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- アカアシチョウゲンボウ(Falco amurensis)について

アカアシチョウゲンボウ(Falco amurensis)
【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種
- 【 学名 】
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Falco amurensis Radde, 1863
目次
基本情報
- 分布
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旧北区分布型。ユーラシア大陸極東部のウスリー、中国北東部で繁殖し、冬は南アフリカ東部に渡って過ごす。
日本は分布地や渡りのコースから離れており、めったに現れないまれな迷鳥だが、新潟県、石川県、長崎県などで記録がある。
参考文献
最終更新日:2020-05-26 キノボリトカゲ
- 学名の解説
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学名の Falco は「ハヤブサ類。鷹狩り用のタカ」を意味するラテン語、 amurensis は「アムール川流域地方の」の意味のラテン語。
参考文献
最終更新日:2020-05-26 キノボリトカゲ
形態
- 成鳥の形質
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雄は頭上から上面が灰黒色。下面は暗青灰色。下腹と下尾筒は赤茶色。蝋膜と眼の周囲および足が赤い。
翼下面は風切が黒くて下雨覆は白い。雌は頭上から上面が青灰黒色でひげ状の黒斑がある。
下面は淡い褐色で、黒い斑紋が縦に並んでいる。蝋膜と足は赤い。翼下面は白く、風切には黒色横斑がある。
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最終更新日:2020-05-26 キノボリトカゲ
- 幼鳥の形質
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上面が暗褐灰色で各羽には幅の広いバフ色の羽縁があり、下面は灰白色で一面に黒い斑紋(脇は横斑)がある。
白い眉斑および淡色の頭と、クリーム色の頬にはさまれた黒い眼帯は、細くて尖った頬ひげ模様とつながり、独特の顔立ちを作っている。
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最終更新日:2020-05-26 キノボリトカゲ
生態
- ライフサイクル
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繁殖期は5~7月。巣はカラスやカササギなどの古巣を使う。
1巣卵数は4~5個、抱卵は22~23日で雌が主であるが雄も抱卵。26~27日で雛は巣立つ。
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最終更新日:2020-05-26 キノボリトカゲ
- 活動時間帯
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夜明け直後にほとんど一斉に(わずか10分ほどの間に)塒を立つ。日中は集団で開けた土地の上を飛んで狩りをする。
日没後まもなく帰還し、塒の上空を長時間(30分から1時間)大群で旋回する。
ほぼ暗くなると塒に入るが、塒に入っても騒々しく金切り声で鳴きあい、夜中鳴き続ける。夜明け前はとくに騒々しい。
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最終更新日:2020-05-26 キノボリトカゲ
- 産卵
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営巣地は森のあるステップ、川縁の森、沼沢湿地にある広葉樹の森などであり、木のないステップや深い森は避けられる。
巣はウスリー地方では落葉樹にあり、モンゴル北東部ではカバの木、バイカル湖東北地方ではエゾマツ、マツ、カラマツにあり、他種の鳥(特にワタリガラス、中国ではカササギ)の古巣を利用する。
ただし、確固とした証明が必要だが、自身で巣を作ることもあるという。樹洞で営巣することもあるという。
帰還から約1か月後の6月初めに産卵を開始し、約48時間間隔に産み、6月中旬までに全卵がそろう。
1腹の卵数は普通3~5個で、例外的に6個のことがある。
参考文献
最終更新日:2020-05-26 キノボリトカゲ
- 子育て
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抱卵期間は約28~30日で、7月中旬に孵り始める。抱卵期および育雛期の雌雄の役割については報告がない。孵化から約1か月たった8月に巣立つ。
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最終更新日:2020-05-26 キノボリトカゲ
- その他生態
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越冬地では牧草地や休耕地など、開けた土地の上空、だいたい 50~100 mのところで、群れをなして昆虫類を捕獲する。
獲物は足で捕らえる。急降下したり、突進して空中で捕らえる場合と、急降下して地上に降りたり、地上をかすめるように飛んで捕らえる場合がある。
狩りをするときに、しばしばホバリングする。
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最終更新日:2020-05-26 キノボリトカゲ