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シロカモメ(Larus hyperboreus)の分類 カモメ科(Laridae)
シロカモメ(Larus hyperboreus)の概要 カモメ属(Larus)

シロカモメ(Larus hyperboreus)

低危険種 (LC or LR/lc)

【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種

【 学名 】
Larus hyperboreus Gunnerus, 1767

基本情報

大きさ・重さ

・嘴峰:54~69 mm
・翼長:410~487 mm
・跗蹠:66~79 mm
・尾長:160~203 mm
・卵:長径 69~92.7 mm×短径 47~63.2 mm  平均長径 77 mm×短径 53.4 mm

参考文献

最終更新日:2020-07-21 キノボリトカゲ

分布

全北区。ユーラシア大陸と北アメリカ大陸の北極圏、グリーンランドに繁殖分布し、冬もこの一帯にいるが、いくらか南下し、両大陸の中緯度地方の沿岸に現れる。

日本には冬鳥として、10月から翌年の4月ごろまで九州以北で見られる。

渡来数はそれほど多くないが、北海道と本州北部では割に多い。沖縄県では迷鳥である。

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分類学的位置付け

カモメ科

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形態

成鳥の形質

【雌雄夏羽】
頭部・頸は純白色、眼瞼はオレンジ色である。

背・肩羽は淡青灰色または灰白色で、肩羽の先端の部分の羽には白色の縁がある。

胸・腹・脇・腰・上尾筒・下尾筒は純白色である。下雨覆・腋羽は白色。

初列風切は極くわずか淡灰色を帯びた白色で、外側のものほど淡色である。

第2羽の外弁と内弁の先端は純白色で、羽軸は麦藁様の淡黄色を帯びた白色で、ときには全部純白色のものもある。

次列風切は極めてわずかに淡灰色を帯びた白色である。三列風切、大・中・小雨覆は淡青灰色または灰白色である。

初列雨覆、小翼羽は白色、尾は純白色である。

嘴色は黄色またはオレンジ黄色で、下嘴の先端の角に赤色の斑点がある。虹彩は黄色、脚色は肉色。

【雄雌冬羽】
頭上・後頭・頸には褐色の小縦斑が散在する。

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最終更新日:2020-07-21 キノボリトカゲ

幼鳥の形質

【雛】
孵化直後の雛は全身に幼綿羽が密生し、腮、喉および体の上面は灰白色で、暗褐色の斑点が散在し、体の下面は白色に近い色である。

【幼鳥】
頭部・頸は灰褐色で、各羽には暗色の斑紋と白色の縁がある。体の上面はクリーム白色で、灰褐色の斑や横斑がある。

体の下面は淡灰褐色である。風切羽の外弁は淡クリーム褐色を帯びた白色で、先端は白色、内弁は白色に近い色で、褐色の大理石の様な斑紋がある。

尾は淡灰褐色で、白色の大理石の様な斑紋がある。嘴色は黒褐色で、基部は淡色。

3年目には体の上面、下面共に色が淡くて白色に近い色を呈し、風切羽も大部分白色である。4年目に成長となる。

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最終更新日:2020-07-21 キノボリトカゲ

卵の形質

卵はオリーブ色を帯びたクリーム色、灰褐色、淡褐色、黄褐色などの地に暗褐色の斑紋や斑点と灰鼠色の斑点が散在し、稀には地色がクリーム色、淡青緑色、赤褐色などのものもある。

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生態

生息環境

越冬地では海岸に現れ、河口、漁港、崖地、岩礁地、砂浜などいろいろなところで見られ、海上にも出ていくが、遠く外用に出ることはない。

繁殖地では、海岸の崖、海岸近くの島嶼、河口の砂州、少し内陸に入った淡水湖の小島などにすみ、崖でとり巻かれた島の上の草が散在する岩石スロープにも営巣する。

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食性

沿岸部に沿って往復して飛び続けながら下方を探し、餌が見つかると舞い降りて、飛びながらくちばしでくわえとったり、地上や水面に降りてついばんだりする。

海獣、海鳥、魚類、カニ類、ウニ類などの死骸を拾い食いしたり、漁港や人家、あるいは漁船などから廃棄されるゴミ屑に集まり、食べられそうな物を漁る。

海岸の掃除屋ともいうべき立場で、ベリーなども食べる。

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鳴き声

ク、リーオー、ク、リーオーと啼き、主として飛翔中に啼く。

繁殖地では巣に近寄るとクワッ、クワッ、クワッ、クワッと激しく啼き叫びつつ上空を盛んに飛び回るのが常である。

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特徴的な行動

繁殖期は5~7月、一夫一妻で繁殖する。砂地や草地に窪み、岩石地の岩の上、崖地の岩棚の岩の上などに、蘚類、海藻、枯れ草などで椀形の巣をつくる。

巣づくりは雌雄で行う。1巣卵数は2~3個、雌雄交替で抱卵し、27~28日ぐらいで孵化する。

雛は密生した幼綿羽に覆われており、早成性の半離巣性である。

数日で巣を離れるが、巣の近くにおり、両親から給餌されて45~50日ぐらいで巣立つ。

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その他生態

群れ生活を中心とする。非繁殖期には10~1000羽の群れですごすが、日本には小群か単独で現れ、ほかのカモメ類と混群になる。

繁殖期にはコロニーへ集まり、30番ぐらいの小さいコロニーが多いが、1000番ぐらいの大コロニーもある(Cramp & Simmons, 1983)。

巣の間は 5~30 mぐらい。前年の個体の帰還率が高く、これが大部分のなわばりをとってしまう。

新しい番は、若鳥のいるクラブという集まりでつくられ、クラブには番形成用のなわばりがある(Cramp & Simmons, 1983)。

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種・分類一覧