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アオゲラ(Picus awokera)の分類 キツツキ科(Picidae)
アオゲラ(Picus awokera)の概要 アオゲラ属(Picus)

アオゲラ(Picus awokera)

低危険種 (LC or LR/lc)

【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種

【 学名 】
Picus awokera Temminck, 1836

基本情報

大きさ・重さ

・嘴峰:29~36 mm
・翼長:132~148 mm  
・跗蹠:23~25 mm
・尾長:92.5~111 mm 
・体重:120~136 ℊ
・卵:長径 29.5~30 mm×短径 15~15.5 mm

参考文献

  • 清棲幸保 1955 アオゲラ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅱ. 講談社. 376-378.

最終更新日:2020-06-16 キノボリトカゲ

分布

旧北区。日本列島の本州、四国、九州、屋久島、種子島などに限定されて分布する留鳥である。

新潟県粟島、山形県飛島、新潟県佐渡島に記録がある。

参考文献

  • 中村登流 1995 アオゲラ, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. 83.

最終更新日:2020-06-16 キノボリトカゲ

亜種・品種

カゴシマアオゲラ、タネアオゲラ

参考文献

  • 清棲幸保 1955 アオゲラ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅱ. 講談社. 376-378.

最終更新日:2020-06-16 キノボリトカゲ

分類学的位置付け

キツツキ目 キツツキ科

参考文献

  • 吉井正 2005 アオゲラ, 吉井正(監修) 三省堂編修所 (編) 三省堂世界鳥名事典. 三省堂. 4.

最終更新日:2020-06-16 キノボリトカゲ

形態

成鳥の形質

【雄】
額、頭上、後頭は鮮紅色で、各羽の基部は暗灰色で、羽端の紅色部との境には黒色の細い帯がある。

頭側、眼の上はごくわずかに緑色を帯びた灰色、眼先、眼の下は煤けた黒色、耳羽は灰色である。

下嘴の基から鮮紅色の頬線が喉の両側に沿って走り、その前後は黒色を呈している。腮、喉は汚クリーム色である。

後頭の中央は黒色で、その両側と頸側とはわずかに緑色を帯びた灰色である。背、肩羽は緑色であるが、春季は褐色勝ちである。

胸、腹、脇、下尾筒は淡オリーヴ緑色を帯びた灰色で、脇、下腹、下尾筒の各羽にはV字形の黒色の斑が横縞をなして多数ある。

腰、上尾筒は緑色を帯びた黄色であるが、ときには黄色を帯びた黄色のものもある。

下雨覆、腋羽は淡黄色を帯びた白色で、黒褐色の横尾島が多数ある。

風切羽は暗褐色で、初列風切の外弁にはオリーヴ緑色を帯びた白色の斑からなる横縞が多数あり、内弁の基半部には白色の幅の広い斑が多数ある。

次列風切の十弁はオリーヴ緑色、内弁には白色斑からなる横縞が多数ある。

三列風切は内、外弁ともオリーヴ褐色を帯びている。大、中、小雨覆はオリーヴ緑色、初列雨覆、小翼羽は暗褐色で、全体にオリーヴ緑色を帯びている。

尾は煤けた黒色で、緑色を帯びた黄色の羽縁があり、微かに多数の暗色の横縞がある。

嘴毛は煤けた黒色で、下嘴の基部は黄色、虹彩は紅色、脚色は緑色を帯びた灰色、脛羽は淡黄灰色。

【雌】
額、頭上は雄の様に紅色ではなく灰色を呈し、各羽には暗色の細い羽縁があり、後頭だけ鮮紅色である。

頬線の紅色部は雄より少ない。ほかは雄と同様である。

参考文献

  • 吉井正 2005 アオゲラ, 吉井正(監修) 三省堂編修所 (編) 三省堂世界鳥名事典. 三省堂. 4.
  • 清棲幸保 1955 アオゲラ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅱ. 講談社. 376-378.

最終更新日:2020-06-16 キノボリトカゲ

幼鳥の形質

孵化直後の雛は肉色の裸体のままで初毛を欠く。

参考文献

  • 清棲幸保 1955 アオゲラ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅱ. 講談社. 376-378.

最終更新日:2020-06-16 キノボリトカゲ

卵の形質

卵は純白色で斑紋を欠く。

参考文献

  • 清棲幸保 1955 アオゲラ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅱ. 講談社. 376-378.

最終更新日:2020-06-16 キノボリトカゲ

生態

生息環境

本州には留鳥として標高 500 mから 2000 m位にわたって生息し、主に常緑広葉樹林、モミ林、スギ林、ヒノキ林、落葉広葉樹林、雑木林などいろいろなタイプの樹林にすむ。

亜高山帯の混交林にもいるが少なく、山地の農耕地にある樹林にも飛来することがある。

西南日本の常緑樹林にはとくに多いが、落葉樹林ではそれほど多い鳥ではない。

参考文献

  • 中村登流 1995 アオゲラ, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. 83.
  • 清棲幸保 1955 アオゲラ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅱ. 講談社. 376-378.

最終更新日:2020-06-16 キノボリトカゲ

食性

樹幹を下から上へとよじ登りながら採食する。

樹皮の下にひそむ昆虫、甲虫の幼虫・成虫、クモ、ムカデなどをくちばしでつつき出して食べ、地上に降りてアリを粘り気のある長い舌で捕食する。

また小枝に止まって果実も食べる。

参考文献

  • 清棲幸保 1955 アオゲラ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅱ. 講談社. 376-378.
  • 中村登流 1995 アオゲラ, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. 83.
  • 吉井正 2005 アオゲラ, 吉井正(監修) 三省堂編修所 (編) 三省堂世界鳥名事典. 三省堂. 4.

最終更新日:2020-06-16 キノボリトカゲ

ライフサイクル

繁殖期は4~6月、一夫一妻で繁殖する。

冬から早春に、しきりにピオー、ピオーという叫びや枯れ木を叩いてドラミングが聞かれる。

番の形成には翼をすばやく開閉するディスプレイをする。

巣は桜、松、栗、楢など生木の樹幹に樹洞を掘ってつくり、高さは地上 2~5 m。

入口の直径 5 ㎝ぐらい、深さ 30 ㎝ぐらい、1巣卵数は7~8個、雌雄交代で抱卵し、育雛も雌雄共同で行う。

参考文献

  • 中村登流 1995 アオゲラ, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. 83.
  • 清棲幸保 1955 アオゲラ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅱ. 講談社. 376-378.

最終更新日:2020-06-16 キノボリトカゲ

鳴き声

蕃殖期(4月から5月頃)には喬木の頂の見通しのよい枝に啄木鳥独特のとまり方でなく普通の鳥類がとまる様にとまり四方を眺めながらヒョー、ヒョー、またはピョー、ピョーと啼き立てる(乗鞍岳悲峠 15/IV 1934 清棲観察)。

警戒時などにはケオッ、ケオッまたはキョッ、キョッと烈しく啼き、ケラ、ケラ、ケラ、ケラまたはキャラ、キャラ、キャラと烈しく啼きながら飛翔することもある。

参考文献

  • 清棲幸保 1955 アオゲラ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅱ. 講談社. 376-378.

最終更新日:2020-06-16 キノボリトカゲ

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