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- ソリハシシギ(Xenus cinereus)について
ソリハシシギ(Xenus cinereus)
【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種
- 【 学名 】
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Xenus cinereus (Guldenstadt, 1775)
基本情報
- 大きさ・重さ
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・嘴峰:41-54mm
・翼長:122-140 mm
・跗蹠:25-30 mm
・尾長:46-58 mm
・体重:63-109 g
・卵:長径 33.4-42.6 mm × 短径 24.4-28 mm 平均長径 38.5 mm×短径 26.5 mm
参考文献
最終更新日:2020-05-20 キノボリトカゲ
- 分布
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旧北区分布型。ユーラシア大陸の高緯度地方に繁殖分布し、アフリカ大陸からインド、東南アジア、オーストラリアにかけて越冬する。
日本には旅鳥として各地に現れ、8~10月、4~5月に見られるが、秋の方が多い。
参考文献
最終更新日:2020-05-20 キノボリトカゲ
形態
- 成鳥の形質
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【雌雄夏羽】
頭上・後頭・後頸・耳羽は灰褐色で、各羽には黒色の軸斑がある。額は汚白色である。
眼の上には汚白色の短い眉斑がある。眼先には暗褐色、腮・喉・頸側は白色で、喉の両側と頸側には褐色の縦斑がある。
背・肩羽は灰褐色で、各羽には黒色の軸斑があり、肩羽のものは幅が広い。胸は白色で、褐色の縦斑が多数あり、腹・脇・下尾筒は白色である。
腰・上尾筒は灰褐色で、暗色の横縞があり、白色の細い縁がある。下雨覆・腋羽は白色。
初列風切は黒褐色で、内縁は淡色である。第2羽の羽軸は白色、ほかのものは淡褐色である。
次列風切は白色で、基部は褐色、三列風切は灰褐色で、黒色の幅の広い軸斑がある。
大、中、小雨覆、初列雨覆、小翼羽は黒褐色で、大雨覆の羽端には白色の縁がある。
尾は灰褐色で、褐色の斑が散在する。外側のものは白色勝ちで、内弁には不規則な白色の縁がある。嘴色は黒褐色、基部はオレンジ色または黄色。
虹彩は褐色、脚色は淡オレンジ色またはオーカー黄色。
【雄雌冬羽】頭上・後頭・後頸の黒色の軸斑は見えないくらい不明瞭である。体の上面は夏羽と類似するが、肩羽や三列風切の黒色の軸斑は夏羽より著しく幅が狭く、背の軸斑は極めて幅が狭い。体の下面の褐色の縦斑は夏羽ほど明瞭ではない。
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最終更新日:2020-05-20 キノボリトカゲ
- 幼鳥の形質
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【雛】
孵化直後の雛は全身に綿羽が密生し、額、耳羽、頬、腮、喉側などは淡黄褐色または白色で、各綿羽の基部は煤けた褐色で、眼先から後頸まで黒褐色の過眼線が走っている。
頭上、後頸および体の上面は淡黄褐色で、各綿羽の先端と基部とは煤けた黒色で、上嘴の基部上方から後頭まで黒褐色の頭央線が走り、後頸から尾端まで黒褐色の縦線が走り、腰の両側には黒褐色の小斑がある。
胸以下の体の下面は白色である。嘴は上方にやや反っているが成鳥ほど著しくない。
【幼鳥】
頭側・頸側は白色で、褐色の縦斑があり、体の上面は赤褐色を帯びた灰褐色で、各羽縁は赤錆色を帯びている。
各羽には黒色の無光沢の幅の狭い軸斑があり、肩羽の軸斑は幅が広い。体の下面は白色で、上胸は淡黄灰色を帯び、褐色の縦斑がある。
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最終更新日:2020-05-20 キノボリトカゲ
生態
- 生息環境
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海岸地方の干潟、水路、砂浜の溜り水、溜池などの砂泥地に現れる。
繁殖地では針葉樹林帯の藪が散在する湿地草原や砂利地、荒れ地のある谷間、氾濫原、藪ツンドラにいる。
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最終更新日:2020-05-20 キノボリトカゲ
- 食性
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砂泥地を歩いたり走ったり、浅い水の中に入ったりして活発に採食する。
反り返ったくちばしをさぐるように使うことが多く、水面や泥面からついばむこともする。
双翅類の成虫・幼虫などの昆虫、小型の甲殻類などを食べる。
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最終更新日:2020-05-20 キノボリトカゲ
- ライフサイクル
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5~7月、一夫一妻で繁殖する。巣は地上の窪みにつくり、植物片で内張りをする。
1巣卵数は4個が多い。両親が抱卵するが、後に雄だけとなる。
23~24日ぐらいで孵化し、雛は15日ぐらいで独立する。繁殖期にはなわばりを分散する。
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最終更新日:2020-05-20 キノボリトカゲ