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- ダイシャクシギ(Numenius arquata)について

ダイシャクシギ(Numenius arquata)
【IUCN】現時点での絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」に移行する可能性のある種
- 【 学名 】
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Numenius arquata (Linnaeus, 1758)
基本情報
- 大きさ・重さ
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・嘴峰:雄 128~150 mm 雌 145~164 mm
・翼長:雄 280~312 mm 雌 294~318 mm
・跗蹠:70~84 mm
・尾長:113~129 mm
・体重:555~1087 g
・卵:長径 66.5~71 mm×短径 46~50 mm
参考文献
最終更新日:2020-06-18 キノボリトカゲ
形態
- 成鳥の形質
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長く下に曲がった嘴をもつ。上面は淡褐色で暗褐色の縦班があり、下面は白色。腰と上尾筒が白いことで、ホウロクシギと見分けることができる。
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最終更新日:2020-06-18 キノボリトカゲ
- 幼鳥の形質
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体の上面は成鳥に類似しているが、羽縁は赤錆色が強い。
嘴、前頭、胸は褐色が少なく、黄色勝ちである。胸側には褐色の細長い縦斑があり、成鳥にある横縞を欠く。
嘴は短く、脚は緑灰色である。
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最終更新日:2020-06-18 キノボリトカゲ
生態
- 生息環境
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渡り期には、海岸砂浜、入江の干潟、ときには潟湖、河川、湖沼の沿岸の砂泥地などに現れる。
繁殖地では、開けた湿地草原、湿性草原、乾いた草原、牧草地、農耕地、藪や樹木が散在する草原などにすむ。
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最終更新日:2020-06-18 キノボリトカゲ
- 食性
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湿った砂泥地では、長く下湾したくちばしを深く差し込んで探るようにしてとり出す。
湿地や草原では、単純についばんだり、半分ぐらい差し込んだりして採食する。昆虫、ゴカイ類、二枚貝、カニ類などを食べる。
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最終更新日:2020-06-18 キノボリトカゲ
- ライフサイクル
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繁殖期は5~7月、一夫一妻で繁殖する。
巣は、雄が草むらの中にいくつかの浅い窪みをつくり、雌がそのひとつを選び、草の内張りをする。
1巣卵数は2~5個で、4個が多い。両親が抱卵し、27~29日ぐらいで孵化する。
早成性で離巣性の雛は両親の世話で育ち、飼育下では32~38日ぐらいで巣立つが、野外では40~45日を要する(Johnsgard, 1981)。
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最終更新日:2020-06-18 キノボリトカゲ
- 鳴き声
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飛翔中にはピーヨ、ピーヨと大きな声で啼き、飛び立つときには必ず啼くのが常である。
地上ではピーヨ、ピーヨ、ホーウイ、ピーヨ、ピーヨと啼き、その後でピリ、ピリ、ピリと長く続けて啼く。
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最終更新日:2020-06-18 キノボリトカゲ
- 特徴的な行動
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繁殖地ではなわばり分散をするが、ルーズコロニーの場合もある。なわばりの広さは 6.9~70 ha。
雄のフライトディスプレイが見られるが、これえはなわばりのためではなく、番の相手を求めるものであるらしい。
波打つようなはばたき上昇と、翼をV字形に背後に支えた滑空下降とを繰り返し、カーリーを繰り返すさえずりをする(Cramp & Simmons, 1983)。
非繁殖期には、塒集合をする。
採食地では、分散して採食なわばりをもつものともたないものがあり、後者は若鳥である(Cramp & Simmons, 1983)。
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最終更新日:2020-06-18 キノボリトカゲ