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イカル(Eophona personata)の分類 アトリ科(Fringillidae)
イカル(Eophona personata)の概要 イカル属(Eophona)

イカル(Eophona personata)

低危険種 (LC or LR/lc)

【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種

【 学名 】
Eophona personata (Temminck & Schlegel, 1848)

基本情報

大きさ・重さ

・嘴峰:21~25 mm
・翼長:105~115 mm  
・跗蹠:22~23 mm
・尾長:72~86 mm 
・体重:63 g位
・卵:長径 24.4~27.2 mm×短径 18.3~19.5 mm 平均長径 26 mm×短径 19 mm位 重量 4.5 g

参考文献

  • 清棲幸保 1955 イカル, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅰ. 講談社. 45-46.

最終更新日:2020-06-12 キノボリトカゲ

分布

旧北区。中国東北部、ウスリー、朝鮮半島、台湾、日本に分布し、冬はやや南下して越冬するものが多い。

日本では九州・四国から北海道まで広い分布域をもち、山地の広葉樹林に多い。

参考文献

  • 中村雅彦 1995 イカル, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. 117.

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別名・方言名

斑鳩、豆回し、三光鳥

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分類学的位置付け

スズメ目 アトリ科

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形態

成鳥の形質

雄雌同色。額、頭上、眼先、嘴の基部、腮は藍光沢のある黒色、喉、耳羽、後頭、頸は灰褐色である。

背と胸は灰褐色、肩羽、腰、腹、脇、上尾筒は黄味がかった灰褐色で、上尾筒の先端の部分は藍光沢のある黒色である。

下尾筒、下雨覆、腋羽は白色。

初列風切は藍光沢のある黒色で、中央には幅 10 ㎜くらいの白色斑があり、次列風切は藍光沢のある黒色で、特に外弁は金属光沢が強い。

三列風切の内側の2対は黄味がかった灰褐色であるが、外側のものの外弁は藍光沢のある黒色で、内弁は黄味を帯びた灰褐色である。

大雨覆の内側の3対は黄味がかった灰褐色であるが、外側のものは藍光沢のある黒色である。

中、小雨覆、小翼羽は藍光沢のある黒色。尾は藍光沢のある黒色で、外側尾羽の内弁の基部は暗灰色である。

嘴色は黄色、基部は灰青色。虹彩は黒褐色、脚色は黄味を帯びた肉色。

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幼鳥の形質

【幼鳥】
額は帯褐白色。頭上は暗帯褐灰色。頸以下の背面は雌成鳥のような灰色。腰と上尾筒は灰白色。

ただし、最長の上尾筒は青色光沢ある黒色で先端に灰色斑がある。

尾羽は成鳥と同じであるが光沢が弱い。風切は成鳥と同じ。

内側の大雨覆と中雨覆は黒褐色で、先端が白く、小雨覆は暗灰色。眼先と嘴の周囲は狭く黒褐色。

下面はすべて汚灰色。下尾筒は白色。嘴は最初は褐色であるが、後には帯緑黄色となる。しかし上嘴の基部は褐色である。

【第1回冬羽】
幼鳥は秋季に初列雨覆・風切および尾羽を除き、全身を換羽して第1回冬羽となる。

新羽は成鳥冬羽と同様。

【第2回冬羽】
幼鳥は第2年の秋季の換羽で風切・尾羽などすべてを換羽して成鳥となる。

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卵の形質

卵は淡緑青色で、灰色と暗褐色又は黒褐色の斑点と曲線形の斑とがある。

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生態

生息環境

夏季本州の中部では標高 800 m位から 1200 m位にわたって生息する。

夏季富士山麓では落葉濶葉樹の原生林や唐松と落葉濶葉樹との針濶葉混淆疎林に生息し、北アルプス地方でも同様の林や赤松林に生息するが、富士山麓より比較的その数が少ない。

夏季栃木県上都賀郡日光及び塩谷郡塩原附近では標高 800 mから 1000 m位の楢、山毛欅などの落葉濶葉樹の原生林に多く、塩原では冬季にも留まっているものが多い。

本州北部の青森県上北群十和田湖附近では標高 600 m以下の山毛欅、桂、ホオノキ等の落葉濶葉樹の大原生林に生息する。

北海道では至る所の平地の針濶葉樹の混淆する原生林に多数生息する。

針葉樹の純林には生息せず、本州の亜高山帯の林や北海道のトドマツ、エゾマツなどの針葉樹林には生息しない。

秋季渡りのときには本州中部の山地の落葉濶葉樹林に群れをなして多数渡来するが、平地の林では比較的稀である。

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最終更新日:2020-06-12 キノボリトカゲ

食性

非繁殖期には、大きなくちばしで樹上あるいは地上に落ちたヌルデ、ハゼ、サクラ、カエデ、マツ、スギなどの木の実や種子を食べる。

マメ科のさや、蕎麦の実、ひまわりの種子などを、くちばしにはさんで巧妙に割ることができる。

繁殖期には鞘翅目、鱗翅目などの昆虫も食べる。

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ライフサイクル

繁殖期は5~7月、繁殖にさきがけて4~8羽ぐらいの小群をつくり、この群れの中から一夫一妻の番が形成されると思われる。

広葉樹の高さ 5~7 mぐらいの枝上に、小枝、枯れ草、コケ類を用いて椀形の巣をつくる。

1巣卵数は3~4個、雌だけが約2週間抱卵し、雄は1日は3~4回、抱卵中の雌に給餌する(丸山, 1975)。

雌雄ともさえずり、抱卵中の雌が出巣する際には雌雄のどちらかがさえずる。

雌雄共同で育雛し、雛が巣立つまでの約2週間、常にいっしょに給餌を行う(丸山, 1975)。

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鳴き声

キッキッまたはキョッ、キョッと鋭い声で地啼きし、キキ―、キコー、キーまたはキキ、キコ、キキキ―と澄んだ朗らかな声で囀り、月、日、星(ツキ―ヒーホシー)と聴こえる。

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特徴的な行動

秋季の渡りのときには10羽位の群をなし、夏季は雌雄で生活することが多い。

樹上生活が主であるが、ときには地上で跳ね歩きつつ餌を漁ることもある。

著しい波形の弧を描いて飛翔し、飛びながらキョッキョッと啼くことが多い。

繁殖期にはなわばりをもって分散するが、巣の周囲の 5 m以内を防衛するにすぎない(丸山, 1975)。

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