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コノハズク(Otus sunia)の分類 フクロウ科(Strigidae)
コノハズク(Otus sunia)の概要 コノハズク属(Otus)

コノハズク(Otus sunia)

低危険種 (LC or LR/lc)

【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種

【 学名 】
Otus sunia (Hodgson, 1836)

基本情報

大きさ・重さ

嘴峰:11~12.5 mm
全嘴峰:18~19 mm
翼長:136~151 mm 
跗蹠:22~25 mm
尾長:57.5~70 mm
体重:雄 67~79 g 雌 85~98 g

参考文献

最終更新日:2021-04-26 ハリリセンボン

分布

旧北区。東洋区。ユーラシア大陸のウスリーから中国、東南アジア、インドにかけて分布する。

日本では夏鳥として北海道、本州で繁殖しており、多分、四国、九州でも繁殖していると思われる。南西諸島には冬に現れる。

参考文献

  • 中村登流 1995 コノハズク, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. p. 92.

最終更新日:2021-04-26 ハリリセンボン

学名の解説

雌犬のようなミミズク

参考文献

最終更新日:2021-04-26 ハリリセンボン

亜種・品種

アフリカ北東部・イベリア半島から黒海沿岸を経てバイカル湖まで繁殖し、アフリカ北部および中部で越冬するものをヨーロッパコノハズク O. scops、Eurasian Scops Owl、それ以外をコノハズク O. sunia、Oriental Scops Owl とする考え方もある。

参考文献

  • 2014 日本の鳥550 山野の鳥 - 書籍全体, 五百澤日丸、山形則男(著) 日本の鳥550 山野の鳥. 文一総合出版. .

最終更新日:2021-04-26 ハリリセンボン

分類学的位置付け

フクロウ目 フクロウ科

参考文献

  • 2014 日本の鳥550 山野の鳥 - 書籍全体, 五百澤日丸、山形則男(著) 日本の鳥550 山野の鳥. 文一総合出版. .

最終更新日:2021-04-26 ハリリセンボン

形態

成鳥の形質

雌は雄より少し大きい。雌雄同色。日本のフクロウ類のなかでは最も小さい。淡灰褐色の体に黒色、褐色、淡い橙色、白色などの色が複雑に入り混じっている。褐色型と赤色型があり、褐色型が多い。跗蹠のほぼ全体に羽毛が生えているが、足の指にはない。頭には羽角がある。

参考文献

  • 叶内拓哉 2013 コノハズク, 叶内拓哉、安部直哉、上田秀雄(著) 日本の野鳥. 山と渓谷社. pp. 184-185.

最終更新日:2021-04-26 ハリリセンボン

幼鳥の形質

孵化直後の雛は全身に白色の綿羽が一面に生え、虹彩は黄色、眼瞼は茶褐色である。

参考文献

最終更新日:2021-04-26 ハリリセンボン

卵の形質

長径 28~34.5 mm×短径 25~29 mm、平均長径 31.3 mm×短径 27 mm

卵は純白色で斑紋を欠いている。

参考文献

最終更新日:2021-04-26 ハリリセンボン

似ている種 (間違えやすい種)

オオコノハズク、リュウキュウコノハズク

参考文献

  • 2014 日本の鳥550 山野の鳥 - 書籍全体, 五百澤日丸、山形則男(著) 日本の鳥550 山野の鳥. 文一総合出版. .

最終更新日:2021-04-26 ハリリセンボン

生態

生息環境

スギ、ヒノキなどの針葉樹林、ブナなどの落葉広葉樹林、亜高山針葉樹林などいろいろな樹林に生息する。急斜面の多い深い谷間の、大きい樹木のある林を好み、斜面の中腹にいることが多い。渡り期には河川の林にもあらわれる。個体数は少なく、人里を離れた深山の樹林にすむ。

参考文献

  • 中村登流 1995 コノハズク, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. p. 92.

最終更新日:2021-04-26 ハリリセンボン

食性

夜行性の鳥で夕暮れから活動する。飛び立って、羽音も立てずにヒラヒラと飛び回り、飛んでいる甲虫、直翅類、双翅類などの昆虫を足でつかみとる。ヨーロッパコノハズクはむしろ獲物を地上近くへ追いつめて、地面に押さえつけるように捕らえることが多い(Cramp, 1985)。アリやクモ、コガネムシ、ミミズ、バッタ、クモなどの昆虫、トカゲ、カエル、小鳥、小哺乳類なども食べる。

参考文献

  • 中村登流 1995 コノハズク, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. p. 92.

最終更新日:2021-04-26 ハリリセンボン

鳴き声

繁殖期の夜間、オスは「ブッ キョッ コー」と鳴き、この声を仏法僧(ぶっぽうそう)と聞きなす。初めの「ブッ」が小さいか出さない個体もいる。繁殖期の初期には日中でも鳴くことがある。威嚇する時にはキリ、キリ、キリと啼く。

雛はジョージョーまたはジュ―ジュ―と微かな声を出す。

参考文献

  • 叶内拓哉 2013 コノハズク, 叶内拓哉、安部直哉、上田秀雄(著) 日本の野鳥. 山と渓谷社. pp. 184-185.

最終更新日:2021-04-26 ハリリセンボン

生殖行動

独特のさえずりが聞かれるのは4~8月、産卵は5~6月ごろ。おそらく一夫一妻で繁殖する。とくに巣は作らず、樹洞の中に直に産卵する。

1巣卵数は4~5個、雌だけが抱卵し、雄は餌を運び、雌を養う。雛は24~25日ぐらいで孵化し、21日ぐらいで巣立つ。雄はもっぱら餌を運び、雌が雛に与える。

参考文献

  • 中村登流 1995 コノハズク, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. p. 92.

最終更新日:2021-04-26 ハリリセンボン

特徴的な行動

1羽かつがいで生活し、日中は木の枝上や樹洞内などの暗いところで休息する。夕暮れから活動を始め、繁殖中は雌雄が合図のように鳴きかわしてから活動し始める。羽音を出さずに飛び、主に夜行性の飛んでいる昆虫類をとる。

参考文献

  • 叶内拓哉 2013 コノハズク, 叶内拓哉、安部直哉、上田秀雄(著) 日本の野鳥. 山と渓谷社. pp. 184-185.

最終更新日:2021-04-26 ハリリセンボン

関連情報

その他

夜間「ブッポウソウ」と鳴くが、この声は同時期によく似た環境に飛来する別の鳥のものと誤認された。その後声の主が判明したため現在ではそれぞれ「声のブッポウソウ」「姿のブッポウソウ」とも呼ばれる。

参考文献

最終更新日:2021-04-26 ハリリセンボン

種・分類一覧