】
額・頭上・後頭・後頸はオリーブ褐色で、眼の上は夏季は淡灰色、秋季は淡黄褐色の細く短い眉斑がある。

耳羽は褐色で、羽軸は白色である。腮・喉は白色で、下喉は淡灰色を帯びている。

上背はオリーブ褐色、下背・肩羽・腰・上尾筒は赤錆色を帯びた褐色である。

上胸は夏季は灰色を帯び、秋季はオリーブ色を帯び、下胸・腹は白色、脇は黄色を帯びたオリーブ褐色、下尾筒は淡黄褐色である。

下雨覆・腋羽・風切羽・大、中雨覆は暗褐色で、赤錆色を帯びた褐色の外縁がある。

小雨覆は赤錆色を帯びた褐色、初列雨覆・小翼羽は暗褐色で、赤錆色を帯びた褐色の羽縁がある。

尾は赤錆色を帯びた褐色である。嘴色は上嘴は暗褐色、下嘴は淡褐色、虹彩は暗褐色、脚色は淡褐色。

参考文献

  • 清棲幸保 1955 エゾセンニュウ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅰ. 講談社. 260-261.

最終更新日:2020-05-29 キノボリトカゲ

幼鳥の形質

【雛】
孵化直後の雛は肉色の裸体の儘で眼の上、後頭、上膊、背などの羽域にだけ灰褐色の長い初毛だけが生えている。

口内は濃黄色、口角は淡黄色、舌は濃黄色で基部に2黒点がある、嘴峰は蝋灰色、脚は黄味を帯びた淡紅色である。

【幼鳥】
背面の色は成鳥に酷似するがやや赤味に乏しく、頭上は暗色でかつ多少オリーブ色を帯びている。

翼と尾は成鳥と同じ。眉斑は黄バフ色。耳羽と頬にはバフ色とオリーブ色が混ざっている。

腮と喉の上部は帯バフ淡黄色で、各羽の先は淡いオリーブ色。下喉と胸はオリーブ色。腹の中央は淡黄色。腋はオリーブバフ色。下尾筒は濃バフ色。

【第1回冬羽】
幼鳥は秋季に換羽して成鳥に酷似した羽衣となる(範囲は詳しくわかっていないが、恐らく体羽・一部の雨覆と尾羽のみ)。

眉斑はバフ色を帯び、腮・喉・腹の成鳥で白色の部分は淡バフ色、胸と脇はバフ灰色、下尾筒はバフ色を呈する。

【第1回夏羽】
春季の換羽の有無は不明であるが、換羽の有無にかかわらず第1回冬羽とほとんど違いはない。

【第2回冬羽】
幼鳥は第2年秋季の全身の換羽で成鳥冬羽となる。しかし若いものは下面、特に下胸と脇がバフ色に富み、眉斑もバフ色を帯びるもののようである。

参考文献

  • 清棲幸保 1955 エゾセンニュウ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅰ. 講談社. 260-261.
  • 山階芳麿 1980 エゾセンニュウ, 山階芳麿(著) 日本の鳥類と其生態Ⅱ. 出版科学総合研究所. 138-142.

最終更新日:2020-05-29 キノボリトカゲ

卵の形質

卵は灰白色で、紫褐色、暗紫色などの微細な小斑点と灰鼠色の小斑点が散在し、斑点は鈍端の方に輪になって密在することが多く、鈍端の方に同色の毛のような線斑が散在するものもある。

参考文献

  • 清棲幸保 1955 エゾセンニュウ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅰ. 講談社. 260-261.

最終更新日:2020-05-29 キノボリトカゲ

生態

生息環境

繁殖地では河川のふちや湿腹のふちのオオイタドリなどの丈の高い草の茂みにすむ。

湿原縁のカバノキやハンノキなどの疎林のササ藪の中や、浅い谷間の崖崩れ後の草むらなどでも見られる。

参考文献

最終更新日:2020-05-29 キノボリトカゲ

食性

草むらの中を潜り歩きながら採食し、なかなか姿を見せない。ゾウビムシ、クチキムシなどの昆虫食である。

参考文献

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ライフサイクル

繁殖期は6~7月、番の関係はまだわかっていない。巣は、藪や草むらの中の地上 1~2 mぐらいの高さの枝に、イネ科の枯れ葉や茎を使って深い鉢形につくったり(井上, 1977)、あるいは地上の藪の根元につくる(ヴォロビョフ, 1978)。

1巣卵数は3~5個、雌のみが抱卵する(竹下, 1984)。抱卵期、育雛期などわかっていない。

参考文献

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鳴き声

主として夕暮れから夜間にかけてトッピンカケタカまたはピョロピーカケコキョ、ピョツピンカケタカなどと綺麗な声で、茂みの中や草むらの中で啼く。

昼間にも囀り、囀鳴の最盛期には夜間まで引き続いて囀る。

参考文献

最終更新日:2020-05-29 キノボリトカゲ

種・分類一覧