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- ハジロクロハラアジサシ(Chlidonias leucopterus)について
ハジロクロハラアジサシ(Chlidonias leucopterus)
【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種
- 【 学名 】
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Chlidonias leucopterus (Temminck, 1815)
基本情報
- 大きさ・重さ
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・嘴峰:22-29 mm
・翼長:203-212 mm
・跗蹠:18-21 mm
・尾長:71-81 mm
・体重:66-77 g
・卵:長径 29.4-37.3 mm × 短径 22.7-27 mm 平均長径 33.5 mm × 短径 24.6 mm
参考文献
最終更新日:2020-05-21 キノボリトカゲ
- 分布
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旧北区分布型。ユーラシア大陸の中緯度地方の中央アジアや中国北東部、ウスリーなどで不連続に繫殖し、アフリカ大陸中南部、東南アジアからニューギニア島、オーストラリア大陸北部にかけて越冬する。
日本では数少ない旅鳥として各地でまれに記録され、5月の記録が多い。
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最終更新日:2020-05-21 キノボリトカゲ
形態
- 成鳥の形質
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【雄雌夏羽】
頭部・頸は黒色、上背・肩羽も黒色、下背・腰は灰色、胸・腹・脇は黒色である。
上尾筒と下尾筒は白色である。下雨覆・腋羽は黒色。初列風切は灰黒色、次列風切・三列風切・大、中雨覆は暗黒色、小雨覆と翼縁の部分は白色である。
尾は白色である。嘴色は夏季には赤色、冬季には黒色。虹彩は暗褐色。脚色は暗紅色。
【雄雌冬羽】
頭部・頸・背は白色で、頭上・後頭には黒色の斑紋がある。胸・腹・脇は白色、下雨覆・腋羽も白色である。
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最終更新日:2020-05-21 キノボリトカゲ
- 幼鳥の形質
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【雛】
孵化直後の雛は全身に長い幼綿羽が密生し、各綿羽の先端は毛のように尖る。
額には白色の横帯があり、眼の周囲の顔の大部分は白色である。
体の上面には淡黄褐色、黒色の斑が散在し、両頭側に黒色の斑が2-3箇縦線をなして並び、後頸の中央に黒色の長い縦線が1条走る。
翕および背の両側には所々切断された黒色の縦線が2条あって腰の中央付近まで走り、末端は斑紋形をなす。
翼端は灰白色で、翼には黒色の不規則な斑がある。
腮の先端は灰白色、腮の大部分および喉はクリーム色または暗褐色で、胸の中央は灰白色を呈し、体側と腹は暗クリーム灰色である。
【幼鳥】
成鳥の冬羽に類似するが、体の上面には褐色の斑があり、尾は灰色である。
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最終更新日:2020-05-21 キノボリトカゲ
生態
- 生息環境
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低地から山岳地まで幅広く生息し、川辺や沼沢地のヨシ原の周辺の浅く水につかる湿地草原で繁殖する。
渡り期には、海岸近くの潟湖、干潟、マングローブ林のふち、河川、湖沼に現れる。
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最終更新日:2020-05-21 キノボリトカゲ
- 食性
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飛びながら水面からつまみ取ったり、すくいとったりして採食するが、ダイビングはしない。
水上をヒラヒラと飛び回り、主にイナゴ、バッタなどの昆虫、小魚、カエルなどを食べる。
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最終更新日:2020-05-21 キノボリトカゲ
- ライフサイクル
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繁殖期は5~6月、一夫一妻で繁殖する。巣は水面の浮葉の上につくる。1巣卵数は2~3個で、3個が多い。
両親が抱卵し、19~22日ぐらいで孵化する。雛は早成性の半離巣性で、両親より給餌を受け、24~25日ぐらいで独立する。
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最終更新日:2020-05-21 キノボリトカゲ
- 特徴的な行動
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群れていることが多く、繁殖期には40番ぐらいまでのコロニーをつくる。
コロニー内に直径 3 mぐらいの狭いなわばりを持ち、その中で交尾や営巣をする。
番形成時のディスプレイは空中と地上で行われ、ハイフライトなどアジサシ類の典型的なものと同じである(Cramp, 1985)。
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最終更新日:2020-05-21 キノボリトカゲ
- その他生態
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絶えず飛翔しながら飛んでいる。昆虫類を追ったり、水面に翼を窄めて落下したりして餌を摂っている。
翼を緩慢に羽搏いて軽々と飛翔し、群れをなして一斉に餌を漁っている。
時々地上に降りたり、杙に止まったりして休むが、地上を歩むことは下手である。
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最終更新日:2020-05-21 キノボリトカゲ