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エナガ(Aegithalos caudatus)の分類 エナガ科(Aegithalidae)
エナガ(Aegithalos caudatus)の概要 エナガ属(Aegithalos)

エナガ(Aegithalos caudatus)

低危険種 (LC or LR/lc)

【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種

【 学名 】
Aegithalos caudatus (Linnaeus, 1758)

基本情報

大きさ・重さ

・成長全長:136 mm (125~145)
・雄 翼長:58.25 mm、尾長:72.41 mm、ふ蹠長:18.28 mm(N=24)
・雌 翼長:56.65 mm、尾長:68.45 mm、ふ蹠長:17.80 mm(N=28)
・露出嘴峰長:7 mm(6~8)
・体重:7.5 g(5.6~9.4)

参考文献

最終更新日:2021-03-31 ハリリセンボン

分布

東西はユーラシア大陸を中心にイギリス近辺の島々から日本まで、南北は地中海からノルウェーの北緯70度あたりまで広く分布。

日本では北海道から九州まで分布する留鳥であるが、シベリアなどでは多数の個体が大きな群れを作って移動する。

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亜種・品種

北海道・本州北部の亜種シマエナガ A. c. japonicus は北方系、本州・佐渡・隠岐のエナガ A. c. trivirgatus や対馬のチョウセンエナガ A. c. magnus 、四国・九州のキュウシュウエナガ A. c. kiusiuensis など本州以南の3亜種は南方系の模様をもつ。

参考文献

  • 2005 三省堂世界鳥名事典 - 書籍全体, 吉井正(監修) 三省堂編修所 (編) 三省堂世界鳥名事典. 三省堂. .

最終更新日:2021-03-31 ハリリセンボン

分類学的位置付け

スズメ目 エナガ科

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形態

成鳥の形質

成鳥の頭部は白い地に太い黒の眉斑が背中まで至る、背は黒と茶味の強いピンク、腹は白で下尾筒は背と同じピンク。

胸に黒い三日月斑が出るが、濃さには個体差が大きい。翼羽は黒で多くは外縁が白い。

尾羽は中央のT1~T3は黒く、外側のT4~T6では白色の地に外縁が黒くなる。嘴とふ蹠は黒。

幼鳥は、巣立ち時には頭頂部のみ白く、こげ茶色が顔全体を覆う。翼羽と尾羽は茶味のある黒で成鳥のようなピンク部はない。

約120日で成鳥と見分けがつかない羽毛に換羽するが、10月後半あたりまでは、瞼(まぶた)の色で識別が可能。成鳥の瞼は黄色、幼鳥は赤からオレンジ色。

亜種シマエナガでは、成鳥になると眉斑が消えて頭部は白一色になる。

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幼鳥の形質

孵化直後の雛は肉色の裸体の儘で初毛を欠いている。口中は橙黄色、口角縁は黄色である。

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卵の形質

長径:13~15.5 mm×短径 10.5-11.5 mm 
平均長径:14.5 mm×短径 11.2 mm 
重量:0.9 g程度

卵は白色の地に、淡紫色と赤褐色との微細な小斑点が散在し、斑点は鈍端の方に密在するのが常である。

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生態

生息環境

主として落葉混交林や照葉樹林の林縁を好むが、農地や河川敷のような小規模の林が点在する場所にも生息する。

日本では留鳥で、低地から低山帯、亜高山帯下部までの落葉広葉樹林、マツ林、カラマツ林、ブナ林などの樹林にすむ。人家の近くの山麓の林や、川沿いの林、公園の林、庭木などにも現われ、姿のかわいらしさから多くの人におなじみの鳥である。

参考文献

  • 中村登流 2006 エナガ, 日高敏隆(監修) 樋口広芳、森岡弘之、山岸哲(編) 日本動物大百科 4:鳥類Ⅱ. 平凡社. pp. 126-127.

最終更新日:2021-03-31 ハリリセンボン

食性

ほとんど鱗翅類の卵・幼虫・成虫、アブラムシ類の卵・成虫、クモ類などを食べるが、軟らかく熟した果実、コマツナギなどの種子、樹皮の割れ目からにじみ出した樹液、アカマツのこぶの割れ目に生ずる菌類などもよく食べる。主要な食物はアブラムシである。

参考文献

  • 中村登流 1995 エナガ, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. p. 129.

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鳴き声

コミュニケーション・コールの発達した種で、ジィール・ ジィールという特徴的な発声の他、地鳴き的なジッ・ジッや チョッ・チョッ、警戒発声のチリリリリリなどバリエーションが多く、同じ発声でも、速さを変えたり、スタッカートさせて異なる場面で使う。

また、造巣期に限って聞かれる音階のある長めのソングを持ち、これは主として巣内で鳴き、おそらくはオスの発声であるが、明確な判定はできていない。

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特徴的な行動

巣は日本の鳥のなかではこったつくりのものである。袋状で入り口は側壁の上のほうにある。

雌雄共同でつくり、外壁はコケや葉、小枝などをクモや鱗翅類の吐き出した糸でとじ込んでつくり、内装に大量の羽毛をもち込む。これらの巣材を採集したり、運搬したりするにはつねにオスがリーダーシップをとり、雌雄そろって行動する。

ヒナは巣立つと家族群となり、大騒ぎで鳴きかわしつう移動し、頻繁に横枝に並んで親の給餌を受ける。

参考文献

  • 中村登流 2006 エナガ, 日高敏隆(監修) 樋口広芳、森岡弘之、山岸哲(編) 日本動物大百科 4:鳥類Ⅱ. 平凡社. pp. 126-127.

最終更新日:2021-03-31 ハリリセンボン

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