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サルハマシギ(Calidris ferruginea)の分類 シギ科(Scolopacidae)
サルハマシギ(Calidris ferruginea)の概要 オバシギ属(Calidris)

サルハマシギ(Calidris ferruginea)

近危急種 (NT or LR/nt)

【IUCN】現時点での絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」に移行する可能性のある種

【 学名 】
Calidris ferruginea (Pontoppidan, 1763)

基本情報

大きさ・重さ

・嘴峰:33-34 mm
・翼長:122-137 mm
・跗蹠:28-31 mm
・尾長:42-52 mm
・体重:50-93 g
・卵:長径 34.6-39.6 mm × 短径25-26.2 mm 平均長径 36.7 mm × 短径 25.6 mm

参考文献

最終更新日:2020-05-20 キノボリトカゲ

分布

旧北区分布型。ユーラシア大陸の環極地方のエニセイ側からコリマ川のきわめて限られた地域で繫殖し、アフリカ大陸、インド、東南アジア、ニューギニア島、オーストラリア大陸に渡って越冬する。

日本には旅鳥として少数が現れ、8~10月、4~6月に海岸砂浜の水溜まり、河口や入江の干潟、池沼の砂泥地などで見られる。

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学名の解説

種小名は鉄さび色のを意味する。

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分類学的位置付け

チドリ目 シギ科

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形態

成鳥の形質

【雄夏羽】
額・頭上・後頭・後頸は栗色を帯びた赤褐色で、各羽には黒色の軸斑があり、特に後頸は赤褐色が強い。

顔と喉は栗色、腮および嘴の基部の周囲は白色である。

背・肩羽は黒色で、各羽の側縁は栗色で、縁には更に栗色の斑があり、羽縁には褐白色または灰白色の縁があるが、羽縁が擦り切れると黒色および栗色を呈する。

頸・胸・腹は栗色で、白色の縁があり、下部ほど縁の幅が広いが、夏季は白色縁は擦り切れて全く無い。

腰は灰色で、黒色の縁があり、上尾筒は白色で、黒色および横帯と赤褐色の斑が2-3箇ある。

下尾筒は白色で、黒色の嘴があり、赤褐色を混在する。下雨覆は白色、翼縁の部分には褐色の斑がある。

初列雨覆の下部は灰色、腋羽は白色である。初列風切は黒褐色、内弁の先端以外は灰褐色である。

羽軸の中央の部分は白色を帯びている。次列風切は暗褐色で、外弁には白色の細い縁があり、内弁の基部と羽軸は白色である。

三列風切は暗褐色で一部分は赤褐色である。

大・中・小雨覆は灰褐色で、黒色の軸線と淡灰色の縁とがあるが、大雨覆の先端には白色の縁がある。

尾は中央の1対は褐色で、白色の細い縁があるが、ほかの尾羽は灰褐色で、内弁は白色を呈し、羽軸の基部も白色である。

嘴色は黒色、虹彩は褐色。脚色は黒色。

【雌夏羽】
雄に類似しているが、腹の各羽縁の白色の幅が広い。

【雄雌冬羽】
体の上面は灰褐色で、各羽の基部と羽軸は黒褐色、上尾筒は白色で、黒色の斑がある。

体の下面は白色で、頭側・頸側・上胸には灰褐色の斑があり、全体に灰色を帯びている。

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幼鳥の形質

体の上面は黒褐色で、各羽には赤錆色または白色の縁がある。頸は灰色を帯び暗色の縦斑がある。

体の下面は白色、上胸・頸側は多少黄味がかった赤錆色を帯び、黒色の縦斑がある。

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生態

ライフサイクル

6~7月ごろ一夫一妻で繁殖する(Dement’ev et al., 1969)。

しかし、雄は 2~4 haぐらいのなわばりを防衛して活発に求愛行動を行い、その後、その場所を1~2kmぐらい移してしまう。

短期的な番の関係で、ルーズな社会関係らしく、ある雄は2~3の雌と番の関係を持ち、一夫多妻の傾向をもつようである(Johnsgard, 1981)。

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鳴き声

ピイ―ツ、ピイーツ、ピイーツまたはチュイーツ、チュイーツ、あるいはプイ―、プイ―などと啼き、採食中にも小声で盛んに啼く。

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特徴的な行動

雄はいろいろの発声をもち、さえずりは長く、フライトディスプレイ中に複雑にさえずり、この点でほかのシギ類と異質である。

地上でも羽毛を逆立て、複雑なコールをしつつ翼を半開に動かす変わったディスプレイをする(Johnsgard, 1981)。

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その他生態

小群で干潟、砂浜などで餌を漁る。干潮のときに主として餌を漁り、満潮のときには海岸などで休む。

両脚を交互にして地上を静かに歩むが、時折りは走ることもある。

翼を小刻みに羽搏いて迅速に飛翔し、群飛するときには波形に高く低く飛翔する。採食時には嘴を地面に斜めにすることが多い。

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