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タヒバリ(Anthus spinoletta)の分類 セキレイ科(Motacillidae)
タヒバリ(Anthus spinoletta)の概要 タヒバリ属(Anthus)

タヒバリ(Anthus spinoletta)

低危険種 (LC or LR/lc)

【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種

【 学名 】
Anthus spinoletta (Linnaeus, 1758)

基本情報

大きさ・重さ

・嘴峰:11~16 mm
・翼長:80~94 mm
・跗蹠:21~24 mm
・後趾の爪:9~12 mm
・尾長:56~37.5 mm
・卵:長径 18.3~22.6 mm×短径 14.4~16.4 mm 平均長径 20.7 mm×短径 15.1 mm

参考文献

  • 清棲幸保 1955 タヒバリ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅰ. 講談社. 131-134.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

分布

全北区。ユーラシア大陸の高緯度地方と北アメリカ大陸北部で繁殖し、冬は中国南部、インド、ヨーロッパ南部、北アフリカ、北アメリカ大陸南部に渡ってすごす。

日本では本州以南の各地で越冬し、9月から翌年の5月まで見られる。

北海道では旅鳥である。ごくふつうに見られる鳥である。

参考文献

  • 中村登流 1995 タヒバリ, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. 254.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

和名の解説

和名はヒバリによく似た羽色をもち、水田の刈り跡に多いことによる。

参考文献

  • 吉井正 2005 タヒバリ, 吉井正(監修) 三省堂編修所 (編) 三省堂世界鳥名事典. 三省堂. 467-468.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

亜種・品種

ペーターのリストでは、日本へ渡来するものを A. s. japonicus という亜種とし(Vaurie et al, 1960)、Sibley & Monroe.Jr.(1990)は、A. spinoletta を上種として、日本へ渡ってくるものを A. rubescens(Amerisan Pipit)としている。

参考文献

  • 中村登流 1995 タヒバリ, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. 254.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

分類学的位置付け

スズメ目 セキレイ科

参考文献

  • 吉井正 2005 タヒバリ, 吉井正(監修) 三省堂編修所 (編) 三省堂世界鳥名事典. 三省堂. 467-468.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

形態

成鳥の形質

雌雄同色。上面は褐色で黒褐色の縦斑があり、風切の羽縁は淡色。夏羽の下面は灰白色になり縦斑は大きい。

参考文献

  • 吉井正 2005 タヒバリ, 吉井正(監修) 三省堂編修所 (編) 三省堂世界鳥名事典. 三省堂. 467-468.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

幼鳥の形質

孵化直後の雛は肉食の裸体のままで眼の上、後頭、背、上膊、前膊、腿、脛などの羽域に灰褐色の長い初毛が生えているが、腹には極くわずかだけ生えている。

口中は肉色、口角縁は黄白色である。

参考文献

  • 清棲幸保 1955 タヒバリ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅰ. 講談社. 131-134.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

生態

生息環境

冬は河川や湖沼などの水辺、海岸の波打ちぎわなどに現れ、水田の水溜りの多い場所、雪が解けた溜り水につかるところにも現れる。

渡りの季節には山地草原に立ち寄り、露出地面のあるパッチやキク科のパッチなどで見られる。

繁殖地では山岳ツンドラ、山麓スロープのガレ地の比較的乾いた、藪のある荒れ地にすむ。

また湿地や流れ沿いの藪地にもいる。亜高山帯上部以上の、標高 800~2,300 mぐらいまでの高山荒原で繁殖する。

参考文献

  • 中村登流 1995 タヒバリ, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. 254.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

食性

もっぱら地上を歩いて採食し、河原の水の浅いところの干上がりはじめた水辺でついばむことが多い。

夏は昆虫食であるが、冬はイネ科、タデ科、マメ科、キク科などの地上にこぼれ落ちた種子を食べる。

参考文献

  • 中村登流 1995 タヒバリ, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. 254.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

ライフサイクル

繁殖期は4~7月、一夫一妻で繁殖する。巣は椀形で枯れ草の茎や葉、コケ類などで外装をつくり、内装には細い茎や葉、獣毛などを使う。

主として雌がつくり、雄はいくらか巣材を運ぶ。1巣卵数は3~8個で、5~6個が多い。

抱卵は雌のみが行い、14~15日ぐらいで孵化する。雛は両親に養われ、抱擁は雌のみが行う。

雛は14~15日ぐらいで巣立つ。

参考文献

  • 中村登流 1995 タヒバリ, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. 254.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

鳴き声

ピッ、ピッ、ピッ、ピイ、ピイ、ピイと高く鋭い声で地啼きし、驚いたときには啼きながら飛び立つ。

チュイ、チュイ、チュイ、チヵ、チヵ、チヵ、チヵ、チュイ、チュイ、チュイ、ツツツツ―と、ビンズイの囀りに似た冴えた声で囀る。

地上または灌木の頂などから囀りながら垂直に上昇し 15~16 m位も昇るとやや囀りの速度を落としてチュイ、チュイ、チュイと粘りをもって唄い、それが終わると同時に翼を窄めてツ、ツ、ツ、ツと早口に啼きながら舞い降りるのが常である。

参考文献

  • 清棲幸保 1955 タヒバリ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅰ. 講談社. 131-134.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

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