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ノゴマ(Luscinia calliope)の分類 ヒタキ科(Muscicapidae)
ノゴマ(Luscinia calliope)の概要 ノゴマ属(Luscinia)

ノゴマ(Luscinia calliope)

【 学名 】
Luscinia calliope (Pallas, 1776)

基本情報

大きさ・重さ

・嘴峰:12~16 mm
・翼長:雄 71~78 mm 雌 70~77.5 mm
・跗蹠:27~31 mm
・尾長:雄 51~62 mm 雌 50~59.5 mm
・体重:21~29 g 
・卵:長径 19.5~22.5 mm×短径 14.8~17 mm 平均長径 21 mm×短径 16.3 mm 重量 2.4 g位

参考文献

  • 清棲幸保 1955 ノゴマ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅰ. 講談社. 314-316.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

分布

旧北区。ユーラシア大陸の中・高緯度地方の東半分に分布し、冬は東南アジアに渡ってすごす。

日本では北海道で夏鳥として繁殖する。最近では1979年に、岩手県早池峰山で巣立ち雛が記録された。

本州以南では渡り期に各地で見られる。

参考文献

  • 中村登流 1995 ノゴマ, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. 201.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

亜種・品種

オオノゴマ

参考文献

  • 清棲幸保 1955 ノゴマ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅰ. 講談社. 314-316.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

分類学的位置付け

スズメ目 ヒタキ科

参考文献

  • 吉井正 2005 ノゴマ, 吉井正(監修) 三省堂編修所 (編) 三省堂世界鳥名事典. 三省堂. 370.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

形態

成鳥の形質

ほぼ全身がオリーブ褐色で、腹は淡褐色。雄は喉がルビー色で、まるで赤い花びらをつけたように美しい。

眼先は黒く、眉斑は白色。雌の喉は白いが、多少赤みのある個体もいる。

参考文献

  • 吉井正 2005 ノゴマ, 吉井正(監修) 三省堂編修所 (編) 三省堂世界鳥名事典. 三省堂. 370.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

幼鳥の形質

孵化直後の雛は肉食の裸体のままで、眼の上、後頭、上膊、背などの羽域に灰褐色の長い初毛が生えている。

口中は橙黄色、口角の縁は黄色である。

参考文献

  • 清棲幸保 1955 ノゴマ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅰ. 講談社. 314-316.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

卵の形質

卵は青緑色で、斑紋を欠くものと淡紫色の微細な小斑点が鈍端近くにあるものがある。

参考文献

  • 清棲幸保 1955 ノゴマ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅰ. 講談社. 314-316.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

生態

生息環境

北海道では低地から高山のハイマツ帯まで幅広く生息し、荒れ地の灌木が多い草原状あるいは灌木草原状の場所にすむ。

ハマナスが多い海岸草原、ヤチヤナギが多い泥炭草原、伐採跡の灌木草原などでも見られる。

渡り期には、低地から亜高山帯の林緑、疎林の灌木密集地、ネマガリダケの藪などに現れ、春の渡りの途上で、しばしばさえずっていく。

参考文献

  • 中村登流 1995 ノゴマ, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. 201.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

食性

地上を軽くはねながら、地虫やミミズなどに飛びついて捕らえるが、深い草むらに入るのではなく、地面が出ているところで活動する。

しばしば藪地のふちの裸地や路上に出てホップする。

雛に運ぶ餌は主として昆虫であるが、ミミズなどの地上で捕らえるものも多い。秋の渡り期には小果実も食べる。

参考文献

  • 中村登流 1995 ノゴマ, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. 201.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

ライフサイクル

繁殖期は6~8月、一夫一妻で繁殖する。

巣は、地上の草株や藪の根元の脇、谷地坊主の脇、崖地などの窪みを利用して、ドームのある球状の形につくる。

外装は枯れ草や細い草の根などを使い、椀形の上にルーズな枯れ草のドームがあり、内装は細い草の茎や根でつくる。

おそらく雌のみがつくると思われるが、十分な観察はない。

1巣卵数は3~5個、雌のみが抱卵するらしいが、十分な観察はなく、雄がどうしているかについての記載もない。

雛は13~14日ぐらいで孵化し、両親に養われる。巣立ちまでの日数についても記載はない。

参考文献

  • 中村登流 1995 ノゴマ, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. 201.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

鳴き声

チュル、チュリー、キョロ、キョロ、チュル、チュリー、チュル、チュル、チュリー、チチ、チチと静かに囀り、聞き方に依ってはチョロ、チリ―、チョロ、チョロ、チョロ、チリ―、チイ、チイ、チイ、チョロ、チリ、チョッ、チョッ、チイ、チイ、チイなどと聴こえる。

囀鳴期には朝早くから夕刻(7時頃)まで囀る。雄の囀鳴場所は略々一定し巣の附近に限られている。

ブュリ、ブュリと地啼きし、警戒時にはチョ、チョッ、チョ、チョッと小声で啼く。

参考文献

  • 清棲幸保 1955 ノゴマ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅰ. 講談社. 314-316.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

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