- 解説一覧
- オグロシギ(Limosa limosa limosa)について
オグロシギ(Limosa limosa limosa)
- 【 学名 】
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Limosa limosa limosa (Linnaeus, 1758)
基本情報
- 大きさ・重さ
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・嘴峰:74-92 mm
・翼長:176-208 mm
・跗蹠:56-73 mm
・尾長:56-86 mm
・体重:173-370 g
・卵:長径 51-53.1 mm × 短径 36.9-38.6 mm
参考文献
最終更新日:2020-05-20 キノボリトカゲ
- 分布
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旧北区。ユーラシア大陸の中緯度地方に繁殖分布し、地中海海域、アフリカ大陸中部、インド、東南アジア、ニューギニア島にかけて越冬する。
日本には旅鳥として8~10月と4~5月に各地に現れ、秋のほうが強い。
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最終更新日:2020-05-20 キノボリトカゲ
形態
- 成鳥の形質
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【雄夏羽】
額・頭上・後頭・後頸は濃い赤錆色で、各羽には暗褐色の斑紋がある。
額の両側および上嘴の基部は白色を帯びている。
眼先には褐色の斑があり、顔は濃い赤錆色で暗褐色の小斑がある。腮・喉は白色を帯びている。
肩羽・背は濃い赤錆色で、各羽には黒色の横縞様の斑紋があり、羽端と基部は一部分灰褐色である。
胸・腹・脇は赤褐色で、黒褐色と白色の横縞があり、下腹ほど白色勝ちである。
腰は黒褐色、上尾筒は白色で、上尾筒の先端の各羽縁は黒色を呈している。下尾筒は白色で、黒褐色の斑がある。
下雨覆は白色、翼縁は黒褐色、腋羽は白色である。
初列風切は黒褐色で、内弁の基部の大部分と羽軸は白色である。内側のものは基部全体が白色である。
次列風切は白色で、羽端は黒褐色で、内側のものほど白色部が多い。
三列風切は濃い赤錆色で、各羽には黒色の横縞様の斑紋があり、羽端と基部は一部分灰褐色である。
大雨覆は暗褐色で、白色の縁があり、中雨覆は灰褐色で、内側のものの羽端には白色の縁がある。
小雨覆は灰褐色で、翼縁は黒褐色である。初列雨覆、小覆羽は黒褐色で、内側のものの羽縁には白色の縁がある。
尾は中央の1対は黒色で、基部は白色を呈し、先端には更に白色の細い縁がある。
ほかの尾羽も同様であるが、外側のものほど基部の白色部が多く、最外側のものでは大部分が白色で、先端にわずかに黒色の部分があるに過ぎない。
嘴色はオレンジ黄色、先端は黒褐色。虹彩は褐色。脚色は黒色。
【雌夏羽】
雄の夏羽に類似しているが、体の上面は灰色勝ちである。
【雄雌冬羽】
額・頭上・後頭・後頸は淡灰褐色で、白色の眉斑がある。体の上面は灰褐色、喉は白色、胸は淡灰褐色である。
体の下面は白色である。嘴色は黄色、先端は黒色。
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最終更新日:2020-05-20 キノボリトカゲ
- 幼鳥の形質
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【雛】
孵化直後の雛は全身に綿羽が密生している。
体の上面は赤味のある淡黄褐色で白色で多少セピア色を混じ、上嘴基部上方から後頭までセピア色のやや不明瞭な頭央線が走り、眼の上には赤味がかった淡黄色の幅広い眉斑がある。
各綿羽の先端はセピア色で、顔・頸側・腮・喉・前頸・胸はやや赤味のあある淡黄褐色を帯びた白色で、眼先から眼の後方までセピア色の過眼線が走っている。
後頸から尾端まで、セピア色に淡黄褐色の混じた幅の広い縦線が走り、胸以下の体の下面は淡黄褐色を帯びた灰白色である。
【幼鳥】
額・頭上・後頭・後頸は暗褐色で、各羽には赤錆色の縁がある。
眼先は淡色、眼の上には淡色の眉斑がある。喉・胸は白色、前頸には赤錆色を帯びた褐色の帯があり、やや灰色を帯びている。
体の上面は黒褐色で、各羽には黄緑がかった赤錆色の縁があり、腰は黒色である。
嘴は成鳥より短く、黄肉色で、先端は黒褐色である。
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最終更新日:2020-05-20 キノボリトカゲ
生態
- 生息環境
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海岸の河口部、干潟、湖沼や河川の砂泥地、水田、溜池など、水に浸かる泥地に現れる。
繁殖地では、牧場、湿っぽい草原、湖沼や河川の岸の草つきの荒れ地、伐採後の荒れ地などにすむ。
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- 食性
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長い脚と長いくちばしで、ほかのシギ類よりもいくらか水中の深いところに入り、探りを入れて採食する。
水中に頭まで突っ込んで採食することもある。
イナゴなどの昆虫、甲殻類、二枚貝、カエル、ミミズ、ゴカイなどを食べる。
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最終更新日:2020-05-20 キノボリトカゲ
- ライフサイクル
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繁殖期は4~7月、一夫一妻で繁殖する。
巣は地上の窪みにつくり、植物片で内張りをする。雄がいくつもの窪みをつくり、雌がその一つを選ぶ。
1巣卵数は3~4個、ほとんどは4個。両親が抱卵するが、雄のほうが多い。
雛は22~24日ぐらいで孵化し、早成性の離巣性で、両親の世話で育ち、25~30日ぐらいで独立する。
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最終更新日:2020-05-20 キノボリトカゲ
- 特徴的な行動
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非繁殖期は数十羽までの小群で現れることが多く、繁殖期には番がいくつか集まってコロニーになる。
コロニーの中で、巣の周りの直径 30~50 mぐらいを防衛する。
番の形成には別になわばりを持ち、雄は境界のはっきりしない 150~300 mぐらいの範囲でフライトディスプレイをする。
フライトディスプレイはシギ類のなかでもとくに発達したもので、ころが回るように上下して飛ぶ前段階と、より上空( 60~100 mぐらい)をひょこつきながら旋回する後階段とがある。
そして、風を切る音響を立てて一気に急降下し、雌の近くに良薬を立てながら着地するディスプレイを行う(Cramp & Simmons, 1983)。
参考文献
最終更新日:2020-05-20 キノボリトカゲ