- 解説一覧
- アオバズク(Ninox scutulata)について

アオバズク(Ninox scutulata)
【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種
- 【 学名 】
-
Ninox scutulata (Raffles, 1822)
基本情報
- 大きさ・重さ
-
・嘴峰:13~15 mm
・全嘴峰:20~25 mm
・翼長:202~227 mm
・跗蹠:25~30 mm
・尾長:107~127 mm
・卵:長径 35~38 mm×短径 30~31.9 mm
参考文献
- 清棲幸保 1955 アオバズク, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅱ. 講談社. 431-433.
最終更新日:2020-06-26 キノボリトカゲ
- 分布
-
旧北区。東洋区。ユーラシア大陸東部のウスリーからインド、東南アジアに分布し、北部のものは冬は東南アジアですごす。
日本ではほぼ全土で繁殖し、大部分の地域で夏鳥であるが、沖縄県では越冬する。
参考文献
- 中村登流 1995 アオバズク, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. 148.
最終更新日:2020-06-26 キノボリトカゲ
- 亜種・品種
-
日本では北海道から九州まで繁殖する亜種アオバズク N. s. macroponica と奄美諸島と、琉球諸島で繁殖する亜種リュウキュウアオバズク N. s. totogo が分布。
参考文献
- 吉井正 2005 アオバズク, 吉井正(監修) 三省堂編修所 (編) 三省堂世界鳥名事典. 三省堂. 6.
最終更新日:2020-06-26 キノボリトカゲ
- 分類学的位置付け
-
フクロウ目 フクロウ科
参考文献
- 吉井正 2005 アオバズク, 吉井正(監修) 三省堂編修所 (編) 三省堂世界鳥名事典. 三省堂. 6.
最終更新日:2020-06-26 キノボリトカゲ
形態
- 成鳥の形質
-
雄雌同色。額は白色で、各羽端はチョコレート色である。
頭上、後頭、後頸は暗チョコレート色、顔盤はチョコレート色、腮は白色、喉は赤味のあるチョコレート色で、各羽には白色の羽縁がある。
眼先は白色で、羽軸は黒色である。背、肩羽、腰、上尾筒はチョコレート色で、肩羽の各羽の中央には白色の斑がある。
胸、腹、脇はチョコレート色で、各羽の両側縁には幅の広い白色の縁がある。
下尾筒は白色で、全体にややクリーム色を帯び、各羽には暗褐色の幅の狭い軸斑がある。
下雨覆、腋羽は赤錆色を帯びた黄色で、各羽にはチョコレート色の軸斑がある。
風切羽はチョコレート色で、初列風切には暗褐色の不明瞭な横縞が多数あり、羽縁は赤錆色であるが、内弁の基部だけは淡クリーム色である。
次列風切の内弁はクリーム白色で、内、外弁には暗褐色の横縞が多数ある。
三列風切の内、外弁には白色の斑が横縞をなして多数ある。
大、中、小雨覆はチョコレート色で、各羽縁は赤錆色である。初列雨覆、小翼羽は暗チョコレート色である。
尾はチョコレート褐色で、暗褐色の幅の広い横縞が数条あり、下面は淡色である。
嘴色は汚オリーブ緑色、肋膜は汚緑色、虹彩は黄金様の黄色、脚羽はクリーム色でチョコレート色の斑がある。
趾は黄蝋様の黄色、爪は暗褐色。
参考文献
- 清棲幸保 1955 アオバズク, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅱ. 講談社. 431-433.
最終更新日:2020-06-26 キノボリトカゲ
- 幼鳥の形質
-
雛は白い幼綿羽に覆われる。
参考文献
- 中村登流 1995 アオバズク, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. 148.
最終更新日:2020-06-26 キノボリトカゲ
生態
- 生息環境
-
低地や低山帯の大きい樹木のある樹林にすみ、巨木があれば公園や社寺林にもすみつく。
落葉広葉樹林、針葉樹林、針広混交林などどんな林でもよいが、常緑広葉樹林をとくに好み、西南日本に多い。
近年、巨木がなくなり、各地で著しく減少した。
参考文献
- 中村登流 1995 アオバズク, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. 148.
最終更新日:2020-06-26 キノボリトカゲ
- 食性
-
夜行性で、主として昆虫食のフクロウである。
夕方や明け方におおいに採食し、セミ、タガメ、カミキリムシ、トンボ類などの大型昆虫を、空中で飛びながら捕えて食べる。多分脚で捕える。
ほかに小鳥やコウモリ、カエルなども食べる。夜間に街灯に集まる昆虫を狙って、燈火の周りにも現れる。
参考文献
- 中村登流 1995 アオバズク, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. 148.
最終更新日:2020-06-26 キノボリトカゲ
- ライフサイクル
-
繁殖期は5~8月、4月下旬ごろ渡来してしきりにさえずり、10月ごろまでいるようである。
一夫一妻で繁殖する。巣は洞穴借用型で、樹洞を使うことが多い。
ときには、石積みや材木の隙間などにつくったり、巣箱を利用したりするが、内装はない。
1巣卵数は2~5個、雌のみが抱卵し、雛は25日ぐらいで孵化する。雄は常に近くの樹上に止まって見張っている。
ときどき雌に餌を運ぶらしい。抱雛は雌のみが行う。たとえ日中であっても、巣を覗こうとすると雄も雌も空中から激しく攻撃してくる。
雛は白い幼綿羽に覆われる。育雛は雌雄で行い、夕方から宵口に多い。雛は28日ぐらいで巣立つ。
参考文献
- 中村登流 1995 アオバズク, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. 148.
最終更新日:2020-06-26 キノボリトカゲ
- 鳴き声
-
ホーホー、ホーホーと2声づつ啼き、夜間だけ啼く。雛はチュリーチュリーと啼く。
4月中旬・下旬から啼き始め、5月から7月頃まで最も盛んに啼き、8月下旬頃まで啼く。
参考文献
- 清棲幸保 1955 アオバズク, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅱ. 講談社. 431-433.
最終更新日:2020-06-26 キノボリトカゲ