- 解説一覧
- ウズラシギ(Calidris acuminata)について
ウズラシギ(Calidris acuminata)
【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種
- 【 学名 】
-
Calidris acuminata (Horsfield, 1821)
基本情報
- 大きさ・重さ
-
・嘴峰:22-27 mm
・翼長:125-142 mm
・跗蹠:27-33 mm
・尾長:50-63 mm
・体重:42-117 g
参考文献
最終更新日:2020-05-21 キノボリトカゲ
- 分布
-
旧北区分布型。ユーラシア大陸の北極圏のヤナ川とコリマ川にかけてのごく限られた地域のみで繁殖し、インドネシアからニューギニア島、オーストラリア大陸で越冬する。
日本には旅鳥として7~10月と4~5月に各地に現れる。
小さい個体群の割りにはしばしば見られるが、数は年によって著しく異なり、愛知県で150羽という大群も記録されている。
参考文献
最終更新日:2020-05-21 キノボリトカゲ
形態
- 成鳥の形質
-
【雄雌夏羽】
額・頭上・後頭・後頸は黒色で、各羽には赤褐色の羽縁がある。眼の上にはわずかに淡赤錆色を帯びた白色の眉斑がある。
眼先と耳羽は赤錆色を帯びた白色で、暗褐色の細い縦斑がある。腮・喉は赤錆色を帯びた白色である。
頸側は赤褐色で、暗褐色の縦斑がある。肩羽・背は黒色で、各羽には赤褐色の縁があり、羽端には更に白色の縁がある。
胸・脇は灰色を帯びた赤錆色で、胸には黒褐色の雨滴形の斑紋があり、脇にも同色の縦斑がある。
腹・下尾筒は白色で、下尾筒には黒尾褐色の軸斑がある。
腰・上尾筒は黒色で赤褐色の縁があり、上尾筒の両側は白色で、各羽には黒褐色の軸斑があり、先端は赤錆色である。
下雨覆は白色、翼縁は暗褐色、腋羽は暗褐色で各羽縁は白色を呈する。
初列風切は暗褐色、第2羽の羽軸は灰色を帯び、先端は白色であるが、ほかは褐色を呈する。
次列風切は暗褐色で、白色の細い縁があり、三列風切は形が細長くて黒色を呈し、赤褐色の縁がある。
大雨覆は暗褐色で、羽端には白色の縁があり、中・小雨覆は暗褐色で暗褐色の縁がある。
初列雨覆・小翼羽は暗褐色で、白色の縁がある。
尾は灰褐色で、中央の1対の先端は黒色を帯び、羽縁は赤錆色を呈し、ほかの尾羽の羽縁は白色で、その幅が狭い。
嘴色は黒褐色、基部は黄褐色。虹彩は暗褐色。脚色は褐色を帯びたオリーブ黄色または緑黄色。
【冬羽】
頭上の各羽縁は赤錆色、体の上面の各羽縁は灰褐色を呈している。
下喉・胸は淡黄灰色で、黒褐色の細い線になった斑と斑点がある。
参考文献
最終更新日:2020-05-21 キノボリトカゲ
- 幼鳥の形質
-
体の上面の各羽縁は赤褐色で、成鳥の夏羽より暗色である。
肩羽には白色の縁があり、腮・喉・上胸は赤錆色を帯びた砂褐色で、上部と側部には褐色の縦斑があり、脇には褐色の縦斑がある。
下尾筒は白色で、濃褐色の軸線がある。
参考文献
最終更新日:2020-05-21 キノボリトカゲ
生態
- 生息環境
-
海岸の水溜まりや砂浜、河口の干潟、河川の砂泥地、水を張った水田、溜池、湖沼の砂泥地など、泥底の浅い水域に現れる。
繁殖地では蘚類に覆われたツンドラの水湿地にすむ。オーストラリアではマングローブ林などにすむ。
参考文献
最終更新日:2020-05-21 キノボリトカゲ
- ライフサイクル
-
巣は小丘上の乾いた場所の蘚類の窪みにあり、1巣卵数は4個。抱卵期になると雄はいなくなり、雌のみが抱卵する。
雄は直径 150~200 mぐらいのなわばりをもち、上空でフライトディスプレイをする。
喉に空気を入れて奇妙な音響を出しつつ上昇し、さえずりつつ下降する。
参考文献
最終更新日:2020-05-21 キノボリトカゲ
- 鳴き声
-
ピイ―,ピイ―、ピイ―またはツィーッ、ツィーッ、あるいはフィー、フィー、フィーと2声または3声啼き、舞い立つときや飛翔中に啼くことが多い。採食中にはあまり啼かない。
参考文献
最終更新日:2020-05-21 キノボリトカゲ
- 特徴的な行動
-
渡りのときには3-4羽くらいの小群で干潟や水田などで餌を漁る。
ハマシギにやや類似するが、体はハマシギより大きく、脚はやや長く嘴はそれよりも著しく短く、頭部は赤褐色勝ちである。
体をやや直立させて両脚を交互にして歩む。翼を小刻みに羽搏き、翼端をピリピリさせてチドリ類のような緩慢な飛翔で低空を直飛する。
採餌時には地面に嘴を斜めにすることが多い。
参考文献
最終更新日:2020-05-21 キノボリトカゲ